見出し画像

2020/1/22(うたの日366)

魂がRockした日にこしらえたカレーの具材は常よりでかい /諏訪灯

(2018/6/9「Rock」)

云い換えがとても上手いと思う。「カレー」は家庭的の極みみたいな料理だし、それと相反するような「Rock」を持ってくるのもいい。また、ポジティブになれる歌だとも思う。
おそらく誰もがやったことのある行為「カレーの具を大きめに切る」ということにスポットを当てている。カレーの具を常よりも大きめに切る理由と云うのは、作り方にこだわりがある場合以外だと「面倒くさい」「時間がない」ということになる気がする。カレールーさえあれば、カレーとは要は煮込むだけの料理であるし、今日のメニューに頭を悩んだり明日明後日も食べることが想定されているメニューでもあるので、忙しい毎日に登場しがちだろう。なので、実はネガティブなシチュエーション(いや、もちろんみんな好きだとは思うけれども)で登場しがちなメニューなのだけど、そのシチュエーションを「魂がRockした日」と云い換えるのがかっこいい。うおりゃあ!という感じで、そんな状況をやっつけている感じも出る。カレーを作ってるのがお母さんだとするなら、余計にかっこ良さがにじみ出る。これは決して手を抜いているのではなく魂がRockしているだけなのだ、という自己肯定感もある。
また、傷ついたり悲しんだときキッチンでやたら細かく素材を刻んでしまう歌はわりと既視感があるような気がするので、これは逆で新鮮だった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?