TomokoMaekawa

London School of Economics and Political Sc…

TomokoMaekawa

London School of Economics and Political Science Dept of Sociology PhD 中途にて帰国。子育て、日本での約30年の大学教員生活を経て 現在、博士論文執筆中

最近の記事

祭りと食

國府功一郎が 考査のためではなく、 「学びのための学び」を楽しむ学生に会いたいと言っているがその通りだ。テストなんか関係なくても、この先生の講義がただただ面白い そんな講義を提供したいと思い続けてきた。ヒムラーがSS隊員を ハンナ・アーレントというひとは短文で ずばっとことの本質を 描き出す「唸らせる」人だ 資本主義の時代には常に 効果や 効果的であることが 求められ 「なにが目的?」 非合理だ お金もったいない もっと合理的な方法があるのでは? 「それ 必要なの?」 et

    • 「知ること」と「信じること」in 芥川龍之介 「南京の基督」

      芥川龍之介の「南京の基督』 主人公 金花は キリスト教徒であり 年老いた父を養うために私娼をしていた 或る日、金花は 1) 自らが梅毒に犯されていること 2)誰かにうつし返せば自らは治癒するも 3)うつされた相手の病状はもっと悪くなる事実 を知る。 金花は以後、客を取ることを止めるも 自分の部屋に架けてある十字架のキリスト像に似た外国人との出会いだけは拒むことができなかった。 そして その夜の夢。 キリ ストがご馳走を与えてくれ 食べると病気がすぐに治る 翌朝 目が

      • 「ウディアレンの重罪と軽罪」:神の眼と眼科医

        神はすべてを見ており 罪は裁かれる。 殺人を犯した眼科医は 神の存在を意識し始める しかし いつまで立っても 眼科医は神に裁かれず 不条理な目に遭うのは いつものウディ・アレン 神は殺人があったことさえ知らないようだ 眼科医は 神の眼に どんな治療を適用したのだろうか? この映画 久々見てて思う ウディは もしかしたら 神=ゴドーの到来をずっと待っていたのかも 最期に 例の罪 神の眼に見られていたら いつか神が…って… 年一のウディの映画無くなって missing

        • 同性愛の「彼」?=解離?

          愛されたい欲求 〇〇好みの俺 俺が こう言えば  こう振る舞えば 〇〇は俺を愛してくれる これを解離 もしくは恍惚=エクスタシーと呼ぶ。 汝になった我 好かれたい誰かになった 統合されないバラバラな自己 その「愛されたい」欲望=毒気 による自己の解離を 英国詩人ジョン・ダンは殺人と呼んでいる なぜなら、 愛の毒気、 愛されたい欲望により 自己はいつの間にか 思考まで 他者に中毒的に犯されてしまうからだ。 自己がないからこそ誰にでもなれる。 Aちゃん好みの自分。 Bちゃんが評

          正解のない正解ほど厳しいものはない

          分からないことを 分かりたい から 人と人が対話する。 理解の及ばないところを 理解したい。 理解できないところに 謙虚でありたい そんな欲望が 科学を 文明を発展させて来た。 そして今 多様性を認知しようとすると努める 相対性  みんな違ってみんな良いの 「ポリコレ」の時代。 何十年前 私のLSE時代のロンドン WW IIで日本兵に父親を殺されたタクシー運転手に 乗車拒否された私 VS 娘が所属していた数年前の米国の音楽院 黒人差別発言をした少年は即刻退学 「正解」は

          正解のない正解ほど厳しいものはない

          フィリップ・ディックの向こう ♯創作大賞2024 被害→加害→被害→加害 ならば エンディングはきっとすぐそこに??誰か教えて

          この光景… 知ってる あかん 何かが起きる。 岐路を 未来を 変更しなければ… 平野啓一郎作品に現れる そんな光景 「夕べにすべてを見届ける」 しかない とベートーヴェンも言っていたそうな      ー「ベートーヴェンの日記」 「あのタクシーに乗ったから」 「車内で熱烈なキスをしてたから」 涼子が未知恵になった         ー平野啓一郎「Re:依田氏から依頼」 「あり得たかもしれない二つの可能性」 双子の美里と美咲 「あの朝、ほんの数時間、別々の道を歩いてし

          フィリップ・ディックの向こう ♯創作大賞2024 被害→加害→被害→加害 ならば エンディングはきっとすぐそこに??誰か教えて

          スピノザの功罪 I〜永遠のマスターベーションという悪霊

          1 過去の被害者と未来の加害者 あいつは俺に 「女おるやろ?」と聞く あいつは俺に女がいることを 知っていて 女と幸せになってというから 彼女を未来に殺す 殺すだろう? 幸せになってというのだから あいつは消えるしかない ならば 彼女しか 僕を未来に助けられない こんな単純な明快な事実 被害者にしか 加害者を助けられない ということが 何故みんな分からないのか 犯罪現場で被害を止めれるのは 被害者だけだろう? だから僕は頼んだのだ 僕は未来の加害者です あなたしかいな

          スピノザの功罪 I〜永遠のマスターベーションという悪霊

          スピノザの功罪 II 未来が過去に追いつくまで

          6 未来が過去に追いつくまで ピンクとブルーのツガイの折り鶴 旅行カバンに入ってた 「さようなら」 ママを 思い出して Forget Me Not できたら Uターンして ママの 最後の足掻き ママは鶴に託したのだと 後から知った。 過去に先に済ませておいた 私のサヨウナラを ママは 未来で受け止めた お母さん 荷物の半分 受け持ってくれる? お母さんのせいにしてもいい? ママしかいないねん 泣きじゃくるしかなかった 泣いても泣いても止まらない涙 私は未来を泣い

