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「PDCAちゃんとやってます!」←僕(DOしかやってないじゃんか…)
あえて語る必要もないくらい有名な「PDCA(サイクル)」ですが、コンサルタントの私からの質問として『PDCAサイクルは上手く回ってますか?』と聞くと、
「回ってます!やってます!」
と、自信を持って言う場合、中身を色々と調べていくと『うーん、ちょっと違うなあ』と感じることも多く、今回は私が思うPDCAサイクルの運用における問題点を書いてみようと思います。
前提として、これは私がコンサルタントとして、まさにこれからが成長期の中小企業の支援の中で感じることであり、「私たちは、まだまだ出来ていません!」と正直におっしゃるケースもあるので、さまざまです。
ちなみに、細かい「PDCA」の内容等については、note上やweb上に山のように解説がありますので、私はそちらは割愛し、どちらかというと、組織において「上手くPDCAサイクルが回らないんだけど」という悩みに沿ったものを書いていきたいと思います。
では、以下より上手くいかない要因例としてのいくつかのケースを、見出し毎に書いていきたいと思います。
① そもそも理解したつもりでしかない
こういう、アルファベット略語によるビジネス用語って、何だか言葉そのものの見えないパワーがあるのだと思います。
そしてこんなキャッチーな表が、WEBで簡単に出てきてしまうと、やけに理解できた気持ちになったりします。(イラストACのフリー画像をお借りしました)
![](https://assets.st-note.com/img/1655535920822-novaeQiJpw.jpg)
図解というのは、一目でポイントが伝わったりと、私としてはとても重要な表現方法だと考えておりますが、解りやすいからこそ、何となく理解出来た気になったり、そこで思考停止するリスクもあると思っています。
「計画立案の後、その計画に沿って実行し、その結果がどうだったのかを検証して、問題点を改善する、そして次の計画に活かす」
という表現だと、日本語が母国語であれば、内容として本質的ではあるのですが、少し冗長な感じにもなります。また、そもそも「計画して~うんぬんなんて、そんなの当たり前だ」という考えの元、便利に「PDCA」という言葉を使ってしまいます。
概念としてのみ理解、という状況で「わかってます」という返答を受け取ることは正直多いです。
② DO と ACTION が整理できていない
これは、そもそもPDCAが英語だからなのかもしれませんが、「DO」と「ACTION」を正しく捉えていないケースがあります。
どうしても、日本語に直す場合にどちらも【実行する】というニュアンスになりますし、「ACTION」を【改善する】という風に解釈する、理解の土台が弱いとも感じます。
なので、笑えない笑い話ではありますが、「DO+ACTION」を一緒にしてしまい、「兎にも角にも実行あるのみだ!」みたいなニュアンスでPDCAを叫ぶケースも過去にみてきました。もちろん、実行力が弱い組織というものはあるので、そこにハッパをかける意味でなら悪くはないのですが、後述する理由からもその使い方は、どちらかというと「毒」になりがちだと考えます。
③ DO ばかりやっている
これは、自覚があるケースと、ないケースがあるのですが、どちらにしても厄介であると考えています。
その背景は、結構闇が深いと思っていまして、箇条書きにすると、
前述のように、実行!実行!実行!マインドしかない
「PLAN」「CHECK」よりも、現場はやっている感が出る
「PLAN」の事を、机上論でしかないと切り捨てている
体は使うが、頭を使わなくてもよい
失敗しても、責任が問われにくい(今までやってきたことだから)
ざっと思いついたものを、書き出しましたが、これも意識下なのか・無意識になのかによっても、闇の深さは違います。また、意識下でやっている方が、悪い行動ではありますが、今後は正しくPDCAサイクルが回る可能性は高くなりますし、早期に叶ったりもしますので、どっちもどっちではあります。
また、最後に書いた【失敗しても、責任が問われにくい】を少し解説すると、「今まで、ずっとこうやってきたんだから」「前任がこのやり方だったから」「(検証もせず)このやり方が一番いいんだ」みたいなことを根拠として、DO し続けていることが多いように見えます。まさに思考停止状態。
④ PLAN の精度を上げようとしていない
先程「DO ばかりやっている」と書きましたが、何かを実行に移すためには、その「何か」を決めないと、さすがにやることがはっきりしません。
なので「DO」自体は、実はなんらかの計画に基づいた行動なのですが、はじめての「PLANとDO」は、根拠や拠り所になる情報も少なく、薄いPLANに基づいたDOとなりがちです。
ただ私は、薄いPLANに基づいたDO を否定するつもりはありませんし、一番最初は、数少ない仮説や、場合によってはヒラメキに基づいたDOしか出来ないはずなので、むしろ必ず一度は通るものだと思っています。
ただし、一度でも「DO」をやり切った後は、検証するチャンスも改善するチャンスもあるので、それを元に、新たな「PLAN」を作れば良いのですが、その部分の手を抜くケースが目立ちます。
再掲しますが、この図はちゃんとサイクルになっているんですけどね。
![](https://assets.st-note.com/img/1655537382766-MDN3eoejiG.jpg)
⑤ 間違った CHECK をやっている
実は、組織の中に少しでもエクセルなどの表計算ソフトが得意な方がいれば、DOの結果を数値表現することは比較的簡単です。
むしろ、一番簡単であると誤解されがちなのは「数値表現すること」「帳票化すること」であるという理解に留まり、グラフがキレイに表現されていたりすると、なんとなくそれっぽい資料が出来上がってきて満足してしまうケースです。
よくあるパターンが、
今月の全社の売上予算が100万
頑張って営業活動した
結果が90万だった
次はもっと頑張ろう
この1~4のプロセスが「PDCA」のすべてである、と理解していることです。確かに大雑把に書けばこれでよいのですが、売上予算100万に対して結果が90万ということだけがハッキリしただけでは、改善案を作ることが非常に困難になってしまいます。
帳票作成が得意な方にかかれば、どの箇所(部署)で売上が10万足りなかったのかには行き着くように見える化が出来ると思います。営業担当別とか店舗別とか、大抵の場合は会社から与えられた予算数値がありますので、誰が「○」で誰が「×」だったかは、特定できるはずです。
ただし、この数値が見える化されることばかりに重きをおきすぎて、「DO→CHECK」ばかりをぐるぐる回しているケースも多く見てきました。
全社の売上予算が100万だったときに、例えば、A地区担当の「コジマ君の予算は20万」だったとします。コジマ君が、どの商品を、どのように売って20万の予算を達成しようとしているか?これを宣言していない場合は、何が上手くいって、何がうまくいかなかったのかに辿り着けません。
大事なのは「どの箇所で×」ではなく、「何が理由で×」なのかを特定することです。
問題は PLAN の軽視にあります
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