見出し画像

観ている

ポットがブツブツと稼働して
テレビのたどたどしい翻譯が
世界を伝え
音を切っても
耳底は揺れて止まらない
 
遮光カーテンを曳いて
明かりを落として
まぶたを閉じて
滲んだように張り付いた
白い光を観ている
 
文字に意味があることも
言葉が意志になることも
 
確かな何処かに
確かに在って
脳裏は何を覚えていて
 
去って往くだけの
何時かに在って
何を思い出せばいいのか

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?