じぶんのクセをすきになる【2-1】怒れなくなっていく
第二章 クセを通して才能を聴きとるー実践編
怒れなくなっていく
こんにちは、とつゆうです。今日から第二章として、もう少し実践編のような内容に寄って書いていければと思っています。
第一章では、クセってなんだ?そしてクセの素晴らしさってなんだろう?ということについて書いてきました。
じゃあ、そのクセを、どうやったら自分ですきになっていくことができるのか?そしてそのクセが、自分の才能にどう紐付いていると考えればいいのか?そしてその才能を開かせながら生きていくためには、どうしたらいいのか?そういうことを書いていければいいなと思っています。この本の文章を一通り読めば、その全てを体感できるよう漏らさず書いていこうと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
ということで第二章の実践編の一日目は、「最近イライラしたことを思い出す。」 です。
【一日目のくせすきワーク】最近イライラしたことを思い出す。
どうですか?何かすでに思いついたなという人もいるかもしれません。怒りに瞬発性があるの、すごく素敵ですね。イライラを自覚できていること、すごいです。
それとも難しいですかね。僕は結構こういうの、難しいなって思うタイプです。日常でイライラすることなんてあんまりないな〜…っていうタイプです。というか、そう思うクセです。本当はイライラしていること、つまり自分にとって望ましくないことが起こったことに対して、怒っていないことにしてしまうんですね。それも僕のクセなんですが、実は結構、今の時代を生きている人ならこういう人も多いんじゃないかなって思います。
配信者として僕も大好きな岡田斗司夫さんが、現代のそんな風潮のことを「ホワイト革命」なんて言っています。どんどん、ホワイトになっていってるんですね。表面上、ということなんですが。
SNSやインターネット上での匿名性が低くなってから、自分の社会的信用と、現実での信用が直結するようになったんですね。だから、インターネット上であれ何であれ、とにかく「ホワイト」になってきています。「怒る」っていうことが、ナンセンスであって、マナーもモラルもないことだ、っていうことになっているんですね。だから、みんな怒れないんです。「アンガーマネジメント」なんて言って、怒りは管理されるようなものになっちゃったんですね。怒っている人は匿名アカウントの人だけです。社会的信用が結びついているアカウントで、怒っている人は殆どいません。実名で怒っている人がいるとしたら、それは怒ることをある種の社会的信用に転換しているようなことをしている人だけです。
そういう「怒らない」社会のことを、「ホワイト革命」と呼んだんですね。正確には「怒り」が表層化しない社会のことですかね。面白いですね。僕も「怒る」ということができない人のうちの一人です。ホワイト革命の流れもありますが、別の理由もあるような気がしますが。僕の場合は、「怒る」ことよりも「怒らせない」ことに必死だった気がします。思春期の頃までについてしまったクセですね。相手を怒らせないためには、自分は怒らない方が得策なわけです。感情をこちらが露わになんてしていたら、相手がどう感じているのかを先に察知することができません。だから僕は「怒らない」クセがすっかりついてしまいました。
そうそう、「最近イライラしたことを思い出す」でしたね。僕みたいなホワイト革命の寵児も、ぜひじっくりと時間をとって、思い出してみてください。
どうでしょうか?思い出せたでしょうか?何でもいいですよ。実は全ての感情の動きの現象は枝葉みたいなもので、同じ根につながっています。同じクセにつながっています。同じ才能につながっています。だから、何でもいいんです。大事なことは、どんな些細なことでもそれをキャッチして、感じてあげることです。どれだけ小さな波の揺らぎだったとしても、それを捉えて、大事に抱きかかえてあげることです。そしてどんな小さな揺らぎにも、意味が必ずあるんです。理由が必ずあるんです。クセが必ず潜んでるんです。それをしてあげられるのは、いつも自分だけなんですね。他の人が、他者の小さな揺らぎのような感情を大事に抱えてあげることはできません。だって、自分が隠しちゃってるんですから。
僕はこのクセをすきになるワークを毎日やっているのですが、今回は文章にしていくためにも、原稿を書きながら一緒にリアルタイムでやってみることにしますね。事例が大事なんですね。他人の例を見ることが大事です。それが必ず、自分にもリフレクトされます。自分で見た自分自身の判断だけで、クセや才能を自覚していくことはとても難しいんです。直接自分を覗き込むことはできませんから。だから、他者という鏡を通して自分を見るんです。その差分を感じることで、自分の位置を知るんですね。
