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じぶんのクセをすきになる【1-4】クセとダーウィン


 じぶんのクセって、どうやったら好きになれるんでしょう?僕は嫌いなクセだらけです。朝起きられない自分、仕事で毎回失敗をしてしまう自分、大切な人の期待に応えられない自分…。「こんな自分になりたい」なんて思うんだけど、いつもそれを邪魔してくるようなクセばっかり。嫌になっちゃいます。

 でも、実はそのあなたのクセ、唯一無二の才能に紐付いています。あなたの身体の声を、心の声を、きいてみませんか。そこにきっと、答えはあります。この本を読み終えたらきっと、読む前よりも自分のことがもっと好きになっているはずです。

ーー内容は、クセを受け入れて生きること、じぶんの才能の知り方、個性の感じ方、自然体な生き方、深層心理学、そんな感じ。

 何とか書籍にできるまで、無料で公開し続けます。いや、本当は無料じゃありません。お金を払う前に内容を読めるようにしておきます。

 この原稿を読んで下さった方は、書籍代がわりに下記の僕がやってる個人会社の銀行口座へ1,650円(1,500円+税)を振込、またはこの記事下部のnoteのサポートから払っていってください。でも、読んでも払わなくてもいいです。そうしたら、後から気が向いたときに払ってください。1ヶ月後でも、1年後でも、10年後でもいいです。料理をぱくっと食べてもらえただけで作った側は嬉しかったりします。その代わり、後から払うかもしれません的な暗号として、そっとスキを付けていってやってください。

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 お金をもらえると僕のやる気が出ます。誰かが読んで、何かを感じてくれたことが伝わります。返ってきて、循環します。お金を支払った人と、それを受け取った人の二人の環に、新しい流れが巡ります。そして僕がまた書きます。いや、本当は払ってくれなくてもたぶん僕は書き続けます。でも、やる気が出るのは嬉しいです。

じぶんのクセをすきになる

▽ 目次(原稿が進むほど詳細になっていきます)
1. クセと才能って、何のために生まれたんだ?
 ・みんな違ってみんないい。の裏返し
 ・クセの正体は『自然体の偏り』
 ・お金を受け取るクセ、受け取らないクセ
 ・クセとダーウィン
 ・クセと才能は「ある・ない」の世界にはいない
 ・才能と技術の違い
 ・一人で生きることを追求する社会で、なぜ人は、人と共に生きるのか
2. クセを通して才能を聴きとる
 ・痛みを思い出す
 ・無意識の信念を自覚する
 ・処世術の発動を気付いてあげる
 ・反射神経で行動するのを辞めてみる
3. 偏見をたくさん持ったら、自分のことを好きになれる
 ・偏見は、偏見でしか壊せない
 ・ユング心理学
 ・メンタルモデル
 ・MBTI
 ・体癖


