「ジュエリーと街 ラーニング」参加者募集|東京ビエンナーレ2023
東京ビエンナーレは、東京のまちを舞台に2年に1度開催する国際芸術祭です。今年後半に開催が予定されている「東京ビエンナーレ2023 リンケージ つながりをつくる」——その要となるプロジェクトのひとつ、「ジュエリーと街 ラーニング」がいよいよ始まります。ただいま参加者募集中!
エントリー締切は2023年3月31日(金)です。
※こちらの参加者募集は、3月31日をもちまして締め切りました。たくさんのご応募、ありがとうございました。
クリエイティブディレクターは、無印良品、パルコなどの広告を⼿掛け、昨年⽂化功労賞を受賞した⼩池⼀⼦氏
ジュエリーや装⾝具は、⼈間に⼀番⾝近なクリエーションの⼀つであり、⽣活に⾝近なアー ト(art for living)であると⾔えるでしょう。⼀⽅で現在、ジュエリーを取り巻く環境は、 ⽯の枯渇、鉱⼭の閉鎖、⽯をめぐる紛争など多種多様な問題が起きており、私たちはいまいちどジュエリーへの向き合い⽅を考え直すべき過渡期を迎えています。
欧⽶では古くから根付く「ジュエリーを受け継ぐ」⽂化も、⽇本ではまだまだ⽇が浅く、 実はジュエリーを持っていても⾝につけずにタンスにしまったままの⼈⼝が多いと⾔われます。とある調査によれば、⽇本の20〜60代のジュエリー保有個数は平均10.4個。なかでも50 〜60代のジュエリー保有個数は13.7〜14個と他の年代を上回り、多くのジェエリーを保有していることがわかります。しかし、使わなくなったジュエリーを「しまっておく」⼈も多く、約半数にのぼる45.1%がタンスや棚にしまったままにしています。
ご家族から受け継いだ装飾品や、かつてご⾃⾝へのご褒美として購⼊したジュエリーなど、家に眠っている思い出の品を、「ジュエリーと街 ラーニング」で⽣まれ変わらせて、 次世代へつないでいきませんか?
「ジュエリーと街 ラーニング」について
御徒町から外神⽥の街並みにジュエリーの専⾨店とその職⼈を訪ね、貴⾦属や宝⽯の多様性を学びながら、家で眠っている古い装⾝具をコンテンポラリー・アクセサリーに⽣まれ変わらせたり、新たなアクセサリーをつくったりする。「ジュエリーと街 ラーニング」は全5回の講座とプログラムを通じて、参加者⾃⾝が⾏動し、学んで楽しむ参加型プロジェクトです。参加者が考えたアクセサリーのアイデアは、御徒町のジュエリー職⼈や東京藝術⼤学の学⽣など、多くの専⾨家がサポートして完成させます。
活動は2023年3⽉から段階的に進⾏し、完成品とその成果を「東京ビエンナーレ2023」において展⽰や発表することも予定しています。年代や経験問わず、広く参加者を募集しますので、オンライン事前説明会の動画をご覧の上、こちらの応募フォームからお申し込みください。
参加者募集の概要
活動スケジュール
ジュエリーの街・御徒町
宝飾品の街として知られる上野・御徒町のルーツは江⼾時代まで遡り、徒歩組と呼ばれる下級武⼠が内職として象⽛や珊瑚、銀などを使った仏具をつくっていたことに始まります。明治の中頃には廃仏毀釈の流れにあって、これらの仏具屋は次第に⼩間物屋や⾃転⾞の組み⽴て⼯場と⼊れ替わり、第⼆次世界⼤戦後のモーターリゼーションの進化と共に⾃転⾞⼯場が姿を消すと、代わって⽶軍の兵⼠が時計やアクセサリーの売買を始めます。
アメ横のバックヤードとして時計の修理と仲買の店が増えた御徒町が、名実ともにジュエリーの街となったのは、昭和30年(1955)から始まった⾼度経済成⻑後のこと。そして昭和40年代に⼊ってようやく、⼀般家庭でもジュエリーが広く買われるようになったことで、それまで副業的に ジュエリーを取り扱っていた時計屋が本格的にジュエリー産業に乗り⼊れ、御徒町は次第に ジュエリータウンとなっていきました。
小池一子からのメッセージ
古来⼈々は⽣きることに喜びを⾒出し、その表現に⾃らの⾝体を飾るアクセサリーを作り出してきました。ある時は亡き愛する⼈への思いをこめ、ある時は⺟から娘への贈りものとして⽣まれる装⾝具もあります。かたちに現れる装⾝具の素は、貴⽯、宝⽯、⾦、銀などさまざまにありますが、それらを揃えるだけでなく、個⼈の好みにあわせてつくることを⼿助けしてくれる街があります。
上野御徒町から外神⽥へ、さまざまに専⾨を極めつつ構えられた店、店、店のカウンター の内側の⼈々と、東京ビエンナーレを機会に何かをつくり出したい⼈々が出会うプロジェクトが始まります。 クリエイト・リンケージ・プロジェクトと名づけられた企画で、「つながりの創造」をよびかけます。
リンケージはまず、街・店の⼈とクライアント(依頼⼈)の出会いから⽣まれる横のつながりを ⽣みます。そしてクライアントが、たとえば祖⺟の形⾒の指輪をペンダントにするという計画を 持って参加されるなら、私たちはそこに縦のリンケージを発⾒することになります。アーティスティックな⾃⼰表現を、まず⾝近な装⾝具でつくりだして、東京ビエンナーレという催事の参加者になりませんか?
東京ビエンナーレ2023 は、東京の地場に根ざす美の祭典です。