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和田靜香「時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか?国会議員に聞いてみた。」

和田靜香著 取材協力:小川淳也「時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか?国会議員に聞いてみた。」読了。

“時給はいつも最低賃金”なのは著者のことだったらしく、最初はそこにびっくりしました。

最低賃金で働く人を“取材”したのではなく、当人がそうだから、切迫感が違いますよね。

著者は50代未婚女性のフリーライター、本業だけでは生活が厳しい時には最低賃金でのアルバイト生活。

noteにはライター志望の人も多そうですが、フリーライターは厳しい世界でしょうね。

コロナ禍でアルバイトもままならず、不安が押し寄せた所に小川淳也さんの「なぜ君は総理大臣になれないのか」を観て感動し、対談依頼をしたそうです。

一度は断られたそうですが、粘り強く交渉し、小川さんと対談するために猛然と政治課題について勉強されたそうで、この本は言わば著者の和田さんの「成長物語」に。

「 ワイドショーは見るけど政治は難しくて分からない」「投票はなんとなく自民党に入れてる」「そもそも投票したことない」…みたいな人にこそ読んで欲しいけど、けっこう字は多いし分厚いので、普段本を読まない人は読まないかも?(しかし、そんなあなたに読んで欲しい。)

対談のテーマは、少子高齢化、税金(消費税、MMT)、就職差別(年齢、性別)、住宅問題、環境、エネルギー、原発、米軍基地、民主主義、幸せについて。

それぞれ知識ほぼゼロの和田さんが参考文献を読破し、小川さんの見解を伺い、あーだこーだ言う展開。

小川さんの答えが「正解」ではなく、課題の現状を知り、解決策を考えることは、政治家だけではなく私たちにも必要。

本書で紹介されている小川さんの詩?が良かったな。

「ひとの幸せ」                           人が幸せに生きられる社会へ。                    人の幸せ それは千差万別。                      人の数だけ 幸せの形はある。                    だったら いろんな生き方が認められる社会にしよう。          
お互いがお互いの生き方を大切にし 尊重しあえる社会へ。        
物差しはひとつじゃない そんな社会へ。

「おとこを“会社”から 女性を社会へ こどもと高齢者を社会で」      
おとこを”会社”から取り戻そう。家庭へ 地域へ 生活の舞台へ。     
女性を社会へ送り出そう。女の人の感性を社会に織り込むために。    
こどもを社会で育てよう。                      高齢者を社会で支えよう。                           

「理想?現実?」                          現実は甘くない そんなの理想 よく聞く言葉。            
確かにそう 社会にはたくさんの「現実」がある。           
どんなに「理想」を掲げても「現実」には難しいこと 苦しいこと。              しかしだ だけどだ 
夢と現実はもともとぶつかり合うもの。
折り合いをつけていくもの。
夢だけでもなければ現実だけでもない。 
あえて言えばみんな「夢追う現実家」「現実を見据える理想家」     
たくさんの人たちの理想と現実がぶつかりあう 
そのはざまを埋めていく絶え間ない作業 
それが政治

社会が変わる時、初めに詩が来るんだって。

民主主義を「風の谷のナウシカ」の王蟲に例えてるところも、ジブリ好きとしては嬉しかったな。

和田さんが読んだ参考文献が巻末にたくさん紹介されてるので、順番に読んでみようかなと思います。

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日本の未来を考える上で、私がおすすめする本は以下。


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