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うたの日366

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うたの日で好きだった短歌に拙いながら評を書いています。主にいいねいいねと云っています。 一日一首、毎日更新。
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2020年1月の記事一覧

2020/1/31(うたの日366)

この街の電信柱ひとつずつ折って孤独が完成します/鴨衣(2019/3/6「信」) すごい歌だと思う…

toron*
4年前
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2020/1/30(うたの日366)

三時には夕刊の来る東京の会社勤めは楽しいですか/多香子(2018/8/26「夕刊」) 自分もまあ…

toron*
4年前
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2020/1/29(うたの日366)

ひさかたのメトロポリタンぼくじゃない誰かが夢を叶えたひかり /若枝あらう(2018/10/26「叶…

toron*
4年前
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2020/1/28(うたの日366)

君がまた世界を滑り落ちるとき僕に引っかかるためのくるぶし/度会(2018/7/17「好きな骨」) …

toron*
4年前
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2020/1/27(うたの日366)

子の髪に干し草匂ふ母さんも昔は魔法使いだつたよ /あおきぼたん (2019/1/21「「よ」で終わ…

toron*
4年前
10

2020/1/26(うたの日366)

まばたきのたびに滅びる色があるひとり日暮れの壁にもたれて /かざなぎりん(2017/1/6「滅」…

toron*
4年前
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2020/1/25(うたの日366)

アリ埋める出てくる埋める埋める出る 死なない死なないきっと死なない/ひろり(2019/8/23「埋」) すごい歌だと思う。上の句は状況描写、下の句が感情描写になっているのだけれど、下の句を思うあいだも主体はずっとアリの巣を埋めていると思っていいだろう。楽しいとも、アリの巣を埋めなければ、というような切迫感も描かれておらず、それが逆にとてつもなく不穏な感じをにじみ出させていて、怖い。怖さに成功していると思う。 また、この歌で特筆すべきは結句の「きっと死なない」というところだろ

2020/1/24(うたの日366)

する前の二人に戻ってジャグジーの七色をずっとずっと見ていた/小向大也 (2016/2/20「ラブホ…

toron*
4年前
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2020/1/23(うたの日366)

シリアルの箱を振っては骨壷もこんな音かと想う朝あり/ふるさとの春 (2018/6/23「箱」) 感…

toron*
4年前
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2020/1/22(うたの日366)

魂がRockした日にこしらえたカレーの具材は常よりでかい /諏訪灯(2018/6/9「Rock」) 云い…

toron*
4年前
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2020/1/21(うたの日366)

例文のすべてのポール、トム、メアリー、みんな、そのあとしあわせですか/真壁カナ (2018/1/…

toron*
4年前
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2020/1/20(うたの日366)

人混みで誰かの夢を踏むだろうそれも許され生きるのだろう/モダルクタ(2018/10/8「許」) …

toron*
4年前
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2020/1/19(うたの日366)

軋みつつ明日は来るのだ機械油(グリース)に汚れしゆびが起こすプルタブ/塾カレー(2019/1/24…

toron*
4年前
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2020/1/18(うたの日366)

この星の全てが嫌い青空をちょっとずらして宇宙を見せて/水棲馬(2018/8/26「ちょっと」) すごく好きな歌。使われている単語も景もだけれど、共感しても読めるし視点としてもとても面白い。「この星の全てが嫌い」とは、だいぶ大きく出たなあと思いつつ、そう云われてもそこまで反発心は起こらない。と、いうのもこの歌はいろんな角度から読めると思うけれども、自分は子どもが駄々をこねている感じとして読んだ。 「この星の全て」をわたしたちは知ることはできない。もちろん、どうしようもない部分