僕が「最近イライラしたこと」として思いを巡らせていたら、少し前にパートナーと共同生活をしていたときのことを思い出しました。それは「僕が置いた物の位置が変わっている」ということでした。あぁ、こんなことに、なんであんなにイライラしていたんだろう。思い出しただけで、ちょっと嫌な気分になってきちゃいます。こんなことにイライラしている自分にイヤになっちゃいますね。
例えば台所の定位置に僕のお気に入りのトングがあって、その場所がちょっと変わっていたり。アトリエにしていた部屋の、本とがらくた(オブジェや古道具を部屋のいろいろなところに並べるのが好きなんです)の並びが変わってしまっていたり。そういうことに対して、すっごくイラっとするんですね。多分、パートナーがちらっと手にとって、そして何の気なく戻したんだと思うんですね。そこに悪気は全くないことも分かってます。それなのに、イラっとしちゃうんです。面白いですね。でも僕もホワイト革命の寵児ですから、そこで怒らないわけです。というか、ずっと怒らないです。相手にも多分、伝えていないことの方が多かったような気がします。
「相手のせいじゃないから」って思っちゃうんですね。イライラしているのは自分で、相手には悪気はない。そうやって自分をなだめます。ちょっとしたら、そんなこと忘れちゃってます。些細なことですから。自分にちゃんと言い聞かせてあげれば、忘れてくれます。だから毎回、怒らずに、喧嘩にもならずに、事が済むんです。僕はそういう方向に物事を持っていってしまうんですね、つい。そういうところがあります。
元々知っていたような気がしましたが、このワークを改めてやってみて、自分のことを自覚しました。自分のクセを知れることって、嬉しいことですね。自分を知るって、楽しいです。
では、思い出したイライラした出来事に関して、次はできるだけその場面をじっくりと頭の中に思い描いて下さい。すでに思い出したときにイメージが湧いた人も、もう一度やってみてください。今度は、自分の想像力の限界を超えるくらいの気持ちで、丁寧に思い出してみて下さい。目を閉じて、追体験するんです。そのときの自分の感覚を、再現してみて下さい。そこまでやったら、次の段落を読んで下さい。
どうですか?僕はため息が出てきました。「はぁ」って。イラっとするというよりは、心がイガっとする感じの方が近いかもしれないです。「はぁ」ってため息を吐きながら、位置が入れ替わった木製の大好きなオブジェを、元の位置に戻しました。その後、順番が入れ替わっていた本を元の順番に入れ替えました。そして「やれやれ…」みたいな雰囲気を醸し出しながら椅子に腰をかけて、煙管を吸い始めました。ふう、なんて言って。イガっとして、怒りそうになっちゃった心を落ち着かせたかったのかもしれません。
煙管とか煙草とか、呼吸のリズムを変えてくれる趣味っていいですよね。呼吸が整うと、心が整います。座禅に行ったときにお坊さんが「調身、調息、調心」と言っていましたが、身体と息を整えると、その次に心が整ってくるんですね。いきなり心から整えるのは、とっても難しいわけです。だから、煙管や煙草が苦手って人も、瞑想やヨガとかおすすめです。呼吸のリズムを変化させる趣味を持つこと。あ、これはワークじゃないです。今日のワークに戻りましょうか。
これに何の意味があるんだ?って思うかもしれません。でも、やってみてください。明日からのワークも続けてやっていけば、必ず変わってきます。自分のクセがどんどん分かってきます。そしてそのクセに、抗わなくてもよかったんだということを実感していけます。そうしたら、体の力が抜けていきます。体の力が抜けると、自然体になれます。自然になれると、人間はすごいパワーを発揮します。そのときに放っている輝きが、才能の力です。クセのパワーです。そしていつの間にか、もう同じことに怒らなくなってるんです。我慢できるようになるわけじゃないんです。自分を許してあげられるようになるんです。怒りを発生させていた震源地の痛み自体が、根本から癒えてしまうんです。守ろうとしなくてもよくなるんです。ちょっと難しいですよね。僕もまだここまで書いてきた内容だけだと、うまく説明できていないような気がします。うまく伝えられるように、これからどんどん書いていきますね。
