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どこの世界でもおばちゃんは強い

今月の初めに、友人とスペインに旅行した。初めてのスペインは美味しく、明るく、暑かったので、旅の思い出を忘れないようにnoteに少し書き残しておこうと思う。


スペイン旅行3日目か4日目の昼。
私と友人はバルセロナのメトロに乗った。(ちなみにバルセロナのメトロは基本的に観光客フレンドリーで分かりやすいが、ところどころで「どういうこと?!」と翻弄される。旅行の際はYouTubeもしくはブログ記事で予習しておくのがオススメ。)

バルセロナのメトロはとにかくスリが多いという。スリを警戒しながら壁に背中を合わせるようにして電車を待つ私と友人。駅構内は明るく、治安が悪い雰囲気はない。友人と昼に食べたピザが美味しかったなど話をしながら待っていると、隣からタバコの臭いがした。

私の左隣に60代くらいのおばさん、そしてその左隣には70代くらいのおじさんがいる。「おじさんがタバコ吸ってるのか?」と思い、右にずれ少し距離を取る私たち。

すると、隣にいたおばさんが突如「◯×※□◇#△!」とスペイン語でキレはじめた。

スペインについてから観光客ばかりの治安の良い雰囲気ばかりを見ていた私たちは一瞬緊張する。どんな状況でも大声をあげる人はこわい。

タバコを吸っていたおじさんが怒られているのか…?と左を盗み見ると、タバコの煙を周囲に撒き散らしている犯人はおじさんではなく、いかにもやんちゃそうなティーンの集団だった。(おじさん、濡れ衣をきせてしまってゴメン)

高校生〜大学生ほどに見える男子集団(5〜6人くらいだったと思う)のひとりが、構内でタバコを吸っていたのだ。

そして、それに対しておばちゃんがキレて文句を言っている。

間に挟まれたおじさんは何とも気まずそうな顔をしている。

いかにもやんちゃそうな男子たちだが、おばちゃんは臆さない。何と言っているかわからないけれど、タバコに対して文句を言っているのは雰囲気でわかる。

おばちゃん強い。

どこの世界でも、おばちゃんは強い。こうした局面で面と向かって相手に真っ当な注意ができるのは、多くの場合でおばちゃんだったりする。

私は怖いしそんなことできない。でも誰かが言ってくれると嬉しいと思ってしまう。ずるい考えではあるけれど、こうしたおばちゃんがいることで世の中の秩序が保たれることは往々にしてあると思う。おばちゃんの安心感はすごい。ありがとうおばちゃん。

しかし、そんなおばちゃんの説教に耳を貸さないティーン。結局、言っても聞かない彼らに「最低!」と捨て台詞をはいておばちゃんは注意をやめる。

最終的に、彼はタバコを吸い終え、路線の中に吸い殻を投げ捨てた。

いきがっているティーンが、大人に注意されたくらいで素行を正すことなんてほぼない。しかし、その一言があるだけで、周りが救われることはあると思う。そうした勇気のあるおばちゃんがいることで、周りが小さな不安や恐怖を感じている場合でも、『このおばちゃんがいるから大丈夫』という安心感が生まれる。

どこの世界でも、おばちゃんは強い。

結局彼らは私たちとは違う電車に乗ってどこか違う目的地に向かった。同じ車両じゃなくてよかった。



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