torajiro625

猫日記です

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最近の記事

出会いと別れ

2019年9月11日、朝5:30。 突然の出会いが訪れた。 当時ジョギングを日課にしていた私は、いつもの時間に起きて、いつものシューズを履いて、いつもの扉を開けて、いつものように走り出そうとしていた。 が、この日はいつもと違う光景があった。 家を出て数メートル先の路地に、今にも倒れそうなほどか細く、ヨチヨチ歩きの猫がいたのだ。 ・ ・ ・ 私は近くに歩み寄って猫の様子を見たときに驚愕した。 体は痩せ細り骨が浮き出て、口からは出血、そして右目が閉じたまま開かない。 どう見て

    • チョコレート事件(後編)

      GABAの袋は、仏間にある仕事机の上にぽんと置いていたはずだ。 慌てて仏間に戻り、仕事机の上に目をやった。 「GABAが無い…」 私の心と体は凍りついた。 机の周囲を見渡す。 するとGABAは、仕事机の下に落ちていた。 袋は噛みちぎられ、チョコレートの粒たちが散乱していた。 その横で寅次郎は「どうしたの?」と言わんばかりに私の蒼白な顔を見ながら舌舐めずり。 寅次郎が食べたGABAはおよそ3粒。 急いでかかりつけの動物病院に電話した。 ・ ・ ・ 出ない。。。 この日はゴ

      • チョコレート事件(前編)

        2018年のゴールデンウィークに事件は起こった。 ペットを飼っていらっしゃる方はタイトルから想像つくと思うが ・ ・ ・ そう、猫には絶対に食べさせてはいけないチョコレートを食べさせてしまった。 私はゴールデンウィーク明けに締め切りとなる入札案件の企画書作成に追われていた。 休日5日間すべてを返上して、この企画書作成に力を注いでいた。 勝ち取れた先には大きな成果が待っている重要な仕事だったからだ。 ゴールデンウィーク残り2日となった。 このときの企画書完成度はまだ50%。

        • 我が家に起こった変化

          寅次郎が家族になって変わったこと。 ・1秒でも早く家に帰りたくなった。 (妻と2人の生活のときは1分) ・心配事が増えた。 (たまにこんな寝方をする。生きてるか心配になる。) ・ご近所さんと一層会話が増えた。 (みんなに可愛がってもらっている) ・手足にキズが増えた。 (甘噛みが痛い。噛み合う兄弟と過ごしてないから、加減を知らないらしい。あまりにも痛いときはしつけのため噛み返すが、寅次郎がそれで泣くのが辛かった。) ・カバンをタンスの中にしまうようになった。 (こ

        出会いと別れ

          出会いの日 #05

          #04のつづき おばちゃんによる見事なレスキューにより、 ようやく赤ちゃん猫の姿が露わになったのだが… おばちゃん、妻、私の3人はその姿に驚愕した。 全身がベタベタな何かに覆われていたのだ。(前回記事の写真参照) 後に動物病院へ連れて行き判明するのだが、 得体の知れない物体は鼠捕りに使われる粘着剤だった。 それは我が家に設置していないから、 察するに色々な家を徘徊している間にくっついてしまったのか、はたまた…… 答えは誰もわからない。 おばちゃんが、 「市役所に連

          出会いの日 #05

          出会いの日 #04

          捜索開始からおよそ4〜5時間ほど経っただろうか。 ついに赤ちゃん猫の姿を捉えることができた。 暗い床下を照らした懐中電灯の光に、猫特有の眼がキラリと反応したのだ。 このとき、私の心には3つの感情が順番に湧き上がってきた。 ひとつめ。 安堵の感情。 「ようやく見つけた…。」 探しても探しても姿を捉えることが出来なかった捜索対象に、少し苛立ちがあったかもしれない。 ふたつめ。 恥じらいの感情。 洗面所という見当違いの場所に狙いを定め、勇猛果敢なレスキュー隊気分でチェーンソー

          出会いの日 #04

          出会いの日 #03

          #02からのつづき 洗面所の床に耳を押し当ててみた。 やはり、この下から赤ちゃん猫の鳴き声がする。 もう一度野菜室へ頭を突っ込んで覗き込み、 洗面所の床下方向を懐中電灯で照らしてみた。 ・ ・ ・ 見えない。 というより、野菜室がある台所側と洗面所側の間には家の中心を支えているのであろうコンクリートの基礎があった。 だから、洗面所側の床下を見渡してもコンクリートしか見えなかった。 さて、、、どうしよう、、、 考えた。 ・ ・ ・ 相当考えた。 ・ ・ ・ 覚悟を決め

          出会いの日 #03

          出会いの日 #02

          #01からのつづき 鳴き声からふたつ分かったことがある。 ひとつ目は、赤ちゃん猫であること。 高く、かぼそい鳴き声がそれを教えてくれた。 ふたつ目は、赤ちゃん猫は我が家の外ではなく、内にいるということ。 ここから“本当の意味での捜索”が始まった。 今までは見つからなければ仕方ないか、くらいだった。 しかし、今となってはそこにいるのだ。 ここでふと疑問が湧き起こる。 「どこから入った??」 我が家は古い木造の一軒家。 私の祖父母の家で、空き家だったため私たち夫婦

          出会いの日 #02

          出会いの日 #01

          2016年6月24日 友人との会食を終え、仲良しの妻と帰宅したのは夜11時ころ。 生暖かい、ジメジメした梅雨らしい気候だった気がする。 ほろ酔いの中、部屋で軽く飲み直そうとしていたとき、 どこからか猫の鳴き声が聞こえてくる。 珍しいことではない。 6月、夜、郊外の住宅街、 猫の鳴き声が聞こえる条件は充分に揃っている。 別に気にも留めず、妻と旅先でつくったお猪口に日本酒を注いだ。 10分、、、30分、、、まだ聞こえる。 いつもなら長くて10分。 しかも、かなり至近。 少

          出会いの日 #01

          はじめに

          我が家にネコが来たのは2016年6月25日。 どこから、どうやって、なぜ、、、 4年たった今もわからないとこだらけ。 当時はこれらの???を知りたい一心だったが、 4年たった今ではどうでもよくなった。 (心の奥底では知りたい気持ちはあるが、知る術がないことを悟り、言い聞かせている) 元々我が家は私と妻の2人生活だった。 私たち夫婦は結婚15年。ずっと仲がいい。 自他ともに認める、いわゆるおしどり夫婦。 子はいないが、親族、友人、隣人、同僚にも恵まれ、充分に幸せな日々だっ

          はじめに