仙仁透

京都に住む国語講師。ときどきライターや広報も。 lyric panelという歌詞考察の…

仙仁透

京都に住む国語講師。ときどきライターや広報も。 lyric panelという歌詞考察のYouTubeをやっています(https://youtube.com/@lyricspanel1002?si=68TSaK4DllxwZI5y)

マガジン

  • ピュアでポップな現代文講義 J-POP歌詞考察

    「息を止めて見つめる先には長いまつげが揺れてる」(aiko『カブトムシ』)この歌詞を読んで、主人公がどのくらいの距離から相手を見ていると思いますか? 60cm?それとも1m以上? 「まつげが揺れてる」のが見えるには相当接近していなければなりません。そして、だからこそ見つめるには「息を止めて」いなければいけない。そんな風に考えると二人の関係性が自ずと見えてきます。 言葉から論理的に考える力が、国語の「読解力」です。 入試問題を前にすると嫌になる「読解」も、題材を変えると案外面白いのでは?。そんな風に思って作ったのがこのマガジンです。 よかったら登録お願いします!

  • 塾バイト1年目で心が折れない方法論

  • 受験生版悩みのるつぼ

    「受験勉強を始めたいのだけど何から始めたらいいのか分からない」「やる気が続かない...」 このマガジンでは、僕が日々生徒と接する中で貰った質問や悩みに対して答えてきたものを記事にしていきます。

  • 龍谷大学国語解説

    龍谷大学の古文の解説関連です。赤本に現代語訳がないのでその辺を中心に説明しています。

最近の記事

龍谷大学2017年公募推薦入試「風姿花伝」現代語訳

赤本に載っていないため、2023年龍谷大学の一般入試の現代語訳を作りました。 本文全体の理解のしやすさを優先しているため、細部の解釈違いはあるかと思いますが、その点はご容赦下さい。 リクエスト(原文込み)がありましたら作成いたしますので、気軽にコメントにてお伝えください。 問う。申楽の勝負の立合の戦略はどのようにするのがいいか。 答え。これは肝要である。まず、能の演目の数を増やして、敵人の能とは違う風体を違うかたちで演じるのがいい。 風姿花伝の序で述べた「歌道を少したしなめ

    • PayPayポイントを本格的に運用してみた。

      一年半ほど前にふとPayPayを利用した際に発生したポイントをポイント運用に入れていました。 僕が選んだのは米国企業の株に三倍のレバレッジで変動するもの。 久しぶりに見たら70%以上の含み益があって少しびっくり(笑) で、これを見たときに自分の生活をPayPayでの決算を中心にして、そこで出たPayPayのポイントを自動で積み立てるように設定した上でその運用を毎月報告したら、ちょっとしたnoteのネタになるのではないかと思ったのです。 もちろん1年や2年では大したことはありま

      • 教科書は繋がりが見えると楽しくなる〜「見えないだけ」と「アイスプラネット」の並びの意味を考える〜

        7年ほど前の教科書の大幅改訂により、光村書店の教科書に載っていた谷川俊太郎さんの「明日」に替わって新たに掲載されることになった牟礼慶子さんの「見えないだけ」という作品。 当時、個人的にはこの作品の掲載をみた時、なるほどなと思ったことを思い出します。 特に、次に掲載されている椎名誠さんの「アイスプラネット」との繋がっていて、非常に練りこまれた選出だと思います。 まずは「見えないだけ」の内容について。 作者が見えないだけで確かに存在していると言っているものは、最初の対句で表

        • 新人講師が「わかりやすさ」を演出するための方法論-授業を「すでに知っている」でデザインする-

          「運じゃなく、運命だった。」 これは僕が大好きな映画のひとつ『スラムドック・ミリオネア』のキャッチコピーです。 貧しいインドのスラム街で過ごし、知識も何も無い少年が一攫千金を夢見てクイズ番組に出場するのですが、少年はその番組に出てくる難問のクイズにことごとく正解していきます。 その内容はスラムで育った少年には到底分かるはずもない問題ばかり。 あまりの正解に司会者は不正を疑い問いただすのですが、その真相は辛いスラム街での生活の中で「全て体験してきた」というものでした。 僕は授

        龍谷大学2017年公募推薦入試「風姿花伝」現代語訳

        • PayPayポイントを本格的に運用してみた。

        • 教科書は繋がりが見えると楽しくなる〜「見えないだけ」と「アイスプラネット」の並びの意味を考える〜

        • 新人講師が「わかりやすさ」を演出するための方法論-授業を「すでに知っている」でデザインする-

        マガジン

        • ピュアでポップな現代文講義 J-POP歌詞考察
          49本
        • 塾バイト1年目で心が折れない方法論
          9本
        • 受験生版悩みのるつぼ
          5本
        • 龍谷大学国語解説
          16本

