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ジブリとコロナ時代

スタジオジブリの「ジブリ」って何だろう。とふと思った。
調べてみると、「GHIBLI」とはサハラ砂漠に吹く熱風の意味を持つイタリア語から来ているという。
日本のアニメーション界に「熱風」を。
そんな、思いを込めている。

このコロナウイルス渦中で、どんな熱風が起きるのか。
https://theater.toho.co.jp/toho_theaterlist/ghibli2020.html
「一生に一度は映画館でジブリを。」
この取り組みについて全力で乗っかった私の気持ちを綴る。

まず、多くの作品の中から選ばれた4作品。
「風の谷のナウシカ」「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」「ゲド戦記」
この4作品の共通点を考えるとどうしても「生死」を抜きには考えられない。


『風の谷のナウシカ』

腐敗が進む世界を懸命に生きようとする少女の物語
この中で特筆すべきは人間が起こした腐敗、怒り、過ちとそれを浄化し守る自然
ナウシカは、この2者に対し中立であった。

『もののけ姫』

村を守り代わりに祟りをもらった少年が自分の呪いを解くため旅に出て行く物語
「生きる」ことを常に考えさせられる。
人間が生きるために山を切り崩す
もののけが生きるために人間と戦う
ナウシカの自然と共存する物語との対比で問題提起がより複雑化して思いを巡らせる

『千と千尋の神隠し』

知らない世界へ迷い込んだ少女が人間界へ戻るまでの奮闘記
この映画では、様々な欲と向き合う場面が出てくる
結局欲にかられた人の末路はどうだったか。

『ゲド戦記』

ある日父親を手にかけてしまった少年と大賢人ハイタカの世界の混沌を正す物語
特に何かをされたわけではない。
日々の薄暗い心の沼のようなものが次第に心を蝕む。
自分自身のその部分に向き合う力、それを問われる。
暗闇も光も私の大切な一部なのだ。

この4作品をどの順番で観るのかもこの企画の大きい魅力だ。
全体を通して思うのは、今の自分の環境と周りの環境、それを見定める力。
世の中は今暗いトンネルの中。
先の見えない中で本当にこのまま進んでいったら出口が見つかるのか、それすらもわからない。
我々に今課せられているのは、時代に迎合することでなく
生きることに対し常に前向きであること。
自分に対し、相手に対し、きちんと向き合うこと。
暗闇にのまれて自分を見失ってはいけない。

こういう時だからこそ、改めて「映画館でジブリを」観て欲しい。



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