その深く鮮やかな青に、「ただいま」を【オーストラリア・バイロンベイ】
いつか、もう一度戻ろうと想っていた。人生3度目のバイロンベイ。
けれど、ただ訪れるだけじゃ泣いちゃう気がしてた。きれいな思い出が詰まりすぎていて。前回の訪問は、本当に素敵な日々だったから。
だから、今回の撮影で「バイロンベイへ行くよ」と聞いた時、うれしいような切ないような、混ぜこぜになった気持ちで私は頷く。返事をする。
揺れるキャンピングカーの大きな車体、晴れ渡る空、吹きすさぶ夏の始まりの風。奇しくも前回もこの季節だった。頰撫でるこの風、なぜなの、2年も経つのにどうして変わらないの、今も昔もやさしいの。
また彼が歌を歌う。違うのは私が「仕事で撮影をしていること」。こんな風に戻れるなんて思ってもみなかった。2年前の私は、ただ心の赴くままに写真を撮って。
その昔口を潤したコーヒーを、またいただく。青い海はそれよりもっともっと透き通って、あぁどうして私は、私たちは、東京で暮らしているんだろう?なんてやっぱり同じことを考えたり。
日が昇り、日が暮れ、お腹が空き、笑い合い、そして風の向くまま散歩を楽しむような、歩く日々を求めたい。
「さぁ行くよ」とクルーが言う。さらに南下して、シドニーを超えてキャンベラまでゆかなくちゃ。
きっとまた来るね、今度は大切な人を、案内できるくらいまで詳しくなれるように。暮らせるように準備をして、ここへ来るから。
冬の風、忘れてしまいそう。どうして飛行機に乗ったら季節が変わるんだろう。
薄いワンピースとサンダル、カメラだけぶら下げて、さっき見下ろしていたビーチに、裸足で駆け出したら。
いつも遊びにきてくださって、ありがとうございます。サポート、とても励まされます。