#627 今日で『花ぐるま』読了です!
今日で『花ぐるま』読了です!一気に最後まで読んでいきたいと思います!
杉田先生の家に突然「書生になる」と押しかけて来た力造さん。さて、その後、どうなったのでしょうか…
結納も済んで阿梅と美佐雄とはいよ/\その内に婚礼する事と定まりました。
えっ?力造さんとお梅さんが結ばれるハッピーエンドじゃないの?w
それを眼前[ガンゼン]に見聞[ケンモン]して居るのが力造です。阿梅の性質のかしこそうな処ハいよ/\あり/\と力造には見えます。また阿梅は(気の故[セイ]か知らん)よく力造を敬[ケイ]します。兄が居ぬ時はよく書物の質問を力造に為[シ]ます。それで阿梅の書物についての不審は兄の居ぬ時に多く有るやうです。
こゝで力造が先夜[センヤ]の美佐雄の事をのこらず打明けて仕舞ッたなら…
しかし、儘[ママ]にならぬが浮世!にくらしい呉服屋は嫁入着物[ヨメイリギモノ]を持ッて来ます。気障[キザ]な近処[キンジョ]の人は顔を見るともはや御愛度[オメデタ]を言ひます。
その内に美佐雄が杉田の家[イエ]に来ました、今日は杉田兄弟の両親は真砂町に居ず、此[コノ]弓町の方に居るといふ事ゆゑ。それで力造は取次[トリツギ]をしました。取次をしてその人の顔を見れば自分に馬鹿なことを頼んだ人です。
「あれから直[スグ]に御帰[オカエ]りになりましたか、先夜[センヤ]梅本から貴君[アナタ]は」。
人が揃ッて居る処での力造のこの打明[ウチアケ] ー たぢろぐ美佐雄の返答﹆かはる美佐雄の面色[メンショク]!何か子細は知らぬながらも小気味[コキミ]よさそうな杉田素清のじッとの見詰[ミツメ]﹆ならびに阿梅の横向[ヨコムキ]の微笑[ホホエミ]!
これから幾日[イクカ]経ッても婚礼ハ有りません。阿梅はやはり処女で居ます。素清ハ力造を褒めて居ます。老人夫婦もいつか力造の勉強好[ズキ]なのに感心して来ました。阿梅は?やはり質問を力造に為[ス]るのをたのしみにして居ます。
代言人[ダイゲンニン]試験が有ッて、それを受けたら力造ハ美事[ミゴト]に及第しました。素清はじめ老人夫婦さへ骨肉のものゝやうに喜んで、ことに阿梅は手製の綵花[ツクリバナ]を力造に与へて之を喜びました。
阿梅は何処へ片付きましたらう。力造は誰を妻としましたらう。あながち区役所の帳面を見に行[ユ]くにも及びません。たゞ注意すべき事ハ老人夫婦も力造を気に入ッたことです。跡[アト]は慧眼[ケイガン]の読者の御推察に御任せ申します。
花ぐるま終
というところで、『花ぐるま』読了です!
最後、一気に畳みかけてきましたけれど、「いやいや、これからが本番だろ!」ってところで終わっちゃいましたね…
真面目で妄想する書生の力造さん、女たらしの美佐雄さん、旧時代の思想に翻弄されるお梅さん、まるで「この話の続きは『浮雲』を読んでください!」って感じですね…
さて、このあと、どうしましょうか…
それに関しては…
また明日、近代でお会いしましょう!
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