マガジンのカバー画像

蒸発紀行〜東京から京都へ歩いた話〜

3
東京から京都へ徒歩で向かった時の話です。 失踪するように始めたこの旅を【蒸発紀行】と呼ぶことにしました。 当初は私小説としてKindleで出版しようとしていたのですが、本格的な縦…
運営しているクリエイター

記事一覧

①東京から京都へ徒歩で向かった話 【蒸発紀行 1〜2日目】

①東京から京都へ徒歩で向かった話 【蒸発紀行 1〜2日目】

プロローグ気づけば上京して6年も経っていた。

惰性的にその日暮らしを続け、理想への情熱も薄れ、無気力な日々が続いていた。

何度自分に呆れただろうか。
今日もまた、いつものように無意味な自問自答を始める。

28歳の僕は東京生活を食いつなぐために勤めていたバイトを辞め、住みなれた東京に残りたいという浅はかな動機から消費者金融で10万円を借りた。

そしてその後もまともに働く気が起こらず5月中旬ま

もっとみる
②東京から京都へ徒歩で向かった話 【蒸発紀行 3日目】

②東京から京都へ徒歩で向かった話 【蒸発紀行 3日目】

▼前話(1〜2日目)はこちら▼

3日目・奇跡のトリップ体験戸塚のホテルで目覚める。

天気だけでなく、昨晩までの鬱蒼とした気分も晴れていた。
足の痛みも随分と引いていた。
幸先は良い。

荷物はもともと10kg強だったが、これが何日も続くとなると体が持たない。1日目のように後半から極端にペースが落ちる可能性を考慮し、悩んだ結果2kgのテントとキャンプ用マットを手放すことにした。

長距離の歩行旅

もっとみる
一旦、連載中の紀行文から離れようと思う。

一旦、連載中の紀行文から離れようと思う。

蒸発紀行。

かつては「最後まで歩けたら達成感すごいだろうな」という好奇心で始めた15日間の徒歩旅。

今では「最後まで書けたら達成感すごいだろうな」という好奇心で始めたノンフィクション小説。

想定通りだが、執筆のモチベーションが途切れ途切れになっている。

正直、ここ数週間は手をつけていない。

紀行文を楽しみにしてくれている人がいるかどうかはわからないが、また熱が湧いて来るまでこの紀行文の連

もっとみる