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ロビー・キーンのゴール。アイルランドサポーターたちと飛び上がった

2002年6月5日、カシマサッカースタジアム。
当時、僕はサッカーワールドカップの埼玉スタジアム開催の試合運営のボランティアスタッフに就いていた。
だから、サッカーをやっていた小6の長男に試合を見せてあげるには埼スタ以外。なんとかチケットを手に入れたのがカシマスタジアムでのドイツ対アイルランドだった。

予選リーグ2戦目の試合だった。
初戦を勝った優勝候補ドイツは、連勝でトーナメント進出を確実にしたい。ブラジルと並ぶ優勝候補で結果準優勝。GKオリバー・カーンが大会MVPを手にした。
7試合5得点を挙げたFWクローゼも絶好調で、ドイツにとっては「落としたくない試合」だった。
一方のアイルランド。専門家的な見立てはわからないないけど、僕には「泥臭く一生懸命頑張る」印象と、熱狂的なサポーターが大勢来日している認識ぐらい。初戦は引き分けで、この試合に負けたらトーナメント進出は難しくなる状況だった。

チケットは、ゴール裏のアイルランドサポーターたちに埋もれるようなところだった。
緑色の大男たちの応援は、僕も圧倒されたほどだから長男にとってはかなりのインパクトだったのは間違いない。8000人のアイルランドからのサポーターが来ていたらしい。

前半バラックのクロスをヘッドで合わせたクローゼが先制。1-0のまま時間が過ぎた。「諦めないアイルランド」に期待する空気が高まるスタジアムの雰囲気だけは覚えている。
そして後半ロスタイム。当時はまだロスタイムと呼んでいたと思う。
アイルランド10番、ロビー・キーンが同点ゴール。
その瞬間、飛び上がり、叫ぶサポーターたち。
ロビー・キーンが得意の側転でのゴールパフォーマンス。
大男たちのジャンプに揺れるスタンド。
興奮の中のサポーターに囲まれて呆然と周囲を見渡した。
ドイツに次いで予選リーグを突破したアイルランドは、トーナメント1回戦でスペインに延長PKで敗れたが、泥臭く一生懸命、諦めないチームの好印象を残して大会を後にした。

あれから長男は、緑のシャツを好んで着るようになった。
彼との約束「いつかアイルランドへ行こう」は、高校生の時に果たした。

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