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新たな秩序

「私も加害者です」と言葉にすれば
傷を浅くしたい
心根が剥き出しに

「私も辛かった」と言葉にすれば
被害者でありたい
逃避癖が明白に

「も」は本当のことだから
微塵の躊躇も無いままに
「も」がいつまでも
無邪気に放出され続く

(加害者であることを)
「私は忘れない」と言葉にすれば
(加害者であることから)
「私は逃げてはいけない」と言葉にすれば
他の誰がどうであれ
「私は覚悟している」体を見て欲しい
あなたの狡猾が露わになって

「わかっていた」
「言えなかった」
「優しさに甘えた」
きっとそれは本当で
たたみかけるように重ねながら
「勇気を評価してくれる」と言葉にすれば
寵児でありたい
あなた自身が
とても鮮やかに浮き上がる

そんなあなたを擁護する
加害者たちは沢山いても

晒された無秩序は
誰も元には戻せない
晒した無秩序を撫で回しても
誰の記憶も消えたりしない

意図して生んだ無秩序は
加害者たちの秩序としてなど
決して昇華され得ない

まだ見ぬ途を往くことの
覚悟を持ち得た人たちだけが
新たな秩序を描き得る



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