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荒木博行さんの「自分の頭で考える読書」を読んで、【オレ流 読書スタイル】をまとめてみた


荒木博行さんの「自分の頭で考える読書」(日本実業出版社 2022年初版発行)を読みました。

▶︎はじめに

この本は、いわゆる読書術や読書を仕事にどう役立てるかと言うハウツーが書かれた本ではありません。

この本の冒頭で著者の荒木さんが次のように書いています。

本との付き合い方は人や場面によって異なる

本の内容を無条件に呑み込むな懐疑せよ

読後は自分で考えた問いを立てることが重要だ

はじめにより抜粋

逆に、読書に対するこんな先入観や常識を独自の切り口で壊してくれた本でした。

本を読んでその通り実践しよう

本は隅から隅までもれなく読みなさい

本を読んだら、すぐに実行に移しなさい

元々、自分のように読書に対して比較的ライトに付き合っている人間は、荒木さんの考えは非常に賛同する部分が多く、刺さる言葉も多かったのですね。

と言うことで、今回は本書に登場した「刺さる言葉」をピックアップしながら、「自分自身の本との付き合い方」を紹介していきます。



▶︎本を読むきっかけは「越境」から

何を隠そう、私が本を読み始めたのは、2年ほど前のことで、それ以前は恥ずかしながら本を読むと言う習慣はありませんでした。

そんな私が本を読み始めたきっかけは、沢渡あまねさんの本「話が進む仕切り方」を軽い気持ちで購入したことに始まります。

「話が進む仕切り方」には、組織変革・業務改善・組織のコミニケーションさらにはリーダーシップに関わる内容が書かれてありました。

この本に触発された私は、2ヶ月後に開催される。「ダム際ワーキング越境体験ツアー」に申し込み、沢渡あまねさんご本人に会いました。

それ以来、本を読んでは仕事で実践しnoteでアウトプットすると言う習慣が始まったのです。



▶︎読む本のテーマ

私の本棚を見て頂くと分かりますが、読む本のテーマは以下の感じです。海外の人が書いたいわゆる「ザ・ビジネス本」は何故か買いません(笑)

①情シス関係の仕事に直結するテーマの本
 DX、デジタル人材育成、生成AI、要件定義、Scrumなど

②組織変革や業務改善に関する本
 ブランディング、リーダーシップ、マネジメントなど

③その他
言語化、図解化、プレゼン系の解説本

ワタクシの本棚の一部です

▶︎オレ流「本との付き合い方」

私は本を読んだら、noteに読書感想文を書きFacecebookやXで告知します。

noteに書く内容は単なる感想文ではなく、情シス部門の地位向上や組織変革など、自分自身が取り組んでいるテーマとリンクさせて書くように心掛けています。

評論家のような、本の批評や要約だけであれば、私が書く意味はありませんからね。

私にとって本は、知識や経験の埋め合わせよりも、同じ関心事を持つ人と繋がるきっかけ作りや、さらに共感の輪を広げるためのツールの一つと言っても良いでしょう。

さらに、著者の方とも直接お会いして話をするようにしています。

「定年前と定年後の働き方」と言う本を書かれた法政大学の石山教授とも実際にお会いして話をすることで、本に対する愛着と理解がさらに深まりました。



▶︎「自分の頭で考える読書」を読んで


※ある方のSNSを見てこの本を知りました。自分がどんな本を読むかのモノサシは【同じ価値観を持つ人がオススメしたから】のようです


そんなきっかけで手に入れた本書の中身を紐解いていきましょう。

「変化の時代に、道が拓かれる本の読み方」
これがこの本の副題です

まさに変革が求められる今の時代に必要なモノの考え方を、本や読書と言うフィルターを通して表現した本と言えます。

全編に渡り共感する内容が多く、印象に残る言葉も多かったのですが、特に印象に残ったワードをご紹介します。

①過去を抽象化しよう

・VUCAの時代、過去を抽象化する力を付けよ
・怠惰な抽象化にならないように注意せよ

本書の序章で、荒木さんは変化が激しい時代には、過去の経験に照らし合わせるだけでは答えが出ない。

そこで過去の経験の中から大事なものを抽出して本質を見出し、未知の世界に生かす「過去の抽出化力」が大事だと述べています。

しかし、この過去の抽象化は非常に難しく、豊富な経験や知識の幅が必要なので、それらを補うために本を活用するのが効果的だと書かれています。

それっぽい思い付きや浅い経験だけによる抽象化は「怠惰な抽象化」であり、時に新しいアイディアを潰してしまうことがあるので注意が必要です。

「ネット記事読んだ?どこにも書いてないよ」
「俺も昔同じ事で失敗したからやめとけ」

こんな怠惰な抽象化にならないよう、具体的な事実や言語化プロセスを本や対話で補うことが必要だと思いました。


コンテクストを意識して本を読もう

・本は読む状況により印象が変わる
・コンテクストを意識して本を読もう

本を読むタイミングや場所などと言った状況や文脈を「コンテクスト」と言い、本書でも、本の内容(コンテンツ)だけでなくコンテクストを意識して読書する「コンテクスト・リーディング」を紹介しています。

