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2020/1/18(うたの日366)

この星の全てが嫌い青空をちょっとずらして宇宙を見せて/水棲馬

(2018/8/26「ちょっと」)

すごく好きな歌。使われている単語も景もだけれど、共感しても読めるし視点としてもとても面白い。「この星の全てが嫌い」とは、だいぶ大きく出たなあと思いつつ、そう云われてもそこまで反発心は起こらない。と、いうのもこの歌はいろんな角度から読めると思うけれども、自分は子どもが駄々をこねている感じとして読んだ。
「この星の全て」をわたしたちは知ることはできない。もちろん、どうしようもない部分がたくさんあるけれど、それは自分が感じている範囲内の「世界」でしかない。けれど裏返せばこれは、自分が世界で一番不幸だと感じたら、それが自分にとっての真実だということでもある。
「宇宙を見せて」と誰に呼びかけているのか考えるのも面白い。神さまのような気もする。主体は、本来の空である「宇宙」を見たがっているけれど、宇宙に青空のフィルターをかけているのは神さまの善意でもあるのかもしれない。…子どもの理屈っぽいのにすごくかっこいい。かつ自分も「この星の全てが嫌い」状態になると、よくこの歌を思い出す。

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