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沖縄本島・宮古島・石垣島は、同じ沖縄県でも「違う国」

沖縄県のイメージは?と聞かれると、「綺麗な海」「南国」などの回答が多いですよね。そして、沖縄3島と呼ばれる「沖縄本島」「宮古島」「石垣島」は同じ沖縄県なので、同じものとして見られていることが多いです。
でも、実は「違う国」だと思った方がいいくらい違うのです。
そもそも沖縄県は160以上の島々から成り立っています。正確に言えば、それぞれの島ごとに独自の文化があるのですが、そこまで話を広げてしまうととても話が終わらないので、沖縄県でも最も有名な「沖縄本島」「宮古島」「石垣島」の違いをお伝えします。

イメージより距離がある

東京から沖縄本島

そもそも沖縄本島は、東京から1600km以上離れています。
日本の本州の長さがおよそ1500kmなので、東京から結構離れていますね。

沖縄本島から宮古島

では、沖縄本島から宮古島はどれくらい距離があるのか。

およそ300km

東京から名古屋までがおよそ260kmなので、東京名古屋間よりも少し遠いくらいです。
沖縄本島からは飛行機で行くしかありません。

沖縄本島から石垣島

沖縄本島から石垣島はどれくらい距離があるでしょうか。

およそ400km

東京から大阪がおよそ400kmなので、東京と大阪くらい離れています。
こちらも沖縄本島から飛行機で行くしかありません。

距離だけ見ても同じ文化の訳がない

東京と名古屋、それに大阪。
文化が全然違うことは皆さんは実感としてあるはず。
沖縄3島も距離だけで見ても、同じ文化ではなさそうなことが想像つきますね。しかも海に隔たれているわけですから。

言葉が違う。方言のレベルではない。

日本語の「ようこそ」。沖縄県では?

それぞれの空港に降り立つと、出口に書いてある言葉。
沖縄本島の那覇空港に降り立つと書いてある言葉が、「めんそーれ」。
これは沖縄に来たことがない人でも聞いたことがあるのでは??
沖縄本島の言葉で「ようこそ」という意味です。

では、宮古島はというと・・・
「んみゃーち」

石垣島では・・・
「おーりとーり」

お分かりでしょうか。
もう訛ってるよねとかのレベルではないですよね。
全く違う言語。

おまけにもう一つ。「ありがとう」

ありがとうという感謝の言葉。
これは沖縄本島の言葉も知らない方が多いのでは。

沖縄本島
「にふぇーでーびる」

宮古島
「たんでぃがーたんでぃ」

石垣島
「みーふぁいゆー」

これを言われて、まず感謝されているとわかる本土の人間はどれだけいるのか不明ですが、それぞれでも全く違う言葉とわかりますね。

実際はここまでの島ことばを使う人はほぼいない

これらの方言は、島ことばと言われ、実は絶滅の危機にもあります。
実際この紹介したそれぞれの島の言葉は、私はスナックの「おばあ」からしか言われた記憶がありません。
普通に旅行しているだけでは聞かないと思います。

島民性がある

同じ沖縄県民ですが、それぞれの島で島民性が異なります。
ここからも違う国だなぁと思うことが多いです。
主観も入りますが、それぞれの島民性をご紹介。

チャンプルー文化。受け入れる懐の深い沖縄本島。

沖縄本島は、そもそも大きいので、さらにその地域で島民性は変わってくるのですが、大枠でお話しします。

沖縄本島は、日本となる前は「琉球王国」。完全に違う国でした。
主に現在の中国と主従関係のあった国で、貿易も盛んでした。
中国の文化、東南アジアの文化、大和の文化、さまざまな文化を歴史的に受け入れてきています。

さらに、アイヌ民族の蝦夷。現在の北海道とも、大和の国と交易する前から交流があったため、そこからの文化も取り入れています。
(蝦夷と琉球の話は長いのでまたの機会に)

さらに沖縄本島は悲劇の歴史の地域です。
太平洋戦争での沖縄地上戦は、知っている方も多いはず。
大変に大きな悲しい歴史を背負ってますが、それでもアメリカ占領時のアメリカ文化も柔軟に受け入れています。

