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生涯投資家③「フジサンケイグループのいびつな構造」

トモーロです。

今回も生涯投資家の解説をしていきたいと思います。今回は、平成の経済を語る上で欠かせないような話をしていきます。

ニッポン放送についてです。このニッポン放送についての話は、フジテレビとライブドアがものすごく関わってきます。

知っている方も多いのではないでしょうか。一体あの事件がなんだったのか。早速話していきます。

それではいきましょう!


【ニッポン放送について】

ニッポン放送とは、フジテレビ、産経新聞を子会社にもつフジサンケイグループと言われるグループの親会社であり、財界のバックアップを受けて設立された企業でした。

初代から経営者はある創業一家で経営していました。初代経営者から息子に引き継がれましたが、その息子が若くして他界。その次に初代の娘婿を経営者として任せることにしました。

しかし、経営者となった娘婿は経営としての力がなく、社内でクーデターが起こりました。そして、創業家一族の血はここで途切れ、フジテレビから新たな経営者が就任することになりました。

このようにニッポン放送というのは歴史があり、とても複雑な構造でした。そして、時代の流れと共に国民の需要はラジオから徐々にテレビに流れていきます。
そこで、ある1つの問題が起きるのでした。


【いびつな構造】

時代が進むにつれて、親会社であるニッポン放送よりもフジテレビが圧倒的に存在感を示していく。それは数字にも表れ、フジテレビが親会社のニッポン放送を時価総額を上回ってしまいます。

つまり、子会社よりも親会社の方が割安に評価されてしまっている。言ってしまえば1万円の入った財布が7千円で売られているようなもの。

割安なニッポン放送の買収に成功すれば、それより価値のあるフジテレビごとコントロールできてしまう権利を得られるといういびつな構造になっていたのです。

そして、フジテレビが新社建設に向けて資金調達が必要な状態。そのために、上場を検討していました。しかし、当時のルールとして子会社が上場する場合、親会社も上場しなければいけないルールでした。

そのため、ニッポン放送はフジテレビの資金集めのために無理やり上場させられる形となってしまいました。上場したということは、誰もが株式を購入できるということ。

つまり、誰にでもニッポン放送を買収できるようになってしまったということになるのです。このままではいずれ大変なことになると感じた村上さんは2つの提案をするのでした。


【全てはコーポレート・ガバナンスの欠落】

村上さんの提案は次の2つでした。

1、フジテレビをニッポン放送の親会社とする
2、別にグループの持ち株会社を設立し、その中にニッポン放送、フジテレビ、産経新聞を入れてしまう

このどちらかのプランをニッポン放送とフジテレビに提案するのでした。また、このニッポン放送とフジテレビの関係を通じて、世の中にコーポレート・ガバナンスの理解を深めてもらうということも狙っていました。

実際に両社の関係者に話に行きます。フジテレビ側では、「状況は理解したが、ニッポン放送側はいいと思わないだろうな。そして、あなた自身フジテレビを利用としようとしているのではないか。」と少し疑いをかけられてしまいます。

一方のニッポン放送側は、「自分達はフジテレビの勝手な都合で無理やり上場させられたんだ。フジテレビの子会社になる?それではフジテレビの方が偉いみたいになりませんか。」と言われてしまいます。

村上さんは、そんなこと言っている場合じゃないのに全然話が前に進まない状況にこれも全てコーポレート・ガバナンスの理解がないからだと主張します。

会社は自分達のものという間違った認識。株主のことを一切考えない保身がこのような状況を生んでしまったと言います。


【ニッポン放送の価値が薄まる】

この頃、世間ではメディアとネットの融合の可能性が囁かれ始めた時代でした。フジテレビの資本構造が改善されなければ、村上さんが買っていたニッポン放送の株式をIT企業に売ることも考えていたそうです。

ニッポン放送は、買収されたら大変なことが起きると言われても財界のバックアップを受けて設立した会社に対して、そのようなことをする企業は日本に現れないだろうと考えていた部分もあった。

しかし、それでも買収はやはり恐れていたため、フジテレビが50%の株式取得を目指してニッポン放送に対してTOBを行うと発表。このことで、ニッポン放送の価値が薄まり始めます。

ようやくフジテレビが動き出したと思ったとき、村上さんはある人物から電話を受けるのでした。それが当時のライブドアの社長であった堀江さんでした。

電話の内容は、「もうニッポン放送に対して、ライブドアとしてできることは何もないのか。なんとか株を買おうと思っている」というものでした。

村上さんは、この頃のライブドアにそれほどの資金力はないと内心は思っていた。それでもこの内容をインサイダー情報として登録します。


【本日のまとめ】

今回のお話はここまでとさせていただきます。ここから事態は急変していきます。

本日のポイントは、設立当時のニッポン放送という会社はコーポレート・ガバナンスの欠落によっていびつな構造が出来上がってしまったということです。

勘違いしていただきたくないのは、この話は全て数十年前の話をしているといこと。現在の詳しい状況は私はわからないのでそこだけ誤解のないようにお願いします。

次回で生涯投資家は完結いたします。ここから面白くなるし、何より学びになりますのでぜひ見ていただけたらと思います。

では、また👋


ここまで読んでいただいてありがとうございます。この「トモーロの部屋」noteでは皆さんの学びのきっかけになるような記事、そして仕事に役立つような記事を中心に書いています。

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