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年末年始の休みに巻き起こった、漫画を巡る冒険。予想外の刺客はパソコンだった。『デタラメだもの』

え? 1月って、あった? もう2月よね? 時が経つの、早すぎん?
歳を重ねると時間が経つのが早いなどとはよく言うが、これほどまでに納得させられるものは他にはあるまい。学生の頃は、週末の休日が来るのを心待ちに耐えていた平日も、今じゃあっと言う間。かと言えば、週末だってあっと言う間。そりゃ、一年も早く過ぎ去ってしまうよね。

それを証明する出来事が、今年の正月に起こったもんだからたまらない。まさか、漫画をきっかけに、時の過ぎ行く早さを思い知らされるなんて。

元来、漫画を好んで読むタイプだった。ところがどっこい、日々が忙しくなるにつれ、漫画を手に取る時間もなくなり、すっかり話題の漫画にもついていけなくなった。だがしかし、何を隠そう、漫画が好きなのだ。なので、本屋に立ち寄れば、読む時間もないのに、漫画を買い溜める日々。実に悲しい。

年末年始の休みにはまとまった時間が確保できるだろうと、一昨年から去年にかけての正月(2019~2020)に、読みたい漫画を買い溜めた。東京リベンジャーズ、約束のネバーランド、鬼滅の刃。徹夜してでも全巻読破してやる。そんな意気込みで休みを迎えた。

がしかし、現実というのはそんなに甘くない。正月休みといえど、入ってくる仕事は入ってくる。急な所用だってあるし、落ち着かせてはくれない。数えるほどしかない正月の休日が、あれよあれよと過ぎ去って行く。

そして、気づけば東京リベンジャーズの10巻を読み終えたところで、休みは終わってしまった。当時、15巻が最新刊だったはずなので、残り5冊を読み終えることなく、慌ただしい現実へと強制送還されたわけだ。

鬼滅の刃に関しては1巻だけ読めた。約束のネバーランドに関しては、1巻たりとも読む時間がなかったので手つかずのまま。グスン。この世の中は、漫画すらまともに読ませてくれないのね。グスン。

さぁ。そして迎えた今回の年末年始の休み。要約すると、リベンジというやつだ。前回の敗因分析は完璧。休みというやつは、「まぁ、時間があるだろう」と高を括っていると痛い目にあう。休みといえど、時間と真摯に向き合い、ストイックに過ごさねばならない。じゃないと、勝てないわけだ。

あれから時は経ち、東京リベンジャーズは最新刊が20巻。約束のネバーランドと鬼滅の刃の刃に関しては、既に連載が終了している。今回の休みこそは、全巻読破してやる。そう心に誓い、コミックを買いに出かけた。

そこでまずブチ当たる。うそやん? 売ってなくない?

そうなのだ。自宅で過ごす時間が長いこのご時世。漫画を読む人口も増えているのだろう。ましてや、映画のヒットやテレビの特集などから、漫画を買い求める人口が以前よりも増え、コミックが売り切れになってしまっているのだ。

おいおい。正月休みに漫画を読破する意気込みに水を差すなよ。とボヤいても嘆いても無駄。書店にないものはない。インターネットで検索しても、全て売り切れ。今年は呪術廻戦も買って読みたかったのに、呪術廻戦にいたっては、全巻売り切れの惨状。

しかし、そんなことで諦めていられない。絶対に読破してやるんだ。その熱意が身体を突き動かし、休みに入るまでの間、近隣の書店などを巡り、これらの漫画が売っているところがないか探し回った。

書店の棚に全巻が揃っているケースは皆無。14巻と17巻だけが奇跡的に残っているといった具合に、パズルのピースをはめて行くが如く、血が滲む努力で買い揃えていった。正月休みに間に合えばいい。それまでに全巻を買い揃えられればいいんだ。頑張るしかない。

努力の結果、東京リベンジャーズは最新刊まで、約束のネバーランドと鬼滅の刃は全巻、買い揃えることができた。残念ながら、呪術廻戦だけはあまりの人気から、売られているところがなく、飛び飛びで数巻だけしか入手できなかった。まぁそれは仕方があるまい。3つの作品でこの正月を満喫してやる。

