#1 知られざる「災害報道」そのときヘリは…
最大震度6強の地震がライブ配信中に
先日、ちょうどライブ配信をしている時に揺れて、リスナーさんから「揺れてませんか?」とコメントが。はじめは宮城で震度5弱だったので、これだったら大きな被害は出ることなく大丈夫かなとおもったら、その後さらに揺れが大きくなり、最大震度が追加されて6強になりました。
6強ともなると、さすがに何らかの被害がでることが予想されます。さらに津波注意報がでたので、ただちに出社。都内で停電が発生していたのでその現場の上野駅周辺から中継しました。しかし、子供は起きませんね。小学1年生の娘はまったく起きませんでした。そういえば自分も子供の頃、全く起きなかったと親が言っていました。親は不安ですよね…
地震が発生すると自分の住んでいる場所、都内ではその揺れの程度から大丈夫だろうと判断できたのですが、震源地がどこなのかが最も重要になります。
今回の地震は福島と宮城で震度6強でしたが、こうなった場合は、緊急放送があるので、出社します。今回の地震の発生は夜だったので飛ぶことができなかったのですが、こうした大地震の場合、初動で重要になるのはヘリです。時速約300キロで飛べます。だいたい新幹線と同じです。なので、新幹線で行く距離でかかる時間とほぼ同じ程度で目的地にいけます。
ただ、夜は原則飛べません。障害物を目視で判断する有視界飛行なので、夜は真っ暗で、都会に住んでいると気付きませんが、山間部は漆黒の闇なんですね。高圧線のケーブルはほぼ見えません。日中ですら細い線がかろうじて見える程度なんです。なので各局飛んでいなかったと思います。フジテレビでも飛びませんでした。一方で力を発揮するのはやはりヘリです。夜が明けてから飛行し、その被害の全貌が明らかになるというパターンが多いんです。
ヘリの飛行可能時間と現場の見つけ方
少し昔の話になりますが新潟中越地震という地震がありました。夕方に発生したので、まだギリギリ飛べるというので、すぐさま飛んで、新潟空港で給油して、一回ならば飛んでも大丈夫ということだったのでふたたび新潟市内や周辺を飛びました。搭乗人数にもよりますが、だいたい2時間から3時間くらい飛べると思ってください。なので、この時は夜22時くらいまで取材で飛んでいたと思います。
どうやって現場を見つけるか…僕の経験では夜に飛んだのはこの新潟くらいだったと思うのですが、パトカーや消防の赤色灯が夜中に目立つんです。多く集まっていればいるほど、何らかの大きな事案が発生している可能性が高いんです。
新潟中越地震の時は家屋が倒壊して生き埋めが発生しているという情報があったので赤色灯を頼りに飛行しました。そして夜があけて新幹線が脱線しているなどの被害の全容が見えてくるのです。一方で火事の場合、黒い煙が立ち上るので、ヘリからすぐ見つけられます。黒い煙だといままさに燃えている最中。白っぽくなると工場の煙か、幸いにして鎮火に向かっています。
現場の住所がわかる場合は、実はヘリにカーナビがついていてそれを頼りにいくことができるんです。
ただ、いまはSNSの時代です。被害の状況などがアップされますが、それが真実かどうか見極めて精査してから現場に向かうことも多くなりました。
日々のニュース、いつもこのような形で取材し、現場に向かっているんです。
(voicy 2022年3月22日配信)
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