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2020/1/24(うたの日366)

する前の二人に戻ってジャグジーの七色をずっとずっと見ていた/小向大也
(2016/2/20「ラブホテル」)


すごくいい。すごくいい、というのはこの景の切り取り方で、ここに描かれているふたりが全然しあわせそうじゃないのも印象深い。
子供時代が終わってしまったことへ茫然としている風にも読めるのだけれど、それだけでなく虹はおそらく二人の可能性みたいなものも表しているのかな、と思う。
「する前」にはあらゆるものになれていた、男女の親友のような二人だったのかもしれない。お互いに男女の枠組みを越えて特別な存在だったのだけれど、してしまったことによりただの「恋人」になってしまったのだろう。もう戻れないことに後悔している、いや勿論、結ばれたことに対しての嬉しさがないわけでもなく、その複雑な心境が虹を「ずっとずっと」と見る行為として描かれているのだとと思った。
虹が出ているのはジャグジーの中だけであり、いつかはそこから出なくてはならない。嬉しいと悲しいの両方の感情が描かれていて、想像の余地も多分にある、とにかくいい歌だと思う。

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