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なぜ、いま、VoC経営なのか。#4 第2章 VoC活用シーン ①CS・NPS向上

Insight Tech CEO 伊藤です。不満買取センターを運営し、独自のデータ×独自のAIで「声が届く世の中を創る」ことを目指しています。

不満買取センターに集められた「声」を独自に開発した「AI(人工知能)」により価値化しイノベーションを興す。そんなことを生業にしている会社です。不満のデータに限らず、各企業が保有するVoC(Voice of Customer)からビジネスを強くするお手伝いもさせていただいています。

このnoteは連載「なぜ、いま、VoC経営なのか。」の第4回(#4)をお届けします。
【#1~#3も是非ご覧ください】

この連載では本シリーズでは【VoC経営】を以下の通り定義しています。

ユーザーや生活者一人ひとりの声に耳を傾ける。
それを、一人ひとりの不満や期待に応えるために活かす。
加えて、寄せられた声の総体の中から経営課題を見出し改善するとともに、その中から新たな価値創出の可能性(イノベーションの種)を見出し、ビジネスを強くし、生活者や社会に新たな価値を提供しようとする経営。

#3までで、「なぜ、いま、VoC経営が求められているのか」について具体的なデータや事例を踏まえてお伝えさせて頂きました。

#4の今回からは「じゃあ具体的にどういうシーンでVoCを活用すればよいの?」という【活用シーン】について5度に分けてお伝えできればと思います。

第2章 VoC活用シーン

VoC経営を通じたユーザーファーストの実現に向け、具体的なVoC活用シーンとしては以下の5つがあると考えます。

【VoC活用シーン】
1.CS・NPSを高める鍵を具体的に理解する
2.既存商品・サービス改善のヒントを得る
3.新商品・新規事業のアイデアを創発する
4.ユーザーとのコミュニケーションを深化させる
5.ユーザー対応・問い合わせ対応を最適化する

以降の連載ではそれぞれについて具体的に言及していければと思います。

今回はその1回目、「CS・NPSを高めるカギを具体的に理解する」ためのVoC活用について、皆さんと認識を共有していければと思います。

1.CS・NPSを高める鍵を具体的に理解する

顧客満足度・他者推奨意向は重要な経営指標

VoCと最も密接にかかわるビジネステーマとして皆さんが真っ先に想像されるのが「顧客満足度(CS:Customer Satisfaction)の向上」だと思います。

評価項目(価格についてはどうでしたか、店員の対応についてはどうでしたか等)別に5段階や7段階で満足度を聞くとともに、「総合満足度」を同様の段階で聴取するようなアンケート(いわゆる顧客満足度調査)を実施されている企業が多いのではないでしょうか。

この結果に基づきCSスコアを算出しモニタリングする、という取り組みは、ユーザーファーストの体現に向けて根幹的な活動であるのは言うまでもありません。

最近では、これに加えて、他者推奨意向(他の人に勧めたいと思うか)を聴取し、ここからNPS(Net Promote Score)を算出、顧客ロイヤルティ評価を通じ、事業への波及効果を計測しようという企業も増えています。

市場総量の拡大が見込みにくい中で、既存顧客のロイヤルティを高め、LTV(Life Time Value)の極大化を実現することは、マーケティング上、極めて重要な課題であるのは言うまでもなく、その観点で、CS・NPS向上に向けた取り組みは今後も重要度が高まると考えられます。

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そのCS調査、顧客の本音を聞けていますか?

一方で、重要度が高まっているからこそ、「選択式の設問だけで本当に本質的な課題が見出せるのかが不安」「調査で終わっていて打ち手に繋がらない」という悩みをお感じの企業が増えている印象です。VoC活用に真剣な企業様ほど、このことを課題視する傾向です。

具体的には、「意識していないことでも設問として聞かれてしまうと、回答せざるを得ないので回答にバイアスがかかるのではないか」「設問にない領域・事象に課題が隠れているのではないか」といった課題をお聞きします。

『設問に選択肢で回答する形式のCS調査やNPS調査では顧客の本音を聞けていないのでは?だから打ち手に繋げられないのでは?』とのモヤモヤです。

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皆さんがとある企業のユーザーとして設問に選択肢で回答するCS調査に答えるときのことを思い浮かべてください。

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”その回答結果はあなたの本音が滲み出る情報になっていると思いますか?”

