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#20 文春タレ込みのやばさ 機能不全に陥る組織

本日取り上げるテーマは文春さんのスクープです。スクープっていうほどのものか定かではないんですが、タイトルがまずね、ちょっとここに僕やられました。

「北のミサイル発射直後に…海上自衛隊トップが防衛省に200人を集めて撮らせた山P写真」

これだけだと何のことかわからないと思いますが、山Pって、あのタレントの山Pか?何?防衛省とどういう関係があるの?と、そこでクリックしちゃったんですよね、もうタイトル勝ちですよこれ。写真見ると、それはそれで結構衝撃なんでけど。
200人の防衛省職員が漢字の「山」そして、アルファベットの「P」で「山P」という人文字を作って写真を俯瞰で撮ってるんですね。

これ何なのかといいますと、ちょっと記事を紹介させてもらいますと「今月3月16日に北朝鮮が弾道ミサイルを発射した直後、東京市ヶ谷の防衛省で自衛官ら200人が集まり、退官する山村前海上幕僚長のために山Pの人文字写真を撮影していたことがわかった」と。

防衛省

この記事で問題としているのは、写真撮影が行われたのは、ミサイル発射から2時間30分後の正午過ぎ、つまり緊張感がなさ過ぎるんじゃないかという指摘で、加えて言うならばこの期間は「まん延防止等重点措置」が適用されている期間で、こんなに人を密集させて写真撮って何なんだと。これはちょっとまずいんじゃないか、とそういったような内容の記事なんです。

なんてことのないような記事に思えるかもしれませんが、まずそもそもこの写真。どう考えたって関係者からの流出なわけです。だって、敷地内でさらに建物の上から撮影しています。

さらに言うならば、もうきっちりとですねその山P写真。写真の下に「第34代山村海上幕僚長退官記念」と書いてあるわけですもう、完全にオフィシャルなもの。この防衛省内、もしくはその関係者からの流出なわけです。何でこういうことが起きるのか、というところがまずそもそも問題なわけです。

フジテレビでも文春タレ込み勃発

フジテレビでも、ありました。

何年か前に、詳細は避けますが、某キャスターが就任したときに、もうそれこそ文春やらなんやらにじゃんじゃか、その過去のパワハラやセクハラやらそうした疑惑がどんどん流れました。それもですね、内部関係者からのものとしか考えられないわけです。

似たような構図があるんです。何かというと、まずそもそも、今回行われたこの行為に対して問題意識を持っている人たちが内部に少なからずいたということ。じゃないと文春の取材には答えませんし、おそらく文春に持ち込まないと思う。だから、これはちょっとさすがにやばいんじゃないの?まさにその記事に書いてある通り、北朝鮮ミサイル発射直後だよ、しかもコロナで密集するなって言ってるのにみんなマスクを外して写真撮ったりしている。これはさすがにちょっと問題でしょう。まずそういう内部で不満を抱いている人たちがいる。

それがなぜ文春に流れるかというと、その声を吸い上げるシステムが機能していない、もしくはそもそもない

例えば、会社とかこういった組織の中で何か問題を感じたとします。するとそれを伝えるべきって上司ですよね。上司、もしくは組織を管理をしている人たちに対して、ちょっとこれはどうかと思いますとか、これこれこうした方がいいんじゃないでしょうか、などときちんと伝えることができて、そして上もそれを吸い上げて、ある程度、もちろんそれが全てかなわないにしても、何らかの対処をする。
そうなると、不満というものは当然内部できちんと消化されますので、解消されますので、こうして外に向かっていくことはないんです。だから、そもそもの問題として、この記事が出たということは、まず、内部での不満が渦巻いている。そして、それを吸い上げることのできるシステムがない、機能していない。そこまでちゃんと見ないといけないなと。

組織の中で「消化」できるシステムを

今回は詳細なかぎ括弧つまり、関係者のコメントが載っています。さらに、内部資料も出てます。こういう形でみんな並んでください、みたいなもうきっちりとした書面が出てきてるわけです。
だから相当強い不満が、もしくは危機感というものがあったんじゃないかなという気がしています。

ではどうやったらそういう声をね、きちんと吸い上げることができるのか、言えるような空気を、その組織の中でつくっていくのか。ここが問題ですよね。例えば、何か言った人に対して報復がある。これでは、とてもじゃないけど言えません。あと加えて、上の人たちが全員同じ考え、つまりもう誰1人として耳を傾けてくれるような感じではない。雰囲気ではない。これもなかなか言いづらいです。
諦めちゃいますよね。もうこれはもう言ってもしょうがないなと。

だから常日頃からなるべくコミュニケーションをきちんととっていくか、下の子たちとただの業務連絡だけではなく、もう古いかもしれないけれども、飲み会とかもね、ある程度機能していたとは思うんです。

それが良いか悪いかは別にして、一昔前はもう行くのが当たり前でした。今は別に自由意志でもちろんいいと思います。あんなのパワハラ以外の何物でもないと思いますし、でも、実際に本当に仲良くなっていくこともあるわけです。
するとですね、自分自身の体験談ですけれども、10歳以上下の子から、ちょっとこの話どう思いますかとか、こういうこと上の人から言われたんですけれども…などの声を聞くようになってくわけです。それを吸い上げていく。

そして、僕は中間管理職の立場なので、さらに上に、伝えていく。その子たちは直接そういう上の人たち、僕よりもっと上の人たちには言えないから、クッションを置いて僕の考えをまず聞く、もしくは僕に伝えてもらうことを期待する
結局のところ組織といえども、やっぱり人と人との付き合いですから。

そうした繋がりを感じられるようなコミュニケーションをとっていくことが、結局のところ、こうした不満が外に向かって、こんな恥ずかしい形で、文集のスクープみたいな形で出ることなく、解消されていくんじゃないのかなと思いました。

(voicy 2022年4月22日配信)


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