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Yellow Mellow Magic
高速道路を走らせる車の中で歌ってた
大声で吐き散らすラップは、まるで鎮魂歌だった
クラッシュしても構わないと、アクセルを踏み込めばハンドルを握る手は汗ばんだ
まるで往年の総合格闘家
ピッタリケツに張り付くバカ野郎、モーテルの看板を横目にスピードはピーク、さっき抱いたばかりの女郎の匂いを置いていく
「『十分』と『充分』の違いは分かるか? 分かんねェのか? 知らねェなら、勉強が必要だ」
上
*arionette
金縛りのように少女のダンスが目に焼き付いた。
タネダは楽器を弾かない。弾かずに弾いているように見せ掛ける事にかけては、習熟の度合いを日増しに増している。
今池の夜に、まだ平日だというのに、ヤスオは錠剤など齧っていた。
「おい、ヤスオ君はよォ、そういうのもうやめんじゃねェのかよ。ポリポリリーマンが食ってるヤツじゃねェんだからよ」
「何だよ、それ、コーラと混ぜたらシュワッてなるヤツかよ」
「
Infinite reproduction
受話器を放り投げた途端に変容。赤い受話器は放物線を描いて落ちていく、捻るような力で回転するため、背面がのぞく、プラスチックの表面に朝日が反射して光ってみえる、コードがらせん状に動いているのが意識される。
配管勤務に日々の明け暮れ、自分が或る通過儀礼をクリアしてないんじゃないか、と思って、思い返してみたりする。
概念的に三人いる自分が悪意を持った存在に接触、しないように、暫定的に制限された行動の
God knows...
もう3時間近く、恋人のクルミに付き従って郊外にあるアウトレットモールでさまよっている。
片っ端からアパレル店に立ち寄っては、多種多様な衣服を試着するクルミに付き合うのにも、そろそろ疲れてきていた。
恋人のクルミは幼い顔立ちをしていたが、均整のとれた体型と化粧によって、大人びた着こなしもよく似合った。僕自身は女性のファッションにはさほど関心がないので、本人が気に入りさえすればそれでいいと思うのだ