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大河「麒麟がくる」の分析【第19回の感想】 登場人物の戦国武将たちは今いくつなのか? (1558年 道三死後2年後)

第17回は、斎藤道三が亡くなって2年後の1558年、明智光秀は越前の朝倉家に亡命中の時期にあたる。将軍足利義輝は、三好との一時的和解で5年ぶりに近江から京へ。その京へ、諸大名の謁見上洛が今話の舞台の中心である。

以前にも(第4回の1548年頃のバージョンでも)やったのだが、登場人物たちがこの1558年頃に「いくつなのか」がわかったほうが、物語をよりよく理解するための補助になるので、年齢をまとめておく。新たな“見え方”や“発見”もあると思う。

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画像引用:下記NHK公式サイトより


まず、主要人物たちの年齢は下記だ。

明智光秀 31歳 1528-1582年(55歳没)
織田信長 25歳 1534-1582年(49歳没)
豊臣秀吉 22歳 1537-1598年(62歳没)
徳川家康 16歳 1543-1616年(73歳没)

来週予告で、風間俊介による徳川家康の登場が予告された。まだ16歳。
今回、織田信長は、初の上洛、堂々と義輝と謁見し、今川義元との抗争調停を願い出た上で、松永久秀にもふらりと会いに行き「将軍は頼りない」と苦言も残してみせた。まだ25歳か。このタイミングだとまだ世に目立った存在ではないが大物の片鱗をみせつつあるし、「尾張が心配だ」と足早に帰郷して責任感、リーダーシップを感じさせている。
演者である染谷将太自身が20代後半で、この時代の信長の演じ方はひとつの“見せどころ”だ。人間味を併せ持ちつつも、怪物感、“得体の知れない感じ”は、染谷の真骨頂だ。

では、まわりの登場人物たちの年齢もみておこう。

足利義輝 23歳 1536-1565年(30歳没)
松永久秀 49歳 1510-1577年(67歳没)
三好長慶 37歳 1522-1564年(42歳没)
今川義元 40歳 1519-1560年(41歳没)
斉藤義龍 32歳 1527-1561年(34歳没)
朝倉義景 26歳 1533-1573年(40歳没)

足利義輝は、この時まだ23歳か。…過酷だ。
政敵、三好長慶は37歳と、油がのってきた年代で、脇を固める松永久秀もベテラン。

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朝倉義景も、まだ26歳なのか。ユースケサンタマリアが演じているせいで、もっと年上なのかと思い込んでいたが、“まだ歳若いお坊ちゃん”なんだな。とはいえ、父親の死を受け16歳で家督を相続しているので、当主歴はもう10年になるようだ。

◇◇◇

現代と戦国時代とでは、“一生の長さ”も異なるから“年齢の価値観”はもちろん違うけれども、時の流れ自体は普遍なので、“二十代”はいつの時代であっても“まだ経験の浅い二十代”である。

25歳の織田信長と、23歳の足利義輝の謁見。
年齢をより具体的に意識して観ると、大河ドラマの見え方に、また新発見があるだろう。

(おわり)
※他の回の感想分析はこちら↓


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