CS/NPS調査で得られるVoCから強み・課題を炙り出す

上の問いにハッとした企業様には、選択肢形式の項目別の設問を最低限にして、「総合満足度」「他者推奨度」だけを選択式で聴取し、そう回答をした理由を自由回答(フリーコメント)で聴取する形式をお勧めしています。

自由回答(フリーコメント)のテキスト=解像度の高いVoCデータの中に、選択肢では表現できない解像度が高い期待や評価が記述され、そこに顧客満足度を高めるための鍵が隠されている考えます。

一方で、「でも、フリーコメントで回答された結果って分析できないよね」「単語のカウントをしても、それが総合満足度や他者推奨意向に寄与するのかわからないんじゃないの?」という実務的な課題に直面します。

私たちInsight Techではこの課題を克服するVoC活用ソリューションをご提供しています。フリーコメント欄に記載されたテキスト形式のVoCを構文解析技術で解析し「●●がXX」というフレーズレベルで評価する。そして同様の意見の「量」と総合満足度・他者推奨意向への「寄与度:質」の両面から強み・課題を炙り出す「優先課題図」というフレームワークです。

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文章解析AIを活用したVoC活用ダッシュボード「アイタスクラウド」ではこの優先課題図をダッシュボード形式でご提供しています。どんな意見が多いのか、その意見はポジ・ネガなのか、CS・NPSへの寄与度は高いのか、を即座に理解できます。

毎月のCS・NPS調査の結果をアイタスクラウドにアップロート頂ければ、「今月は何が課題?」「先月の施策の効果は出たかな?」といったVoC起点でのモニタリングが可能となります。

VoC活用によりNPSが11%上昇した事例も

実際にアイタスクラウドを導入いただいた企業からは以下のようなコメントを頂いています。フリーコメントとして記載されたVoCを活用し、サービス企画のPDCAにご活用頂いたことで、NPSが11%上昇するなど、ユーザーファーストの実現に一歩近づいたと評価を頂いています。

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CS向上やNPS向上は単にスコアの世界の話ではありません。
何をすればユーザーは喜ぶのか、ユーザーは何を期待しているのか、について高い解像度で理解することで、個々の施策の精度だけでなく、経営方針にかかわる大きな意志決定の最適化にもつながると考えます。

「VoC経営」というとなんだか大事(おおごと)で新しい取り組みが必要のようにお感じかもしれませんが、既に実施されているCS調査やNPS調査のアップデートのような取り組みから始めることが効果実感(成功体験)につながり、VoC経営に関わるさらなる取り組みを誘発すると考えます。

AI・データアナリティクスでVoCの活用用途を広げる

このnoteではVoCの活用シーンの1つ目として「CS・NPSを高める鍵を具体的に理解する」ことについてお伝えしました。
いかに本音のVoCを集めるか、そしてそれをどのように価値化するのか。それこそがVoC経営の一歩であるというお話です。

「VoCのテキスト」というと分析・価値化がしにくいものとして認識されてきました。しかし、これまでは技術的に不可能と思われたことも、AIやデータアナリティクスの力で価値化することができるようになったのです。

つまりAI・データアナリティクスによりVoCの活用シーンが飛躍的に広がるというイメージを皆さんと共感できたらならとてもうれしいです。

次回はVoC活用シーンの2回目として「既存商品・サービス改善のヒントを得る」をお伝えします。お楽しみに!

以下、お願い、です。

是非、次回以降もこのnote連載「なぜ、いま、VoC経営なのか。」を楽しみにしていただけると幸いです(お仕事の繁忙度によりますが、週に1度の更新を目標に頑張ります笑)。

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では、また次回!

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