【サッカー育成の心理/物理学 Vol.4】ボールの種類と場所の大切さ
今回は「ボールの種類と練習場所」についてです。中々、技術までいけていませんが、引き続きお付き合い頂ければ。
この題材を取り上げたいと思ったのは自身の経験と元ブラジル代表選手との交流がきっかけです。
Jユースに入れたものの、高校1年次にインステップをしっかりと捉えられていたとは感じていませんでした。
その際にコーチから指導されたのが、1週間徹底して、インステップを個人練習として裸足で蹴り続けるというものです。
グラウンドが人工芝だったので、夏でしたが、日陰を選べば、問題なくできた記憶があります。
その特訓のおかげで、インステップでシンを捉える感覚を習得することができました。惜しむらくはもっと早くそうしたトレーニングを積めていればと感じたことです。(これはフィールド的素養と合わせて、ゴールキーパーの基礎技術でも言えることです)
※スポーツだけでなく、英語や数学でも同様のことが言えると、今思いました。この辺も取り上げます
また、元ブラジル代表にエジミウソン(2002年ワールドカップ優勝やバルセロナでのチャンピオンズリーグ優勝と華々しい経緯をお持ちです。)さんと言う方がいます。
彼が言っていたのは、自身の経験から「ボールの種類」や「練習場所」が彼の成長において重要な役割を担ったそうです。
グラウンドは凸凹の土や体育館、ストリートやビーチであったし、ボールもサッカーボールだけでなく様々な種類を扱ったそうです。
そうした感覚が彼のサッカー人生の基礎になったという事で、自身の得た経験とレベルは全く違いますが、リンクしています。
では、まずボールの種類から見ていきます。
■ボールの種類
・サッカーボール
当たり前ですが、サッカーボールがまずあります。但し大きさは3号(就学前向け)、4号(小学生)、5号(中学生以上)とあります。
個人的に感じるのは、小学校低学年の子どもたちに4号の検定級(公式戦で使えるボール)は「重すぎる」ということです。
重いため、飛ばないですし、股関節への負担が大きい、ボールが顔面や頭部に当たった時の衝撃が強いと言えます。なので、練習時には軽量級で練習するのが、良いと考えています。また、個人練習であれば3号で十分と言えます。
この後のボールに関連するのですが、いかにボールが大きくなったとしても、シンは中心部なので変わりません。負担の小さいボール、3号球で十分だと感じます。軽量級やおすすめの3号球のリンクを貼っておきます。
・フットサルボール
サッカーボールに比べて、バウンドしないのが特徴です。少し重さがあります。小学生が3号球、中学生以上が4号球を使用します。
小学生低学年の子どもたちには3号球でも重いと感じます。重さは足腰への負担に繋がりますので、個人的には体育館であったとしても、
先に挙げたMIKASAの3号球で十分かと思います。
・テニスボール
主にリフティングの練習に使えます。ボールが小さければ小さいほど、シンをしっかりと捉えないと、コントロールできません。
小さいボールでできれば、大きなボールへの移行ハードルは低くなります。裸足でリフティングをする(家での軽い練習になると思います)のが、感覚を養うのに良いトレーニングです。
・小さいゴムボール
遊びの野球用の小さいゴムボールも家トレに繋がります。そもそも裸足でボールに触れることで靴を履いた状態よりも繊細な感覚の養成に繋がります。
テニスボールですと他のモノに当たった時、破損の恐れがありますが、ゴムボールであれば、リスクを下げられます。
また多少ボールの勢いがある状態で、テニスボールだと単純に痛みがありますが、ゴムボールであれば、トレーニングの強度を高められます。
ボールを軽く投げてボレーを行うことができます。現在の子どもたちは外遊びが減って、空中のボールをキャッチするのが苦手だと聞いたことがあります。
落下地点を読む、要はボールの軌道を感覚的に計算する能力をいかにあげられるか、日々の生活と関連しますので、コーチよりも家庭の役割だと割り切った方が良さそうです。
ヘディングは子どものうちにはさせないという現代の流れがありますが、いずれしないといけない(ルールが改正されれば、廃止もあるかも知れません。)のであれば、ゴムボールで当てどころを知っておくと言うのは負担が少なくて済みそうです。
・もう少し大きいゴムボール
我が家で使っているのは完全に同じではないですが、大きさや素材(ゴム)が近かったので、リンクを貼りました。
こちらもモノの破損は硬くないので、下げられますし、足への負担も小さいです。主にリフティングの家練習です。
跳ねる分、蹴らずに当てるという感覚が養えます。ただ、ボールの摩擦が大きいので、ドリブルにはあまり向いていません。
・硬めのサインボール
1号球とも呼ばれ、小さいボールです。
家で足でこねる、移動の際にドリブルするなどの用途で使えます。硬さがあるので、モノが壊れる可能性がありますので、そこは気を付けながら。
フェイントの練習などでも使えます。
次に練習場所に触れます。
■練習場所
・グラウンド
天然芝、人工芝、土などがありますが、日本の学校や公園のグラウンドは圧倒的に土(砂)ですし、どうしてもすり傷が絶えません。
先日、内田篤人さんと川島選手が対談した動画を見ましたが、日本のゴールキーパーの課題はコーチと場所の問題であり、この2つの解決にはもう少し時間が掛かりそうです。
裸足の重要性を説いていますが、土だと難しいですね。どろんこサッカーであれば、可能ですし、良いトレーニングになりますが、親御さんの負担が大きいと言えます。
・体育館
比較的、日本ですとこうしたハードが揃っていますが、一方でバスケやバレー、バトミントンなどとの競技との場所の争奪戦が課題です。
フットサルは限られたスペースでアイディアとテクニックで勝負する非常に良いスポーツです。
川崎フロンターレのレアンドロダミアン選手やロナウジーニョ、多くのブラジル人選手はフットサルもしっかりやって、技術を高めています。
育成でも積極的にフットサルをやって欲しいと思います。また、裸足のトレーニングをするのに体育館も良いですね。
・ストリート
公園のコンクリ部分になります。転ぶと痛いので、転ばないでボールを扱うテクニックのトレーニングになります。
ただ、日本ですと、こうした場所でサッカーなどの球技が禁止されいるケースが多いです。南米の様に、空き地で幅広い年齢層が交わるサッカーで
多くのことを本来は学ぶことができます。
・ビーチ(砂場)
ビーチサッカーはグラウンダーだとボールが止まる分、浮いたボールのテクニックを養えます。また、裸足でやるのも特徴的です。
下が柔らかい分、足腰のトレーニングになります。
・家
住宅事情から一軒家とマンションではやれる練習の内容や強度が異なります。ボールを弾ませないなどの工夫が必要ですし、モノの破壊に気をつけねばいけません。
いかがでしょうか。ボールも場所も組み合わせにより無数に広がりますし、適した練習内容の選択が必要です。
特に「ボールを裸足で扱う」「少し浮いたボールで空中の感覚を養う」「フットサルやビーチサッカーを楽しむ」と言うのは、親御さんに意識して欲しいポイントです。
ちなみに私が好きな風間八宏さんの書籍では、あえて裸足でどこでボールを扱えば良いかを説明しています。是非、ご覧ください!
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