クセとダーウィン


 今日は、種の起源について書いていこうと思っています。とはいっても僕は専門家ではないので、僕の言っていることを鵜呑みにしないでくださいね。科学は嫌いじゃないですが、ただの科学という世界の見方に興味がある一人でしかないので、僕の話をきいてみて、自分の体に合ってるのかどうか感じるようにしてみてください。これも、じぶんのクセをすきになるコツのひとつです。合わないものは取り入れないようにして下さい。
 さて、みなさんは種の起源って何だか知ってますか?種の起源という生物の進化論については知らなくても、ダーウィンという名前には聞き覚えがあるよって人は多いんじゃないないでしょうか。
 僕は大学一年生のときに、種の起源を読みました。原著の言語というわけではなく、光文社さんの翻訳の本だったはずです。
 最初に僕が種の起源を読んだとき、とんでもなくびっくりしたことを覚えています。なんと、種の起源を読んでびっくりするような発見が、殆どなかったんです。もちろん、例として用いられる蜜蜂の生態や、ガラパゴス諸島の動物たちの記録についてはワクワクしちゃうようなことが書かれています。でも肝心の、種の起源として言いたかった核論みたいなことに関して、何の驚きもなかったんです。驚きがなかったことに、驚きました。だって小学生か中学生の頃から散々その名前をきいてきた、あのダーウィンの種の起源ですよ。大学生になったばかりの僕は、偉い人の書いた偉い本だから、きっと何かすごいことが書かれているに違いない…なんて意識を高めながら本を読んでいたわけです。
 でも、そのあと冷静になって考えてみると、驚きがないことは、当たり前のことだったのかもしれないと思うようになりました。それは、ダーウィンの種の起源が僕たちが義務教育で習った、生物学の基盤になっているからなんです。そう、みんなもう、原著なんて読まなくてもダーウィンの種の起源に基づいた生物学の基礎を、知らない間に習っちゃってたのです。だってもう、猿から人間に進化しました、なんてこと小学生だって知ってるじゃないですか。
 でも、それが全然当たり前じゃない時代があったってことです。種の起源だって、最初は非難の嵐だったらしいです。猿から人間に進化してきたなんて、伝統的なキリスト教の世界からすれば、いや、殆どの宗教の世界観からしたら、とんでもないことですから。そんなこと民衆が信じ始めたら、倫理観が全て吹っ飛んじゃいます。キリスト教が転覆してしまうということは、すなわち国民を宗教の力で統治することさえできなくなっちゃうくらいの、危険思想なわけです。
 進化論自体は厳密にはダーウィンが最初に提唱した概念ではないのですが、ダーウィンが進化論を科学として普及させる一役を買ったことには間違いないはずです。そんな今では当たり前になった、猿が人間に進化しました、というその一つの事象に関しても、多くの人間が信じるような常識になるまでにはものすごく時間がかかったわけです。人の一生分では果たせないくらいの時間です。
 あぁ、熱くなりすぎて進化論の話になっちゃってました。話を戻しましょう。
 要するに言いたかったことは、「種はランダム性を持つように仕組まれている」ということなんです。もっと言うと、「ランダムに生まれてきた種のうち、偶然そのときの環境に適応した種が存続する」ということです。意味、分かりますかね?ちょっと難しい部分もありますよね。種の起源に馴染みがない人のために、もう少し説明しますね。
 人間って、今、地球ですごく強い生き物ですよね。どんな種の生物よりも、実質的には食物連鎖の頂点に位置していて、個体数を信じられないくらいに増やしています。どうやって調べてるのかよく分かりませんが、噂によると、今は地球上に80億人くらいの人間という生物がいるらしいですよね。これまでの歴史上、こんなに数を増やした生物っているんでしょうか。いたんでしょうか。気になりますね。でも、なかなかいないんじゃないでしょうか。他にもいたのかも、って妄想すると楽しいですね。
 では、なぜ人間はこんなにも増えたのでしょうか?もっと言うと、なぜこんなにも種として強くなって生き残ったのでしょうか?
 火が使えたからでしょうか?それとも、道具が使えたからでしょうか?はたまたもう少し根本的に考えてみると、知能が発達していたからでしょうか。言語を獲得したからかもしれません。歌が歌えたから、絵が描けたからっていう理由も割と的を射てるかもしれません。
 回答はというと、その全部が正解であり、そして間違いでもある。これが現在の種の起源の進化論に基づいて考えられていることです。
 どういうことかと説明すると、先ほど挙げた全ての要素が、その環境で一番生き残るのに便利だったことって、偶然なんですね。後付けなんです。いつだって火が最強でもなく、道具が最強でもなく、知能が最強というわけでもないってことです。どんなに知能が高くても、氷河期が来たら人間は絶滅してしまうでしょう。大火山時代が訪れても、死んでしまうでしょう。そう、“たまたま”火が便利で、道具が便利で、知能が便利な時代であり、環境だったに過ぎないということです。
 じゃあ何が種を生存させているのか?そう、最強なのは「変化する力」そのものだったんですね。もっと生物的に言うと、「種として新しい個体を生んだとき、その性質にバラつきがある」ほど、変化する力があって、結果として偶然そのときの環境に適応する個体が生まれやすい、ってことなんです。びっくりですね。
 え、種の起源って「自然淘汰説」だから、環境に適応して進化したやつが生き残るってことじゃないの?って思われた方もいるかもしれません。弱肉強食的な。実は、そうではないんですね。ダーウィン以前の進化論では、種は環境に適応して進化するという説を立てていた科学者もいました。
