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的確な角度でツッコミを施さないと、「欠落の当然」という世の中をくすませる「紙魚(しみ)」が出来て、誰にも幸せが訪れなくなる、って原理くらいは覚えておいた方がいい。〜橋本治な覚書(3)。

 ようやく場所もなんとか確保して、SCRAP作業の切り出しも一段落。
終わり方だけはやけに綺麗だった『このすば三期』も見終わって、橋本治な
覚書シリーズにも目処が立って来たかとまた写経ノートに目を通す。

 因みに過去三回はこんな感じ。

言うは一刻の恥、言わぬは末代の抑圧。ここは橋本治のメモワールを
数えつつ、まずは埋蔵量(処理済でセレクトされてる文章)がどの
くらいあるか検算してみた。〜橋本治な覚書(0)。|torov|note

主体性のない、体感を失ってしまった男は平気で過剰反応するし、
そのことに金輪際気がつけない。団塊的な物知らずで、平気でそれが
罷り通ると思っている枯尾花の正体はたいがいこれ。橋本治
『革命的半ズボン主義宣言』からスタート。〜橋本治な覚書(1)。
|torov|note

「なにかがへんだな」と心に持ち続けながら生き抜いていくのも
時には悪くない。それもまた考えるための糧になる。
〜橋本治な覚書(2)。|torov|note



果てしなくボケ倒そうとする「イヤンバカン僚」に対して
的確な角度でツッコミを施さないと、「欠落の当然」という
世の中をくすませる「紙魚(しみ)」が出来て、誰にも幸せが訪れなくなる、って原理くらいは覚えておいた方がいい。

「欠落の当然」は、始末が悪い。誰も悪いことをしていないのに、誰にも幸せが訪れない。

橋本治『天使のウインク』
(朝日新聞社,2000.04発行,914.6/ハ)p69


「欠落の当然」イロハのイ、といえばもうこんなことも既に
文章にしてはるのが橋本治でもある。

「すぐにさわりたがる男」の別名が、江戸時代では「ヤボな国侍」だった。享楽施設のない土地から都市にやってきて、しかも自分は身分が上だと
思っているから、人間関係にこなれていなくて、すぐに人を見下す。
だから、芸者・酌婦・キャバクラ女とみれば、すぐにさわりたがって、
職業に従事する彼女達の人間としての尊厳を傷つけるのである。

 今の私の言ったことを冗談だと思う人は、セクシャル・ハラスメントの
なんたるかをまったく理解してない人達である。セクシャル・ハラスメント
とは、人間関係に習熟していない権力に寄生する「ヤボな国侍」を
撲滅する運動なのである。

橋本治『天使のウインク』
(朝日新聞社,2000.04発行,914.6/ハ)p218-219

 あとなんか戯言喚いてたどこぞの市長に対するパッチはこれくらいの
コメントを適宜アレンジするくらいで充分なんじゃないですかね。

強制力のない社会に柔順を誓ってもしようがない。

橋本治『天使のウインク』
(朝日新聞社,2000.04発行,914.6/ハ)p248

この件に関してこれ以上ツッコむ気にもなれないほど
以前の旅行計画でも「如何に名古屋をスルーするか」は常に考えてたし、
みやぁみやぁ含めた母音が8つもあるところに興味は一切ないので。



思考する上でのフラット性に関して言えば前後つらつら並んでいるけど、
基本的にこの二行で十分。
 それはつまり、

「関係のないものが消えた理由」を探ろうという気にもならない。

橋本治『橋本治という生き方』
(朝日新聞社,2005.06,914.6/ハ)p13

であり、

 すべては「そんな考え方もあるのか」である。

橋本治『橋本治という生き方』
(朝日新聞社,2005.06,914.6/ハ)p13

なのかと。

 まあ反転すると、現在の蛮族に乗っ取られたセブンイレブンと
その上の無能ファンドになんの魅力も感じられないのかを考えると、
それはかつてのセブンイレブンにあった思想とキャッチコピーから
完全にアテが外れた存在になってるからかな、と思う。
 それは橋本治の写経ノートの一節にあった通りでつまりは
こう。

「あいてて、よかった。
 あって、よかった。」

が今の現在の蛮族に乗っ取られたセブンイレブンとその上の
無能ファンドには存在しないから、ああもイトーヨーカドー
を二束三文で売り捌こうという「蛮族の没発想」に至るんだな、と。

 で、これはどの例文に対するコメントだったかを記すと
こうなる。

私にとって、批評とは、まず「ほめること」である。なんで
ほめるのかといえば、「あ、こういうものがほしかった」と
思うからである。私の基準は、「いるか、いらないか」である。

橋本治『橋本治という生き方』
(朝日新聞社,2005.06,914.6/ハ)p147

なので「あいてて、よかった。あって、よかった。」を
普段から考えてるスジから行くとセブンイレブンとその上の無能ファンドは完璧なまでに「いらない」に属するから「元からそんなの必要ない」という「不要不急のモノ(インフラ)」でない、と判断出来てしまうのよね。
(しかも災害時にすこぶる弱いとセイコーマートの足元にも
及ばなかったのはブラックアウトの時にハッキリ露呈したしね)

なんとか9月上旬は穏やかに過ぎてくれたから。あれから5年って
節目なことを9.11が来る前くらいに整頓してみる文章で
「平成30年北海道胆振東部地震」。|torov



的確な角度でツッコミを施さないと、「欠落の当然」という
世の中をくすませる「紙魚(しみ)」が出来て、誰にも幸せが訪れなくなる、って原理くらいは覚えておいた方がいい。
といふテーマで橋本治な覚書(3)をお送りしてみました。




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