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改めて、父の入居の事で長い道のりになると感じた日に。

今日は朝からソワソワしてとにかく落ち着かなかった。

もっと言えば数日前に、父に話をしに行くと決まった時からずっと。

一緒に行く母とは、今の不安な気持ちも含めて先生に正直に話そうと言葉を交わした。


どう話を進めて行けば良いかも分からないし、そもそも躁状態で気分の上がっている父に対しては何を言っても否定されそうだった。


いざ病院に着き、予定していた通り最初は父抜きで先生とワーカーさんと相談室で話をする事に。

挨拶をしたところで、先生が「あの実はですね…」と話始めた。

どうやら、父が朝方に看護士さんに水をかけたらしい。

入浴の曜日が変わったみたいで、その話を父に伝えたところ看護士さんに対して「何で曜日が変わったんですか?」と質問しその答えに納得がいかなかったのか分からないが、怒って手元にあったコップの水をかけたとのこと。

今まで家族以外に怒って暴言を吐く事はあっても、水をかけたり物理的に何かをするなんて事は無かった。

ましてや、躁状態であれども外に出ればある程度は人に気を遣っていたから正直先生から話を聞いて母と共に驚いた。

昨年入院していた時よりも怒りの感情が抑えられなくなっているし、明らかに躁の状態が強い。

とても入居の話など出来る状態ではないので、今回は一旦延期にしましょうという事になった。

ある程度落ち着いて話をできる状態にならなければ、とてもではないが難しいと。


ただ、薬も躁を抑えるために以前より強い物を使っているにも関わらず全く効果が無いらしく。

以前の入院時には効果が出ていたので、先生もどうしたものかと悩んでいる様子だった。

そもそも双極性障害で躁状態の人は元気になり過ぎるが、どこかでバテて気持ちが落ちるはずなのに、父は数年間ずっと躁のままで鬱状態になることは全く無かった。

そんなにハイな状態が続く事自体が珍しいらしく。

もしかすると、双極性障害だけが原因ではないのかもしれない。

最近、父に対して発達障害の可能性もあるのではと思っていた。

僕の甥っ子が発達障害があり、父にも良く似たところが見受けられたので気になっていた。

発達障害の特性である、多動や注意力欠如、衝動的な行動が多いといったものが父にもよく見られるので、その考えも先生に話してみると「その可能性もあると思いますし、おっしゃる通りだと思います。」と言われた。

軽いものだとは思うけど、思い込みが強いところもあるので発達障害も影響してるかもしれませんと。

だから、躁を抑える薬だけでは効果がないのかも。

双極性障害だけでなく、認知機能の低下や発達障害の可能性もあるので病気が複雑化しているかもそしれない。

先生は、父のような双極性障害の患者は今まで見た事がないと言っていたので尚更に治療が難しい状態らしい。

とりあえず、今直ぐにどうこうは出来ないのでまた様子を見ながら入居の話を本人にしましょうという事で今回は終了した。

本人の了承さえ得られれば、入居先は充分見つけられるだろうと先生やワーカーも言われていた。

そもそもの、その了承を得られるまでの道のりが果てしなく遠く感じた1日だった。

だが、看護士さんに水をかけた事で入院期間が延びた事は不幸中の幸いだった。

元々は1ヶ月間の予定で、あと2週間もすれば退院だったので日々焦りがあった。

帰りたい気持ちの強い父には申し訳ないが、今の状態で帰ってこられても僕たちではとても対処など出来ない。

今は、父の状態が少しでも良くなる事を願うしかできないのが虚しいけど。

下を向き過ぎず、改めて自分自身を喜ばせる事に力を注ごうと思ったそんな日に。


                服部 佳弘

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