チョコレート事件(前編)

2018年のゴールデンウィークに事件は起こった。
ペットを飼っていらっしゃる方はタイトルから想像つくと思うが



そう、猫には絶対に食べさせてはいけないチョコレートを食べさせてしまった。

私はゴールデンウィーク明けに締め切りとなる入札案件の企画書作成に追われていた。
休日5日間すべてを返上して、この企画書作成に力を注いでいた。
勝ち取れた先には大きな成果が待っている重要な仕事だったからだ。

ゴールデンウィーク残り2日となった。
このときの企画書完成度はまだ50%。
「まずい、このままでは精度の低い企画書になってしまう」
かなり焦っていた私は、この日も早朝から作業を始めていた。

外は晴れ。気温24度くらい。
妻は仕事で9時に家を出た。
寅次郎は冷蔵庫の上で睡眠中。

静かで、爽やかで、落ち着いた空間。
仕事をするには最高の環境だった。
手元には、ストレスを低減するglicoのメンタルバランスチョコレートGABA。

「今日で企画書を100%まで完成させ、明日で120%に仕上げよう」



とても順調だった。
お昼に差しかかるころには80%まで終えていた。

「お昼にするか。。。」

私が家で仕事をするときは、仏間に机と椅子を置いて作業をする。
寅次郎はいつも仏間にある窓から外を眺めるのだが、
私はそれを眺めるのが好きだからだ。
この時も、寅次郎は冷蔵庫から降りて、仏間から外を眺めていた。

私はお昼を食べるために、仏間から隣の居間へ移動。

用意したのはご飯とみそ汁だったと思う。
テーブルに食べ物を置き、いつも通り仏間と居間を繋ぐドアにある20cm四方の穴をプラスチックの引き出しで塞ぐ。



仏間と居間を繋ぐドアには、寅次郎がいつでも行き来できるように穴を開けてあった。
だが、我々がご飯を食べる際は寅次郎を仏間に隔離しなければならない。

猫にしては珍しく、人間の食べ物を何でも食べようとするからだ。

そして、隔離すると必ず寅次郎はドアとプラスチックの引き出しをガリガリする。
ご飯の匂いがする居間に行きたいからだ。



束の間の休息。
お昼を食べながらテレビをつけた。



珍しくガリガリしないなー。
気候も良いし、眠ってるのかなー。



まずい!!!!!!
GABA!!!!!!

後編へ。