気軽にP活しませんか?
パン派とご飯派。
よく聞く言葉である。「朝はパン♪」というCMソングがあるように、おそらくこの2大派閥は、朝食時の炭水化物を争っている構図だと思われる。これは非常にわかりやすい構図で、あーだこーだと議論したくなる気持ちもわかる。しかし一度、考え直してもらえないだろうか。
そもそもこの2大派閥は、
「ワシは毎朝、アジの干物と白飯に味噌汁じゃあ! おいかあちゃん、どんぶりおかわりだ!」VS「ワタクシのところはハムエッグとバターたっぷりのクロワッサン、それとコーヒーですの。おほほ」みたいな、やや前時代的なステレオタイプをベースに、創作されたストーリーではないだろうか。
もちろん中には白米原理主義者や、パン至上主義の方々もいる。そういった過激派は別とするにしても、私は言いたいのだ。僕たち、もっと共存できませんか、と。
つまり、1週間のうち数日は白米、数日はパンを食べる朝食があってもいいんじゃないだろうか。その日の気分によって朝食を変えることで、新たな発見があるかもしれない。たとえば、「あれ? パンの日は不思議と『めざましテレビ』を観ちゃうなあ」とか、「やっぱり白米にはNHKの『おはよう日本』が合うよね」みたいに、生活に新風が吹き込む可能性もある。ほかにも、「大事なプレゼンの日はパン」「早く帰りたい金曜日は白米」のように、ゲンかつぎとして炭水化物を選択することもできる。そうして普段から両面待ちをしておくことで、旅行先のホテルの朝食がパンバイキングだった場合や、旅館の朝食がおにぎりビュッフェだったケースに備えられるのだ。
パン5、飯2
私自身で言えば、週のうちパンを5回、白飯を2回ていど朝食として摂る。どちらも美味しく食べており、パンの日は熱いコーヒー、白飯の日は熱いお茶を食後に飲むのが最高である。炭水化物×おかず×温かい飲み物という構図はどちらも同じだ。同量の満足感を得ることが出来る。
そんな、わりとパンの日が多い私だが、ここ半年ほど自分でパンを焼いている。ホームベーカリーを使って焼くのだが、これが本当に簡単で、せひとも紹介したいのだ。
私が使っているのは以下のホームベーカリーである。
この機種は生産中止してしまっているが、同程度の機能であれば2~3万円で購入することができる。
作り方は至って簡単で、
強力粉 250g
スキムミルク 大さじ1
砂糖 大さじ2
塩 小さじ1
水 180ml
バター 好きなだけ
イースト菌 小さじ1
これらをホームベーカリーにぶち込んで、ボタンをピッと押すだけ。4時間後には、家の中がリトル・マーメイド店内と同じ香りで満たされている。
この焼きたてのパンにバターを塗りたくり、ハムエッグとレタス、そしてコーヒーを用意し、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番を流しながら食べる。すると築66年の木造建屋の室内は姿を一変させ、ウィーンの街並みが窓の外に見えるのだ。語尾にザマスをつけたいところである。もちろん前時代的なステレオタイプなので、そんなことはしないのだが――。
***
これは、noteが公式で募集している「 #私の朝ごはん 」というお題があったので投稿してみた。不毛な論争に終止符を打つため、また、朝食では白飯派が多数を占めるこの国において、やや左寄りの社パン党議員である私は、ここらで声を上げたくなった。しかし私が望むのは戦いではない。対話である。同じ炭水化物というカテゴリーにいるのだから、ともに手を握り合っていきたいと思っている。
このnoteのどこかに、北朝鮮へ乗り込んだドナルド・トランプのように、友愛を志す仲間はいないだろうか。パン派と白飯派――。2者の間に立つ壁など、破壊してしまってかまわない。東西分断の象徴であったあのベルリンの壁も、結局は崩壊したのだ。多様性を認め合い、持続可能な社会を構築していく気概のある、リベラルなパンニスタ、もしくは白飯者(しろめしもの)の登場を、私は心から待ち望んでいる。
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