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エモーショナルEURO2020(4)

勝敗を分けたもの

ゴール前の混戦やテンポの良いコンビネーションから決まるゴールに対して、カウンターで抜け出したフォワードとキーパーが1対1になるような前置きというか、予感を感じる時間を持てるゴールがある。
秒単位で時計を確認さざるを得ないような時間帯と状況なら、そのフォワードには、サポーターや両チームの全選手からの強い”念”が注がれる。

均衡を破りイングランドが先制したのは75分。
その約5分後の場面が、この試合の勝敗を分けたと思う。

ドイツのベテランFWミュラーが一人抜け出しボールを受けた地点は、ゴールエリアよりかなり手前だった。
キーパーは出てこない。ミュラーはしっかりとゴールを見て慌てないで打てるはずだった。
その時間多くのサポーター、両チームの選手も「決まる」と思った。
ミュラーだから。

そして。
ミュラーのシュートボールが、大きく横に飛んだキーパーの逆をついたのが分かった瞬間「決まった。これで試合はわからなくなる」と思った。
しかし、低い弾道のボールはゴールの外へ流れた。

イングランドは終了間際に追加点を決めて、2-0で勝利した。

もうひとつ勝敗を左右したと感じたのがスタジアムとサポーター。
ロンドン・ウェンブリー。
テレビに映ったスタンドには、数十年も変わらないイングランドサポーターの光景があった。
他のスタジアムに比べて圧倒的な男率。
飛沫の嵐。
ちなみにサポーター同様に盛り上がるロイヤルファミリー、勝利が決まってからようやく喜びをあらわにしたデイビット・ベッカムの様子などもイングランドサッカーらしさのエッセンス。

#読書  #旅行 #ワイン #世界史 #エッセイ #サッカー #euro2020

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