        記事

          大学入試現代文の文学史&語彙対策テキスト①

          僕の授業の宿題は基本的に毎日数分取り組むタイプの課題となっています。 この課題は(本来は縦書きで冊子形式で配布)高校生の語彙力対策向けに作ったもので、辞書調べと言葉の運用を毎日コツコツやるというシステムになっています。 関西では語句補充系の問題を出題する私学も多く、その練習という意味合いも兼ねて、その日調べた語句を空欄に補充するという形式を採用しています。 また受験生を見ていると、直前期になって文学史に苦戦する人が多く見受けられます。 文学史は丸暗記しようとしても中々難しい

          大学入試現代文の文学史&語彙対策テキスト①

          【UG】Dr.STONEとノアズノーツの企画を担当編集がどう通したか妄想する

          今週号のジャンプで新連載として始まったノアズノーツという作品。 昨日の夜、仕事終わりにジャンプを買ってきて読んで以降、ずっとこの作品のことばかり考えるくらいにハマっています(笑) 歴史(というか考古学?)をテーマにした作品なのですが、歴史嫌いのヒロインがとあるきっかけで考古学と出会って(巻き込まれて)、そこからの展開がむちゃくちゃ面白いです。 内容に関して話したいことは山ほどあるのですが、昨日発売の作品について書いてしまったらネタバレになるので、あくまで内容ではなく、周辺で気

          【UG】Dr.STONEとノアズノーツの企画を担当編集がどう通したか妄想する

          連載マンガは処女作と2作目を比較することで作家性が見えてくる?

          最近マンガ家の処女作と2作品目を比較することにはまっています。 いろいろなマンガを読み比べているのですが、その中でも『脳嚙ネウロ』と『暗殺教室』の松井優征先生と、『アイシールド21』と『Dr.STONE』の稲垣理一郎先生が圧倒的に面白く感じます。 東村アキコ先生の場合『海月姫』の蔵之助や『東京タラレバ娘。』のKEYというように、たいていのマンガで恐らく作者が自分自身を投影しているのだろうなという共通の特徴を持ったキャラクターが登場します。 松井先生の場合『脳嚙ネウロ』のネウロ

          連載マンガは処女作と2作目を比較することで作家性が見えてくる?

          既存の小規模サービスを広げるための広報戦略についての方法論

          以前広報について具体的な手法についてまとめたのですが、意外と好評をいただけたので、今回は逆に観念的な部分をベースに認知からクロージングまでの設計についてまとめてみたいと思います。 他人が顧客に変わるまで広報というとSNSで発信とか、チラシを撒くとか、看板を出すとか手法の話に行きがちですが、もちろん単発の何かを投げたところで期待した効果は得られません。 1発の動きで何かを得ようというのはギャンブルとおなじ。 たとえその時は偶然上手くいったとしても、それは確率論の話で再現性があ

          既存の小規模サービスを広げるための広報戦略についての方法論

          【UG】具体例の引き出しと新卒での戦い方

          今回は2021年のコロナ禍真っ只中に書いた記事のUG(アップグレード)です。 当時バイトの学生さんから言われましたふとした相談に答えたのがきっかけで記事にしたものなのですが、タイトルの後半にある「新卒での戦い方」の部分が入っていませんでした(笑) おそらく書いているうちに話がズレていき、書き直す時間もなく(当時の僕は朝起きて20分くらいでばっと記事を書くのを習慣にしていました...)、そのままアップしたのだと思いますが、今回はその消えた部分について加筆しつつ当時の記事をアップ

          【UG】具体例の引き出しと新卒での戦い方

          デジタル化時代の価値は0と1の間に落ちている

          中学校の技術の時間に糸鋸を使う授業があって、先生が言うのとは全く違う手順で機械をいじってひどく怒られたことがありました。 僕は母の家系が大工で父の家系が配管工で、小さい頃から工具に触れて育っていました。 だから糸鋸は小学校入学前からの遊び道具。 で、当然のように父や祖父がやっているのと同じように機械をいじったら、なんでもそれは「アブナイ」やり方だったみたいで、それは違うと怒られたわけです。 そんな、小さい頃から「習った」手順と、技術の授業で習う『正しい』手順が違ってたまに悩む

