さらなるスパイラルアップの第3回は、全社的組織対応の向上です。 「ゼロから始めるIR」は今回が最終回となります。 全社組織対応 統合報告書の志向に沿って、企業サイト・商品サイト、さらに国内サイト・グローバルサイトの統合化を図りました。その際に特に意識したのがあらゆるステークホルダーのニーズ・ウォンツに応えるということです。 高度成長期のコミュニケーション活動は商品広告に偏りがちでしたが、昨今は商品以外の企業価値、企業の姿勢や社会的活動といった企業の総合力が求められる
さらなるスパイラルアップの第2回は、発信情報の中身の『質』の向上です。 必須な会計情報 基礎編では発信情報の極めて重要な要件について敢えて触れませんでした。それは多くの上場企業が抱え、欠落していると推測される連結会計の詳細情報です。当然ながら各社制度連結会計による法定開示は行っていますが、ここで課題としているのは管理連結会計による情報開示、情報発信です。 それは、投資家観点、或いは、マーケティング観点からの事業別エリア別、或いは、ブランド別収益のPDCA(計画実
ゼロから始めたIR。準備から5年経過し、これまでの活動は果たして成果は上がったのでしょうか。更なる展開を進めました。 本当に成果は上がったのか? ゼロから準備をして5年、2016には株主構成はほぼ当初目標に近づき、業績向上と相まって時価総額も5倍ほどになりました。夢中で施策を実行した結果、成果は伴いましたが、活動の効果は本当に上がっているのか、疑問でした。 何故ならば量的には達成できても中身の個別投資家は目指す長期保有投資家になっているのか、或いは、年間300
これまで考え方から具体的実践方法までお話ししてきました。 タイトルにあるように「ゼロから始めた」わけですから、紆余曲折が多くありました。 その失敗談やヒントのいくつかを今回はご紹介します。 貴社のような無責任な発行体には投資できない 初期のミーティングでの失敗談です。 ミーティングで先方の外人投資家からブランド別エリア別損益情報を質問されましたが、回答に窮してしまいました。もちろん、ディスクロージャーコードがありますから全て開示出来るわけではないのですが、実態として連
具体的な実践方法 part3。意味のあるIR活動をする最後の仕上げ。「どのように」演出するか。 ターゲットが明確、情報内容がしっかりしていても、プレゼン、説明方法、或いはIRサイト等のツールの巧拙でやはり印象、理解の差が出るものです。そもそもIRは機能としてはPR,広報の一環です。ただ漫然と報告するのではなく、プロモーションの事前準備を充分行うことは広報業務の要です。 さて、ここでコミュニケーションという活動を読者にも改めて考えていただきたいと思います。 正しく理
具体的な実践方法 part2。意味のあるIR活動をするには「何を」伝えるべきか。 意味ある適切な情報発信とは IR活動は基本方針で述べている通り、『投資家とのコミュニケーション活動を通して自社の実態価値を正確に伝える』ことが目的です。それにより投資家の正しい理解と好意的な印象を得て自社に投資を誘導します。 それには実績よりもむしろ将来この企業は確実に成長するであろうという計画(中計、予想)の信憑性(投資に値するか)がまず必要です。同時にその実行進捗(計画が
活動は行動によって価値を生む、つまり、実施する意味のあるものでなければなりません。本編からは価値を生む具体的な実践方法、所謂、「誰に」「何を」「どうやって」のHowToについて説明していきます。まず「誰に」伝えれば意味のあるIR活動が可能となるか、お話しします。 具体策の「質」を維持するために 一般的にはこのHowToに特化、時には、この部分のみ紹介している情報や記事、書籍が散見されます。しかし、このHowToだけ覚え実践しても、企業の業界特性、企業風土、組織、人
ビジネスの勝敗を決するのは戦略構築です。日本のビジネスマンは「戦略」という言葉が大好きですが、ところで皆さん、本当の戦略ってご存じでしょうか? 具体的な戦略(基本設計図)を創る 戦略とは 前回の基本方針に沿って具体的戦略構築を行います。 一般的に事の成否は事前の作戦で7~8割が決まり、残り2~3割が実践で差が出る、と言われています。にも関わらず、日本のビジネスにおいては「戦略」を軽々に使い,中身が伴わないケースが散見されます。 そもそも「戦略」とは、「顧客重
全米IR協議会によればIR活動とは、 「企業の財務機能とコミュニケーション機能を結合して行われる戦略的 かつ、全社的なマーケティング活動であり、投資家に対して企業の業績やその将来性に関する正確な姿を提供するものである。」とあります。戦略的全社的なマーケティング活動とは如何なるものか、その基本をお話しします。 株価が何十年も低迷するとはどういうことか IR活動を始めるに当たって、まず、自社の株価がマーケットから適正な評価を受けているか否か、冷静に見つめる必要があります。
そもそも金融市場ってどうなっているのだろう?まず基礎知識を学びます。 IR活動は投資家に株式市場を通して自社の株式に投資をしてもらうための「質の高い情報提供活動」です。その株式市場、マクロな金融市場、金融経済とは、そもそもどのようなプレイアーにより、どのような仕組みで、どれくらいの規模で成り立っているのでしょうか?マーケティングにおいて市場分析・基礎情報は必須ですので、本題に入る前にその根本的な基礎知識をまず理解しましょう。 世界の金融市場 マクロ的観点から金融市場を捉
日経平均の動きにも業績変化にも微動だにしない自社の株価。そんな老舗の株価を上げ、時価総額を上げたストーリーを株価対策でお悩みの方々にご紹介します。 株価を上げるということ 私は老舗企業の森永製菓にて経営企画、コミュニケーション部門で企画、執行の両業務を経験し、リタイアしました。 広告部長時代に広告主社団法人の会合で新任部長さんが「広告経験が全くないのですがご指導宜しくお願いします」という挨拶を10年前頃からよく聞くようになりました。現場経験がなくいきなり責任者というのも油