          スピノザの功罪 II 未来が過去に追いつくまで

          スピノザの功罪 III 未来の過去の時効

          15 彼でない彼の犯罪 私の上で騎乗位の彼 彼の全体重を 肌身で感じる 彼が彼から抜けていくに 比例して 彼が抜けた分の 体重が私にかかる 彼が彼から抜けていくのを 体で感じた 彼はもう 自分で自分の体重を支えていない 彼はもう彼ではない 彼はそこにいない 彼の左手と右手 両方が スローモーションのように ゆっくり 私の首の方に 動いてくる 殺される 彼の手はもう彼の手ではない 彼の目も彼の目ではない あんな目は未だ嘗て見たことがないし これからもないだろう 死んだ

          スピノザの功罪 III 未来の過去の時効

          見えるものは見えないものに触っている ノヴァーリス「青い花」

          地面を真っ赤に染めるほど 苦しみの血が流れ出ているかのように 切り倒された榛の木の切り株から 木の命の色 榛の赤が滲み出ていたそうな 花の色は 花の花弁から 葉の緑色は 葉の緑から 抽出できないのを知っていますか (紅花だけは例外) 桜の花弁を集めて 色を抽出しても 灰色がかった薄い緑にしかならないのです 紫の色、雪に映え いみじうをかし… 枕草子にもあるが 高貴な色 紫を抽出するのは椿の灰が必要で、 それも椿の花ではなく 葉や枝を焼いてその灰汁から紫が抽出されるそう

          見えるものは見えないものに触っている ノヴァーリス「青い花」

          ミツバチのドローン化とカフカの「橋」

          「もしも、地球上からミツバチが消えたなら、  人類は4年で滅亡するだろう」 警鐘を鳴らしていたアルベルト・アインシュタイン。いま、そのミツバチのコロニーが年々30-40%平均で消滅していており、養蜂農家は店じまい… ハチという媒介者がいなければ、他の昆虫への連鎖的絶滅も引き起こされ 世界中の農業は苦境に陥る。 果物、野菜の生産は ハチ等による受粉に大きく依存しており、 ハチがいなければ、 ヨーグルトなど乳製品も食べれなくなるし 朝のコーヒー習慣もなくなり 肌触りの良いコッ

          ミツバチのドローン化とカフカの「橋」

          誰が為に鐘は鳴る を簡単に

          ゲイリー・クーパー演ずるロベルトと イングリッド・バーグマンによるマリアによる あのエンディング 是非 見ていただきたい。50:00よりどうぞ❤️ マリア 聞いてくれ アメリカには行けない だが君と俺はいつも一緒だ 君が行けば俺も一緒だ 我々は一人なんだ いやよ一緒にいるわ 君は残れないんだ 君が行けば俺も一緒だ 2人のために行ってくれ 愛は決して消えない ここに残る方がいいわ 辛いのは分かる でも君は俺なんだ 君が生き延びれば 俺も生きる事ができる 君の中には俺が

          誰が為に鐘は鳴る を簡単に

          デリダ「正しく食べなければならない」

          お腹空いた=食べる  好きだ=キスをする お母さん(綺麗なお姉ちゃん)=おっぱいを吸う あいつ腹立つ=〇〇○と噂を拡散する 全て口を通すものである。何か違いがあろうか?デリダはこう言う 食べること、 愛すること、 生殖すること そして 語り 語られること も 捕食=同一化するという ひとつの大きな力による状態変化。 自己を喪失し 他者を消化する自他融合の行為である 数学者ルネ・トムは著書「構造安定性と形態形成」でこの数学的分析を行っている(笑) そして 恋=愛とは

          デリダ「正しく食べなければならない」

          家事=オイコノミア(エコノミア)=「我思う」

          2015年「火花」で芥川賞を受賞したピースの又吉直樹さん 身近なテーマを「オイコノミア」という様々な視点から考察していく情報番組をご覧になられた方。またはこの書物をお読みになられた方はおられるだろうか。オイコノミア=エコノミアとは「家」モノの見方=視点を意味する。 主体🟰世界 フィヒテ 世界🟰主体 スピノザ この視点の2解釈は世界が逆立ちしている。 何が正しいのだろうか? 主体とはあるのか? みんな違ってみんないい? 「主体の後に誰が来るのか」という問い この問いは無効であ

          家事=オイコノミア(エコノミア)=「我思う」

          幻痛というファントム in かたちだけの愛 平野啓一郎著

          もし皆さんが 片足を失って 義足をつけなければならない時 生足で歩いていた過去 生足を失った現在 義足で歩く未来 喪失された生足= 未だ過去を生きている過去を できるだけ リアル=現在に接続 繋げることができれば と願いもするだろう 身体の断絶… 残りの身体は現在を生きているのだから 取り残された過去にリアルを補完し 現在に連れてきてやることが せめてできれば と ないはずの足が痛むのだから… 痛いのは  「あの時」 過去  事故の時の痛み 今ではないのに でも 「

          幻痛というファントム in かたちだけの愛 平野啓一郎著

          「我思う」ではなく「我を見ろ」「我を聞け」? ハイデガー 「私を」による「私は」の召喚

          「我思う」 ではなく 「我を聞け」 「我を見よ」 「私を」 は明かす 「私は こんな奴だ」 と。 「良心の声」による「存在の召命」 前主体的 前歴史的 脱自存在。 自らの負い目=負債を語る良心の呼びかけ を聞く それは呼び求める  呼び出し 命令する 「ここに私を見よ」 良心の分析を ハイデガーは「存在と時間」で開始し 「ヒューマニズム書簡」や「形而上学と何であるかへの後記」においても継続 それを「存在の呼び求め」と名付けている 呼び声はどこから来るのか 自身にとって

          「我思う」ではなく「我を見ろ」「我を聞け」? ハイデガー 「私を」による「私は」の召喚