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ロンドンと本

ロンドンを歩いていると、わたしが本好きだからかもしれないけれども、本を読んでいる人をあちらこちらで目にする。地下鉄(Tube)やバスの中、道端や公園のベンチ、ちょっとした街の中の芝生の上、そしてカフェ。

そんな姿を見かけると、こっそりと、歩調を緩めたり近寄ったりして、何を読んでいるのだろうと、本のタイトルやカバーを盗み見る。ロマンス、サイエンスフィクション、ビジネス、誰かのバイオグラフィー、セルフヘルプ、ポエム…。

言語は英語がやはり中心だけれども、300言語が話されているというロンドンではよく見ると英語以外の言語の本を読んでいる人もよく見かける。アラビア語の並んでいるページを指で追っている人をTubeで見かけた時は、初めて間近にみるアラビア語につい見入ってしまった。日本人の多いこの街では、日本語の本を読んでいる人もたまに見かける。

そんな本が身近に感じられるロンドンでは、数は減ってきているとのことだけれども、それでもBookshopがあちこちにあって、街で見かけた誰かが読んでいた本を見かけるとつい手に取ってしまう。

本といえば、週末に人が集まるエリアには、Pop-upの古本屋さんがよく立ち並ぶ。そして若い人から年配の人まで、割と多くの人が立ち止まって本を吟味している姿をよく見かける。

Canal Boat の本屋さん
著者撮影

古本はアンティークと同様”ご縁(一度見送ると多分二度と会わない)”だと思っている私は、古本を見るといつも立ち止まって、どんな本が私の前に現れるのだろうかと、ワクワクしながらカバーやタイトルを見て回る。

またいわゆるBookshop以外でも本を手に入れることができるのが、ロンドンの面白いところ。先日もお天気の良い週末にぶらぶらと、とあるロンドンの住宅街を歩いていると、ある家のまえに本が置いてあった。

晴れた日のとある家の前
塀の上に並んでる本
著者撮影

もう読まれなくなった本は、道ゆく次の読者が手に取ってくれるのを待っている。こんな風景はロンドンの住宅街や、イギリスの小さな街でよく見かける。先月、ロンドンから電車で2時間くらいの小さな街を訪れた時にも、ある家の前に山積みにされた本を見かけた。本を吟味していたらその家の住人が現れて、本の解説をしてくれて、その中の一冊を持ち帰ってきた。

最近、夏の兆しを見せつつあるロンドン。ようやく観光、ビジネス、そして勉強で訪れる人で賑わってきた。となると、また街のあちらこちらで本を見かけることが多くなる。お天気の良い週末になると、”どこでどんな本とご縁があるのだろう”、と期待に胸を膨らませてまた散策に出かける。

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