なので、意味は一旦、置いておきましょう。意味を考え込み始めると、動けなくなってしまいます。完璧主義は自然体にとって必ず敵にしかならないんです。意味を考えようとするほどに、本当の意味からは遠ざかります。感じることを大切にして下さい。受け取ることを大切にして下さい。それも、クセをすきになるための大事なコツのひとつです。
余裕がある人は、思い出したイライラの出来事を、今日の日記を書くときにでも描写してみて下さい。さっき僕が書いたみたいな内容でいいので、そのときにとった行動と、感じたことを順番に文章にしてみるんです。言葉にすることには、すごい力があります。無意識と意識をつないでくれる力があります。だから「何となく感じた」というその貴重な波を、しっかり拾い上げていくための、橋渡しになってくれます。しかも、言葉は大体みんな使えます。すごいことです。ぜひ、やってみてください。
文章にするのが面倒な人は、これだけでもやってください。イラっとしたとき、その瞬間に自分は何ていうセリフを言いたくなっていますか?ということを感じてみることです。
僕の場合はその瞬間に出くわしたときに、「もう!これはここに自分が置きたいと思って、ちゃんと置いてるのに!」って言ってる感じがしました。そんなセリフを言いたくなってる感じがしました。僕の場合、絶対言いませんが。それでいいんです。言わなくてもいいです。絶対に言わないかもしれないことを、素直に怒りのままに言葉にしてみてください。
建設的にならないでくださいね。善良になろうとしないでくださいね。ホワイトになっちゃダメです。ブラックな自分を思い出してあげることが、このワークの目的でもあるんです。だから、すっごく真っ黒の、もう、コナンに出てくる犯人くらい足の先から頭の上まで真っ黒の人間になったつもりで、セリフを放ってください。ツリ目で眉を斜めにして言ってください。大丈夫です、誰も傷付かないです。あなたはそれを、誰かを傷付けようとして言っているわけではないんです。
怒りって、実は誰かを傷付けようとしてるわけじゃないんです。でも、攻撃してるように見えちゃうんです。何でなのでしょうか?それは、怒りはその人自身の存在を守るための防衛の行動だからです。怒ってる人は、自分を守りたかったんです。自分の大事なことを、ないがしろにされたと感じているんです。大事だと信じていたことを、大事にし続けたかっただけなんです。
だから、怒ってる自分に優しくなってあげてください。「あぁ、大事なことを守りたかったんだね」って自分自身に声をかけてあげるような気持ちで見守ってあげてください。そうしたらきっと、あなたの中のブラックなあなたは、本当にただただ素直な気持ちで「こうしたかっただけなんだよ!!」って叫べると思います。子供みたいに叫べるようになっていると思います。
どうでしょうか?怒ることができましたか?もし、最近イライラしたことを思い出すのに時間がかかった人や、「普段、怒ることなんてないからなぁ」って思った人が、少しでもイガっとしたことを思い出して、それに対して怒りのセリフを浴びせてあげられたとしたら、それはもうとんでもない進歩です。あなたはくせすきマスターに確実に近付いています。
必ず、この「最近イライラしたことを思い出す」ということを、一度でいいので丁寧にやってみてください。僕は毎朝、これをやっています。いや、正確に説明すると「イライラしたこと」には限っていないです。別のアプローチとして「不安に感じていること」「恐怖を感じていること」「恐れていること」みたいな出来事でもいいことにしています。でもこれも全部、「イライラしたこと」を思い出すのと、同じことなんですね。全ての枝葉は、同じ根につながっていますから。
慣れてきたら、ぜひ毎日やってみてください。そして毎日「私はこうしたかっただけなんだよ!!」って、叫んでみてください。マンションに住んでいる人は、紙の上の言葉で思いっきり叫んでみてください。びっくりマークいっぱい付けてください。それだけで、もの凄い効果があります。
ということで、一日目のワークは「最近イライラしたことを思い出す。」でした。もしかしたら今日のワークは、明日からやっていくことにもつながっていく、一番最初にして、一番大切なことだったかもしれません。それくらい、効果があります。すごいんです。
では、明日からもまた自分をもっと知って、もっと好きになってしまいましょう。楽しみになってきちゃいますね。では。
【くせすきワーク一日目】最近イライラしたことを思い出す。
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