 ですが、たくさんの単細胞生物をグループに分けて、それぞれの生物のグループを違った環境に置いて個体を増やさせてみたところ、それぞれの環境で新しく生まれた個体の性質のバラつきは変わらなかったという結果が得られたんです。その実験以降、種は環境に応じて進化しているのではなく、それぞれの個体をランダムに(適当に)違うように生み出してみて、偶然環境に合っていたヤツが生存する、という仕組みだったことが分かったんですね。実験の対象、単細胞生物じゃなかったらすみませんが。気になったら自分で調べてみて下さいね。それも科学ですね。
 これで、ダーウィンの種の起源のすごさについて、理解して頂けたんじゃないでしょうか。アダムとイブから人間が生まれている世界観からすれば、びっくり仰天ですよね。ダーウィン爺さんのあの常識のなさったら、呆れちゃうほどです。
 でも、それが今は科学になっているってことですね。科学って面白いです。誰かの主観が、みんなの主観になったとき、初めてそれが「科学」と呼ばれるものになるんですね。科学だって、初めは主観でしかないんです。学校で習ったからってそれを信じ切ってしまうことの危険が、よく分かる事例です。僕は、僕たち一人ひとりの科学を育てたいなって思います。みんなで、そうしませんか?みんな違う科学を持ってたっていいのだと思います。その方が、ひとりひとりで見たら幸せになれると思います。だってみんな全然クセが違うんですもん。全員に当てはまるってことは、すなわち個人の偏りからは一番遠いってことです。
 で、ダーウィンの種の起源を持ち出して何を伝えたかったかと言うと、「クセは絶対に一人一人異なっている」という事実なんです。言い換えると、「全ての人間がそれぞれ異なっている才能を持っている」ということなんです。びっくりですね。
 なぜそういうことになるかというと、人間が今ものすごく繁殖してるからです。ものすごく強いからです。これはダーウィンの種の起源からすると「種としてのランダム性が大きい」ということになります。人間は、ひとりひとりの性質に大きなバラつきを持たせて新しい個体を生み続けているということです。
 だから、クセもひとそれぞれ全然違ってしまうということです。寒いのが苦手な人がいれば、暑いのが苦手な人もいます。例えば30年後にどちらが生き残りやすいか(生きやすいか)なんて、分からなくないですか?もしかしたら温暖化が進んだら、暑いことがへっちゃらな人が生きやすくなるかもしれません。でも人間が色々取り組んで頑張ったり、気候変動が起きて温度が下がっていったら、寒さに弱い人は活動できなくなっちゃいます。エアコンが効く家の中でしか動けないって、生物としてすごく不利ですよね。食べ物を得るためにも、UberEatsを使わなくちゃいけないわけですから。その時代のUberEatsの配達のお兄ちゃんたちはすでに、寒さに強い北方系みたいな体つきと性格をした人ばかりになってます。大北方系時代の到来です。外には北方系の人間しかいません。南国系の人間はUberEatsの配達員になることさえできず、徐々に排他されていきます。
 いや、UberEatsのことはどうでもいいんです。言いたかったことは、「人間は一人一人異なるクセづけがされている」ということで、これはダーウィンの種の起源からしても事実なのではないか、ということが僕の言いたかった科学です。いや、こんなの科学じゃない、社会学か人文学か、それとも学でさえないなんて言われたら、そりゃそうだ、って感じなのですが。でも、一人一人の人間がやっていく研究なんてこんなものでいいんだと思います。自分の体と心の実になる研究を続けることです。それが生きることであり、生活することであり、つくることであり、遊ぶことなんだと思います。
 そう、だから、あなたにはあなたしか持っていない固有のクセがあります。体のこともそうですし、心のこともそうです。ここが凝りやすいなとか、こういう考え方をいつもしてしまうなとか、そういう偏りがあるはずです。それはあなただけのものなんです。尊いものなんです。
 もちろん同じ種なので、似た偏りを持っている人もいます。でも、似ているだけです。根本はどこかで必ず異なっています。
 悲しいですか?寂しいですか?でも、異なっていることは、喜ばしいことでもあります。似ている人を見つけると、嬉しくなれます。でも根本は少し違うところもあると思えていると、その人に興味を持てます。私とあなたが同じ感覚を持っている、ということを期待せずに済みます。
 多くの恋愛の依存関係が、この「あなたのことを最後まで理解しているよ」という思い込みによって生まれているような気がします。人間、全員違っているので絶対に最後には分かり合えません。体感できません。でも、違いを感じ取ることはできます。違っていることを理解することはできます。だから、人は人に興味を持ち続けることができます。それって、すごく優しい世界なんじゃないかなって思うんです。

 今日は、ダーウィンの種の起源に触れながら、ひとりひとりのクセは必ず異なっている、ということについて書いてきました。
 自分で書きながら感じていますが、クセってすごいですね。人間って美しいですね。みんなもっと自分のクセに自覚的になったら、世界はすごく平和になると思う。もっともっと人間、可愛くなっちゃうと思う。
 ということで、次回のトピックは未定です。未定ですが、「人が共に生きるわけ」ということをテーマに書けたらいいなぁなんて思ってます。クセって素晴らしいのですが、それだけじゃ人って生きていけないんですね。そういうことを書いてみたい。では。

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