本を読むたびに印象に残るポイントが変わるのも、コンテクストが異なるからなのです。

私はワークショップに参加する前後に本を読むことが多いのですが、確かに前と後では印象に残る箇所や言葉が違うことに気付きました。

ワークショップ前は、自分のアイディアや議論するテーマを考える(真似する、ヒントを得る)ために本を読むので、気になったキーワードを中心にサッと読むことが多いです。

逆にワークショップ後には、話題になったテーマを振り返り、具体的な活動に繋けるためにその部分をじっくり読むことが多くなります。

この「北欧のスマートシティ」と言う本は、ワークショップのディスカッション用に購入した本なのですが、ワークショップ後は視点を自分事に置き換えて、今、自分が働いている地方都市の課題解決のヒントを探るために読み直した記憶があります。


▶︎オレ流 読書プロセス


読書は、ビジネスや変革の一部(インプット)に必要な要素であり、以下の様なプロセスに組み込まれている感じです。 


1️⃣アクション
アムロ流で「まずやってみる」。やったうえで見えた修正点をネットや本からインプットする

2️⃣インプット
ネットや本を読んで理解を深めて再度アクションする。これを繰り返す。

3️⃣アウトプット
読後やアクションを起こした後にアウトプットする。感想だけでなく次どうするかの宣言も。

4️⃣シェア
最後に関心事を同じくするコミュニティや組織ので共有する。さらに対話することで両者が発見と気づきを得る。


最後に「オレ流 読書プロセス」をやりきるために実践すると良いオススメの読書スタイルを紹介します。


▶︎オレ流 読書スタイル①
 〜既知をリマインドする


本に対して答えだけを求めてはいませんか?

本に対して「自分が欲しい答えだけ」を求めようとするとギャップが生じてしまいます。

第2章では、ビジネス本には問いと答えが必ず存在すことを前提に「どんな本を選ぶべきか」について書かれています。

どんな本を選ぶかを迷った時は、以下の3つの中から選ぶと良いでしょう。

1.問いを見つけるための本
2.答えを見つけるための本
3.既知をリマインドするための本

本書 第2章より抜粋

大切なのは、必ずしも本の中に自分が求める答えがあるわけではないと言うことです。

私が本を選ぶ時のポイントは「既知のリマインド」かもしれません。

仕事をする中で「頭ではわかっていても実践するとうまくいかないこと」を何とかしようとして、本を購入したり本を読み返すことがあります。

そこには明確な答えはなくても、大切なことをリマインドさせてくれる本の存在があるのです。

リマインド率No.1はこの本です
「バリューサイクル・マネジメント」

▶︎オレ流 読書スタイル②
 〜アムロスタイルでまず行きます!

何か新しいことにチャレンジする時に「事前に本やマニュアルで勉強をしなければ不安だ」と言う人がいますが、私の場合は逆です。

本を読む前に、まずやってみます。

本書の第3章では、このようなインプットとアウトプットをの順番を逆にした「アウトプット・ファースト」的な読書スタイルを「アムロ読書法」と表現しています。

荒木さんは本書で、本をたくさん読む「本の虫スタイル」も悪くないが、まず先に行動やアウトプットを起こす「アムロ読書法」の方が成長スピードや能力開発を早めることができると書いています。

アムロ読書法
機動戦士ガンダムのアムロ・レイは、モビルスーツの操作方法を学習する前に必要に迫られガンダムに乗り込み操縦した。これによりアムロはモビルスーツを操縦するという高い能力を他の人より圧倒的に早く身に付けることが出来た。

機動戦士ガンダムの第一話。16分あたりでアムロが初めてガンダムを操縦し始めます。


▶︎オレ流 読書スタイル③
 〜スマホ片手のゴロ寝スタイル


どんな場所でどんな時間に本を読みますか?

私は主に休日、スマホ片手にゴロンと寝ころびながら読むことが多いです


極めてリラックスした状態で読みます。

最近は本を読みながら、同時にスマホの音声入力でnote記事を書くスタイルが増えたため、カフェなど人が多い場所ではやりにくいというのが実際のところです。

ダム際ワーキングのような開放的で人が少ない屋外であれば、本を片手にコーヒー飲みながら、イヤホンの音声入力で原稿を書くことはできます。

ダム際で読書するの図


このスタイルが心地良いのは、もうひとつ理由があります。

それは、図書館や会社の仕事環境と同じような、ちゃんとした環境や姿勢で本を読むと、「最後まで読まなくちゃ(完読の病)」「まだあの本読んでない(積読の病)」「何とかこの本の内容を成果に結び付けよう(コミットメントの病)」などという「読書の病」にかかってしまうかもしれないからです。

少し不真面目なスタイルで本を読むことで、上記のような読書の病にかかることなく、さらにその本に没入しすぎることもなくなります。

この絶妙な距離感を持ちながら読書と接することも、大切なことだと本書にも書かれています。

夏の読書スタイルはコレ

最後まで読んで頂きありがとうございます。

最後に、noteで公開中の「読書感想文」のリンクを張りますので、興味があれば読んで下さい。

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