そう。沖縄本島の島民性はチャンプルー文化を受け入れる柔軟性の高さ。
喋り方も比較的ゆっくりなので、新しいものでも受け入れられる懐の深さがあるのです。

開拓精神の強い宮古島。

宮古島は、山がありません。そのため川がありません。
そのため、古より水の確保には大変苦労してきた歴史があります。
水は全ての源ですよね。飲み水だけでなく、作物や畜産にも水は必要です。

そのため、生きていくため、何でも挑戦していく開拓精神の強い島民性ができたと聞きました。
現状維持では、水の確保も難しいわけですから。
そのため宮古島出身の人は、陽気ですぐに人とも打ち解け合え、新しいことをチャレンジしていくのです。

実際、宮古島を中心に周辺には、伊良部島や池間島などの島々があるのです、全て橋で繋がっています。
後述しますが、石垣島では絶対にできないことです。
橋をつくるということは、自然環境のこともありますが、これまでの船会社はどうするかなど、配慮すべき課題がたくさんあるからです。

この、全ての島が橋で繋がっていることだけ見ても、宮古島の人たちの開拓精神・新しいことを受け入れていく島民性があるという事がわかるのです。

伝統文化。古き良き琉球を大切にする石垣島(八重山諸島)

まず、石垣島と周辺の島々(八重山諸島)をまとめて話しますね。
沖縄県には昔から「八重山ひじゅるー」という言葉があります。
石垣島(八重山)の人々は冷たい人、という意味です。

なぜこのような言葉ができたのか。
石垣島は宮古島と反対に、豊富で豊かな自然資源があります。
水も豊富。畑となる土地も豊富。海資源も豊富。
チャレンジしなくても、今ある環境を守ることができれば、生きていくことができたのです。
新しい人や出来事が来たら、逆に環境が変わってしまって、生きていけなくなるかもしれない事を恐れたのだと思います。
そのため島外からの人を警戒して、その対応が冷たいと感じられたのでしょう。

現在、私は石垣島に住んでいますが、「八重山ひじゅるー」はそこまで感じません。ただ、「シャイで内気」だとは思います。
仲良くなるまでは少し大変ですが、逆に一旦仲良くなると、ここまでしてくれるの?とビックリするぐらい世話を焼いてくれます。

石垣島や八重山諸島の人々は、伝統や文化を守る保守的な人が多いです。
実際、今の新しい空港は開港から9年くらい経ちますが、計画から30年以上かかったりと、新しいことにはすごく時間がかかります。
(本当は空港から市街地までの道路がまだできてないので完成ではない・・・)

ただ、この考え方が今の石垣島・八重山諸島の自然を残していると言えます。
沖縄県で、1番自然や古の琉球文化が残っていると言っていい。
この豊かな自然環境や、「あぁ沖縄だなぁ」と本土の方が感じる環境は、伝統文化を重んじる島民性が残してくれたものです。

知れば知るほど違う。でも、それも魅力。

違うから良い。だから違いがよくわかる。

沖縄本島、宮古島、石垣島を知れば知るほど「違う国だ」と感じます。
石垣島ではこうなのに、宮古島ではこうするんだ!という発見があります。
同じ沖縄県ですが、ここまで違うかと。
今回記載した違いは、最もわかりやすいものだけに絞りました。
もっと細かい違いも実感してほしいですが、深く体感するには移住するしかないですね笑


違う国だから、どこが1番とか言えない。

本州から旅行に来る人や、移住を考えている人から、よく聞かれる質問があります。

「沖縄本島と宮古島と石垣島はどこが1番いいの?」

ここまで読んでいただいた方はご理解いただけると思いますが、1番とかないのです。合うか、合わないか。
大袈裟にいうと、フランスとドイツとイタリアどこが1番いいの?と聞かれてるのと同じ。住んでる人の性格全然違うし。
それぞれいいところがあるし、比較して優劣があるかもせんが、行ってみて景勝地や文化的に1番楽しいと思ったり、人と話して合うか合わないかなんですよね。

ただ、この質問の時点で、沖縄のことをあまり知らない人なので、それぞれの違いや特徴を教えてあげてくださいね。

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