          デジタル化時代の価値は0と1の間に落ちている

          承認欲求のメカニズム〜ワーカーホリック・マルチ商法・メンヘラに陥る仕組みを考える〜

          孤独感に苛まれ、寂しさに打ちのめされた経験を持つ人なら、誰でも愛や友情を希求して止まない思いに駆られたことがあるだろう。-中略-大多数の人間は、こうした親和的承認への欲望を抱き、愛と信頼の関係を求めている。 (山竹伸ニ「『認められたい』の正体」講談社現代新書) ここ最近、僕の中の大きな関心ごとの1つに「承認欲求」がありました。 冒頭に引用した本は、考えていたモヤモヤが晴れるきっかけになった一冊。 ずっと、社会人になってマルチ商法にハマる人や、いわゆるメンヘラと言われるようにな

          承認欲求のメカニズム〜ワーカーホリック・マルチ商法・メンヘラに陥る仕組みを考える〜

          第49講Mr.Children「しるし」考察〜とんでもなく深い!桜井さんが込めた冒頭2行のインパクト

          志田未来さんが主人公だったドラマ「14歳の母」の主題歌であったMr.Childrenの「しるし」という曲。 当時ボーカルの桜井さんが、「失恋の曲とも初恋の曲ともとれるような、色んな見え方のする曲にしました。」とインタビューで答えていたのを覚えています。 出た時からいい曲だなあと思っていたのですが、この前久しぶりに歌詞をみた時、改めていい曲と思ったので、紹介させて下さい。 1番のAメロの歌詞を見た瞬間、グッと引き込まれました。 -最初からこうなることが決まっていたみたいに

          第49講Mr.Children「しるし」考察〜とんでもなく深い!桜井さんが込めた冒頭2行のインパクト

          「令和の虎」で失敗する人と就活で失敗する大学生の共通点

          最近Youtubeで放送されている「令和の虎」という番組にはまっています。 昔あった「マネーの虎」という番組の後継番組のような立て付けで、出資希望者が投資家の前に登場し、自分のビジネスプランを売り込みます。 そのプレゼンを受けて、投資家の眼鏡に叶えば資金を獲得でき、無理ならば話はなかったことに。 ときに投資希望者に対する鋭いツッコミが飛びます。 この番組を見ているとさまざまな勉強になる点があるのですが、その中でも投資獲得に成功する人とうまくいかない人の違いが非常に興味深いもの

          「令和の虎」で失敗する人と就活で失敗する大学生の共通点

          学生講師向け聞かれる話術の方法論

          もともとこの記事は別の方向で書こうとストックしていた物なのですが、ちょうどこのシリーズに盛り込もうとしていたものに被っていたので、今回はマガジンの一部としてアップする事にしました。 「話し方」を研究する大学生で塾の先生を始めた頃、僕はあまりに喋るのがヘタクソで、全く仕事にならなかった(笑)ので、一時期むちゃくちゃ喋り方の勉強をしていました。 落語、お笑い、漫才、司会、講演会etc... とりあえずYouTubeで見られる動画を片っ端から文字起こしとタイムテーブルを作るみたい

          学生講師向け聞かれる話術の方法論

          Vol.06勉強におけるガス欠アウトプットとノウハウコレクターを克服しよう

          僕は個別指導(特に高学年の場合は)を行うとき、必ず授業を担当することになった生徒さんの現状分析を行います。 それによって指導の手順や方針が全く異なってくるからです。 勉強はそれぞれの生徒さんが何に(どこに)つまずいているのかによって対処法が全く異なってきます。 現状の自分がどこにいるのかを把握しておくことが非常に重要です。 現状がどこにいるのかを把握するツールとして、僕は横軸に知識量を、縦軸に思考力を置いた、下の図を用いて、担当の生徒さんが以下のどのカテゴリにいるのかを把握

          Vol.06勉強におけるガス欠アウトプットとノウハウコレクターを克服しよう

          【UG】モチベーションのディストピア

          落合陽一さんが世間に注目され始めた2016年くらいのころ、彼がデジタルネイチャーの時代には一歩踏み出す、モチベーションにしたがって動ける力が大事であるというお話をしていました。 僕もこれについては完全同意だった一方、落合さんの主張に関しては同意だけれど、同じくこの主張に同意している人とは少しスタンスが違うなという印象を受けていました。 「これからの時代はモチベーションが大事である」という言葉は多くの場合、「ICT技術が進歩するとさまざまな単純作業がなくなり便利なツールに溢れ、

          【UG】モチベーションのディストピア