いやはや、年末年始というのは恐ろしいものだ。純粋無垢な漫画好きを放し飼いにしてくれるほど優しくはない。今回も今回とて、所用の波は訪れる。そしてさらに、あり得ないハプニングまでもが巻き起こった。

去年の9月にパソコンを買い替えた。デザインやら何やらの仕事も満足にできる上に、ゲームも快適に楽しめるスペックのやつ。自分へのご褒美ということもあり、奮発して購入した。

さすがに高いスペックだと仕事も捗る。息抜きにゲームも楽しめる。末永くお付き合いしていくことを誓ったパソコン。ところが、年末が近づくにつれ、度々不具合が起こるようになった。

仕事をしていると、途中でフリーズし、ウンともスンとも言わなくなる症状。急にシャイな性格になられたのかしらん? ウンかスンくらい言ってくれよ。頼み込むようにパソコンをすりすりしていると、しばらくして正常に動いてくれたりを繰り返していた。

そして迎えた年末の休み一日目。悲劇は突如として起こる。
何気なくパソコンを使っていると、いつもの如く、ウンともスンとも言わなくなった。「もう、またシャイになっちゃってからに」と、いつも通りすりすり(実際には、本体を強制終了させ、内部の精密機器のメンテナンスチェックをしたりと、復旧活動を行っていたのだけどもね)してみる。

え? ウンって言わない。スンも言わない。というか、起動さえしない。壊れた? 冗談よね? 買ってまだ3ヵ月程度よ。なかなかのスペックよ。ましてや年末よ。

そして気づく。年末年始の休みを利用して漫画を読むだけでなく、パソコンを駆使して、新たなことに挑戦してやろうと企んでいたこと。そして、年末年始といえど、やらねばならない仕事もいくつかあったこと。ところが――パソコンがお亡くなりになられた。どうしよう。どうしよう!

焦りに焦った挙げ句、年末にも営業しているパソコンショップを探し、同等のスペックを積んだパソコンがないものか尋ね回った。そして、奇跡的にひとつの店舗が見つかり、休みの早朝から車を飛ばして駆けつける。店内には条件に合うパソコンの在庫がひとつだけあった。すがる思いで購入する。いやいや、出費がエグいやろ……。

ともかく、パソコンは購入できた。しかし、パソコンというやつは買って終わりではない。買ったのち、セットアップという作業が存在する。仕事がこなせるように、ソフトウェアをインストールしたりだとか、各種設定を施したりだとか、とにかく時間がかかる。

しかし、それを経なければパソコンは使えない。そう思い、その他の所用の合間を縫いながら、セットアップを続けた。

無事、セットアップも終了。その時点で、年末年始の休みも半ばに差し掛かっていた。しかし、泣き言を言ってる場合じゃない。東京リベンジャーズと約束のネバーランドと鬼滅の刃が待ってるんだ。

よし、前回同様、東京リベンジャーズから手をつけよう。しかし、前回読み終えた10巻の次の巻からいきなり手をつけるのは芸がない。感動的なストーリーの作品だ。しっかりと没入したい。

そう思い、やはり1巻から読み直そう。もう一度、物語にドップリと浸かろう。再び読み始めた。うんうん、いい話だ。時に涙を流しながら読み進める。ほんとこの作品、素晴らしいわ。大好きだわ。

と、順調に読み進め、4巻を読み終えたところで、今回の正月休みは無残にも終わってしまった。時間切れ。現実へと強制送還される時間。

待てよ。前回の休みには10巻まで読んだよな。そして今回、続きとなる11巻から読むのも――と思い、1巻から読み直した。その結果、4巻までしか読めなかった。そう。前回の成績を下回ってしまったのだ。

改めて思う。歳を重ねるごとに、時の流れは早くなる。前回は10巻まで読めた。今回は4巻までしか読めなかった。もう、理解できるよね。次回は2巻までしか読めないだろう。それが歳を重ねるということ。薄々勘付きはじめたぞ。東京リベンジャーズ、約束のネバーランド、鬼滅の刃がどんな物語なのかを知ることは、未来永劫ないということに。

デタラメだもの。


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《3分後にはもう、別世界。》 『3分で読めるショートストーリー作家+広告クリエイター+マーケッター』の切り口で記事を執筆しています。広告企業勤め+フリーランスの兼業家。https://www.facebook.com/osakamoderndisco/