自己存在を保つための批評
こういうことを言ったのは、後輩が、考え方やものの見方や論の語り方が借り物に感じられていて、自分から出たものじゃないと呟いたからだった。彼からしたら悩みというほどのものでもなく、ただなんとなく感じている違和感だったり不安だったり不満だったりするというだけなんだろう。
僕らは研究をやっている。研究には枠組みというものがあって、論文や発表はもちろんそれに従う。ただ、論文といえど何かを語る際に、自分のなかからはち切れそうな言葉があって、構成や構造をくずして、こわして、そこから飛び出