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シャーデンフロイデ

「迷惑という迷宮」という見出しの新聞特集が面白かった。テレビを見ている人に向けて不倫を謝罪する芸能人。大衆は迷惑を受けてないのに何故?っていうのが特集のきっかけのようだ。海外の事例やコラムで、迷惑ってなんだ?っていう考察をしていた。
子どもお断りのカフェやノーキッズゾーンの表示が増えている韓国、スイスの田舎町で古い教会の鐘の音が騒音だと訴えている女性、ローマではトレビの泉やスペイン階段で座っていけない条例が、ベネチアでは水しぶきがかからないよう「高潮の時の早歩き」が禁止されたそうだ。

ドイツは騒音にうるさい国民性らしい。州によっては22時から7時を「静かにする時間」と法律で定めている。
ケルンの集合住宅に一時期住んだ妻に聞いたら、「そうだよ、だから日曜日は洗濯機を回せなかった」とのこと。夜、床に物を落としただけで翌朝下の階の人に謝りにいったこともあるという。

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「シャーデンフロイデ」は、「Schaden(害)」と「Freude(喜び)」を合わせたドイツ語で「人の不幸を見聞きして生じる喜び」という意味。少し調べると現代を読み解くキーワードだと思った。
芸能人の不倫の是非に盛り上がるのも、あいつらが俺たちの富を奪っていると巧に煽ってその地位についたトランプ大統領も、大仰に語ればグローバルだと言っている一方で弱者を攻める、攻めることに同調する感覚、みんな同じ感じがする。
吐露すれば、喫煙者に対する僕の感覚にそれが無いと言い切れない。かつては喫煙者だったのに。

シャーデンフロイデは、古来人間に備わっている性質だという。
日本では「隣(他人)の不幸は鴨(蜜)の味」っていう諺は同義だし、英語では「Roman Holiday」っていう表現がそれに当たる。
ローマ帝国時代の市民が盛り上がった見世物、日曜日にコロセオで行われていた剣闘士の闘いがその由来。

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