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「令和の虎」で失敗する人と就活で失敗する大学生の共通点

最近Youtubeで放送されている「令和の虎」という番組にはまっています。
昔あった「マネーの虎」という番組の後継番組のような立て付けで、出資希望者が投資家の前に登場し、自分のビジネスプランを売り込みます。
そのプレゼンを受けて、投資家の眼鏡に叶えば資金を獲得でき、無理ならば話はなかったことに。
ときに投資希望者に対する鋭いツッコミが飛びます。
この番組を見ているとさまざまな勉強になる点があるのですが、その中でも投資獲得に成功する人とうまくいかない人の違いが非常に興味深いものでした。

ちょうど「令和の虎」にはまりだしたころ、立て続けにお仕事を手伝って貰っている大学生の子たちから、就職活動に関する話を聞きました。
一人は内定まで非常にうまく進み、もう一人はむちゃくちゃ苦戦したとのこと。
こうした二人の話を聞いていくと、二人の間に大きな違いがありました。
それは「面接」という場に対する向き合い方です。
うまくいった子と苦戦した子では、極めて対照的な点がいくつかあったのです。
そして、それは僕が「令和の虎」を見て感じた投資獲得に成功する人とうまくいかない人の違いと非常に近しいものでした。

失敗する人は面接を勝負の場だと考えて、うまくいく人は「面接」を関係性構築の場と考える

「令和の虎」でうまくいく人といかない人、そして就活でうまくいった学生と苦戦した学生を比べたときにはじめに感じた共通点はこれでした。
「令和の虎」の中で投資にこぎつけられる人は、事業内容や経歴などよりももっと根本的なところで、投資家の人たちの信頼関係の構築を非常に重視しているように見えます。
というか、うまくいかない人のほとんどが、「信頼関係を構築しよう」という大前提がないように感じられたのです。
特にそれは、「自分のアイデアは投資をいただける」という強い自信を持つような志願者ほど顕著。
そもそも企画力で「ねじ伏せよう」みたいな印象を受けるんです。

投資をして貰うということは、今後仕事のパートナーとしての関係を結ぶということです。
そしてパートナーとなるならば、事業内容うんぬんの前に、「人として信頼できるか?」が大事になってきます。
(だからこそ、「令和の虎」に出てくる投資家の方々は「信頼」という言葉を多用します)
うまくいく志望者の人たちはこうしたことが分かっているため、プレゼンやアピール以前に、投資家の方たちとの信頼関係の構築を非常に大事にしているんですね。
反対に上手くいかない人たちはその視点が皆無。
虚勢を張ったり、自分に都合のいい話ばかりをしようとしたり、ひどい場合は投資家を論破しようみたいな態度になる人まで出てきます。
「信頼関係の構築」という視点の有無。
番組を見ていると、これが非常に大きな要素となっているように感じます。

このことを、投資希望者から就活生に名詞を代えれば、就活でもまったく同じことが言えます。
就活が楽勝だったという就活生の話を聞いていると、圧倒的に面接を「信頼構築の場」と考えているような印象を受けました。
限られた時間の中で信頼関係を構築するにはどうすればいいか?
就活の準備にしろ、面接でのやりとりにしろ、その子の話からは「信頼」という意識がにじんでいました。
反対に上手くいかなかったという学生の話を聞いていると、面接を周囲との競争だとか、正解のある「お受験」だとか、自分のすごさで面接官を制圧するみたいなものであるように捉えているという印象を受けました。
なんというか、その子の準備や意図、戦略のことごとくがズレているみたいな(笑)(ごめん!)
「令和の虎」にしろ就活にしろ、この違いは非常に重要なんだろうなという印象を受けました。

失敗する人は説得しようとして、うまくいく人は納得してもらおうとする

これも「令和の虎」を見ているのと就活のエピソードを聞くのとで同じくらい強く感じたことなのですが、質問などの際、上手くいく人は相手の納得を目的にしているのに対し、上手くいかない人は相手を説得しようとしているように感じました。
「令和の虎」では投資家から論理的整合性の取れない部分や、見積もりが甘い部分に対して鋭い指摘が飛ぶことが多々あります。
失敗する人たちは、こうした質問に対して「反論」しようとします。
そして反論が上手くいかないから次の質問ややり取りの中で整合性が取れなくなり、どんどん追い詰められていく。

しかし、僕が投資家の人たちを見ている限り、「追い詰めよう」という意識はほとんど感じません。
むしろもっと無邪気に「分からないからもっと教えて」という印象です。
純粋に疑問に思ったから質問しているだけだとおもうんですよね。
それなのに志願者が何とか「反論」しようとして的を射ない発言をするため、どんどん「分からなく」なって、具体的なしつもんになってしまう。
一方で上手くいく人たちは投資家からの質問の意図を汲み、的確に捉え、正面から答えます。
投資家の人たちに「納得」してもらうことがゴールなんですね。
だから質問をした投資家の人たちは答えを聞くと「なるほど!」という答えになる。
たとえそれが「調査不足でした」という答えであっても、です。

就活の話を聞いていても、これと同じことがあるように感じました。
上手くいく人ほど、「ああなるほどね」と納得してもらおうという意識で面接の受け答えをしているように感じます。
だから面接が進むたびに自信がつき、質問に対する恐怖みたいなものを感じないのだと思います。
逆にいえば上手くいかない「説得しよう」とする人たちは、面接のたびに上手く行かず、より具体的な質問がとんでくる(そして多くの場合上手く答えられない)ため、面接が進むたびに自信がなくなってきたり、「面接が恐い」という印象を抱くようになる。
「説得」か「納得」か。
この違いも上手くいく人といかない人の非常に大きな違いに感じます。


両者を比べて気づいたことはまだまだたくさんありますが、文字数が増えすぎてしまうので今回はこのくらいにしたいと思います。
ただ、今回ここに書かなかったものも含めてどちらにも共通するのは、「人と向き合う」という感覚の有無が大事だなということと、そのことを自覚できている人は思いのほか少ないんだなあということです。
だから、特に就活とかだと、たったこれだけのことを意識するだけでかなり有利になるんじゃないかなあと思ったりします。
もし大学生の方でこれを目にした人は、この辺に注目しながら「令和の虎」を見るとともに、実際に意識して就職活動に取り入れてみてください。

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