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塾に入るための受験があるんだ… 娘が大泣きしながら言った3つの希望【共働き中学受験日記】

のんびりゆっくりマイペースな娘がやってみたいと言った中学受験。大手進学塾がない田舎に育った私がまず驚いたのが、塾に入るための受験がある、ということ。入塾テスト勉強の最中、娘が泣きながら言った言葉とは…。

塾って入りたい人が入れるわけじゃないんだ。
近所で評判がいい少人数制の進学塾。そして2駅先の大手の進学塾に、見学と体験講座を申し込んでみた。3年生の秋から冬ごろにかけてのことだった。

私が生まれ育ったのは、大手の進学塾が1つもない(現在もない)地方都市。希望した塾にはお金さえ払えば入れるのが当たり前だった。しかし、都会は違った。一部の塾を除いて、塾に入るための受験があった。

あーーどうしよう。どこにも入れる気がしない。何から勉強させたらいいのかわからない。困った私は、受験経験があるママ友に相談した。すると、「夏と冬の体験講座で習ったことさえやっておけば大丈夫!」

なになに、体験講座に行かないと受からないということか。早速、体験講座を申し込む。体験講座も申し込み開始後すぐに満席。ライブチケットを取るかのような作業だった。なんとかその切符をゲットして体験してきてもらうことにした。

本命は、家から近い少人数制の塾。少人数制でまあまあ人気なので入りづらいのだが、私が仕事と両立させたかったのと、小2の息子の面倒もみる必要があるため、自分で行って帰れる場所にあるというのは大きかった。加えて、のんびりゆっくりの娘には、偏差値でクラスが分かれたり、難関校受験を良しとする大手の受験戦争は向いていない。のんびりだけど集中力が割とあるのと途中で投げ出さないという良さもあるので、個別に根気強く向き合ってくれる先生がいる塾のほうが良さを活かせるのではないかと考えたのだ。

さて体験講座の内容は…。ほとんど学校で習っていないことばかり。マイペースな娘は、楽しかったと話しているが、こんなに理解していないのにどんな風に楽しんできたのだろう。ハート強いな。鈍感なのかな。

入塾テストまでの1か月、ひたすら私が手作りのプリントを渡し、それを解いてもらうの繰り返し。娘は解けるようになっているのに、私のほうが不安になってしまい、問題集も購入してさらにやらせた。この時点で、うわぁ、私も受験の沼にはまりかけてるわぁと自覚はあったが、自分の生活にもかかわってくるので、どうしてもこの塾に入ってもらわないと困ると気持ちは焦っていた。

入塾テストが3日後に迫ったある日。普段、学童や習い事で忙しい娘の1週間に、ぽっこり放課後暇な日ができた。今日はテスト勉強できるからまっすぐ帰ってきてねと話し、私が娘よりも帰宅が遅くなる予定だったので置き手紙と学習プリントを置いて出かけた。

私が帰宅すると…。手紙もプリントも朝置いた場所に残っていた。娘はいない。どうやら学校帰りに友達と公園に直接行ったそう(一緒に遊んでいた同級生のママからの電話で知った)

力が抜けて怒りが込み上げてきたが、いやいやまだ小学3年生なんだから、遊びたいよね。と、心の中で、怒らないようにしようと念じながら迎えに行った。

なんとなくすまなそうに近づいてきた娘。わかってるのだ。約束をやぶったことを。

怒らないように怒らないように。念じる私。

そんな自分に、お友達のママが「受験するんですって?」と声をかけてきた。そのまま話を続け、中学受験なんてよくやるわねといったような小言をいわれて、私は苦笑い。聞けば、娘が、「受験するから〇〇中学と〇〇中学を見学にいったの」といろいろ話していたそう。中学受験には賛否あるし、教育への価値観は多様なので、まだ塾にも入っていない段階で他人に話すことでもないと思っていたのに…。

入塾テスト勉強から逃げる人が中学受験なんてできるわけがない。怒らないようにと念じていたのに、「もう塾入るのやめよう」と娘に言った。

すると泣き出す娘。

おいおい、塾行かなければ、好きなだけ公園行けるよ。と、何度も話したが、塾に行きたいと大泣きする。

まだ3年生。中学受験勉強がなんなのか、想像もつかないのだろう。幼く未熟な3年生。

「塾行きたい。受験したい。遊びたい。」

大泣きしながら言った娘の3つの希望は、どれも本音なんだろう。

子どもたちが寝た静かな夜。
小学生にとって遊びも大事。この3つ、すべてを叶えられるようにサポートしながら中学受験してみよう。と、ひとまずの家庭の方針を夫と立てた。
最初の激しい親子バトルが繰り広げられた一日の終わり。これからどうなるのだろうとまだ不安が残る中の決断だった。

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