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ロシアでの健康診断 何をするにも紙、紙、紙

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ロシアは外国人の労働やビザの発給には厳しい国だ。日本とは関係がよくないから観光で入国するのにもビザが要る。そして永住権のない外国人労働者は毎年健康診断とエイズ検査の結果を提出しなければならない。

今の労働ビザの期限は8月で、帰国するまでに診断結果を提出しておかなければ労働ビザがおりない。ちなみに一度必ず日本に帰らなければビザの更新ができないという仕組みだ。日本の大使館でしか更新ができないというおかしなことになっている。

毎年ビザが切れてから2週間後に招待状を受け取り、それを大使館にいってようやくビザがおりるというわけだ。

そしてこの招待状がいつ届くかは毎年違うらしく、必ずいつにはわかるということはないらしい。去年初めて来たときは予定より2週間も遅れて招待状がきた。ビザの申請も翌日受け取りにすると1万5千円も取られる。しかも最近はビザセンターという民間に回すようになり値上がりした。

ブリヤートでの健康診断

尿検査と肺のレントゲンとエイズ検査とはしかの予防接種が必要だ。しかもそれぞれ別々の病院でやらなければいけないという意味不明なシステムになっているから困る。そして嫌がらせかのように尿検査の病院は南端にありレントゲンは中央、写真の登録は北端に分散されている。

エイズ検査センターが分かれていることはまだわかるが他がこんなにばらけているのは辛い。しかも全部紙をもらって登録の紙をもらったら市立病院で全て揃ってますよという証明の紙をもらわなければならない。

なんでも紙、紙、紙だ。

ドイツもあらゆることを手紙で書かなければならない面倒な文化があるがロシアのこの役所仕事のアナログさとは比にならない。どや顔で日本の印鑑文化を笑っているがあなたたちもめんどくさい文化だらけではありませんかといいたい。だがもちろん印鑑文化は消えて欲しい。

一番困ったのは「パスポートの翻訳がないとだめだ」と言われた時だ。英語といってもこの程度のことを理解してもらえないのか、それとも「露訳されているもの以外認めない」という規則があるのかはわからない。とはいえ、30代以上は学校でドイツ語が必修だったそうだから英語を知らないのも仕方がない。日本人にドイツ語のパスポートをみせてもさっぱりわからないのと同じ感覚だからだ。

ロシアのタクシー

というわけで今日は尿検査に街の南端までタクシーでいった。25分ほどかかったが350円で行ける。ロシアのタクシーは本当に安い。ウーバーのようなシステムになっているから誰でもタクシー業ができるようになっているのだ。スマホですぐに予約できるし目的地を告げる必要もない。予約する時点で料金がでるからぼったくられることもないし渋滞していても多く料金を取られることはない。

大抵の運転手はとんでもなく危険な運転をするが、今日の運転手は驚くほどに丁寧な運転で怖くなるくらいだった。

信号のない交差点では減速し左右の安全確認をする

必ずウインカーを出す

スピードを出しすぎない

など今までブリヤートで見たことがなかったような運転だった。ブリヤート人の運転はとても荒っぽく、毎日のように車がぶっ飛んでいくような死亡事故が起きているが横断歩道を譲る率はとても高い。

60km/hくらいで走っている車でも急ブレーキをかけて譲ることも多い。最初は不思議だったが、ただ横断歩道を譲らなかったのがばれた時の罰金がとても高いからという理由だった。

みんな減速せず急ブレーキをかけてくるから渡る側は相手が停まるか全く予測がつかない。

尿検査のコロナ対策

そんなわけで南の果てにつく。郊外だが、路面電車の沿線だからそれなり栄えている。病院はすでに多くの人が待っており、密集を防ぐために建物に入れる人数を制限しているようだった。だからしばらくは外で待たなければならずとても寒かった。

受付のところにつくいたがレーザーガンのような体温計で熱を測られ手を消毒。消毒液のレバーを押すととんでもない量が出てきて手がびしょびしょになった。その手でパスポートを受け取るからパスポートがよれよれになってしまう。ちょっと悲しい。

ブリヤートで順番を待つときは順番に並ぶのではなく「最後は誰ですか?」と聞いてその人の次を確保するという形になる。だからみんなフラフラと色んな所に座っている。初めての時は抜かされるのではないかと気が気でなかったが意外とそんなことはない。

尿検査の部屋にはいるとカウンターがありその横にトイレがある。

普通このような検査なら小窓のようなものがあってそこから渡すのだと思うが、カーテンは半開で完全に丸見えだ。

はいどうぞ、と言われてもおばちゃんたちの前でいきなり用を足すのは気が進まなかったが後ろを向いてするしかない。せめてカーテンをもう10cm閉めればいいのにと思う。

検査は20分程待つとその場で結果が出る。病院内はそれなりに気をつけられている感じがしたが、患者はマスクをしないで入ってくるような人もいる。受付の人がそれを叱りつけてマスクを渡すような場面も見た。あとはほとんどの人がマスクから鼻が出ていてそれをしまわせるという状況。

ロシアの感染者は43万人でブリヤートは1500人。一応新規感染者は減ってきてはいるものの、という感じだ。

帰りは家の前までバスで帰ってみたが行きの運転手からは打って変わって周りの車を全て抜かさなければ気が済まないような爆走車だった。


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