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Aですか、Bですか。あなたのドライカレー。

おなじ言葉を目や耳にしたとき、ふたりの人が違うものを思い浮かべることはあるでしょうか。


☁くも、はし、たこ

たとえば、“くも”という言葉を聞いて、ひとりは雲を思い、もうひとりは蜘蛛のことを考える。単語だけ見聞きするとありそうですが、聞くほうはイントネーションで気付くでしょう。ましてや文章で会話していれば、前後の文脈で間違えようはなさそうです。

橋を渡る人はいても、橋を持ってごはんを食べる人はいないし、箸の上から手を振る人もいません。蛸を茹でることはあっても、凧を食べる人はいませんね。

🍛ドライカレーはどっち

でも、この言葉は、ふたりの人が違う姿を思い浮かべるかもしれません。

そう、ドライカレーです。

カレーといえば、そもそもはカレーライス。ごはんの上にカレーソースをかけていただく料理です。きっと、みんな大好きですね。ビーフ、ポーク、チキンと具の違いはあれ、おなじといっていい料理が浮かんでるはずです。

でもその前にドライという単語が付くと、様相は一変。

ほら、こういう感じ。あなたにとって、ドライカレーってどっちですか。

🍛炒めるかそぼろか

左はいわゆる、カレーチャーハンとか、カレーピラフ的な炒めごはんスタイル。そして右はひき肉のそぼろみたいなスタイルです。

これがどっちもドライカレーなんだから、どうしていいのかわかりません。たとえば、家族に今夜のごはんはドライカレーだよといったとき、みんなはどっちを頭に浮かべて待ってるのか。

そぼろスタイルを待ちわびている家族の前に、カレーピラフのお皿を出したら、どんなリアクションになるのか。逆もしかり。意表を突かれてサプライズ的に喜んでくれれば大団円ですが、それじゃない感じの表情になったら…。

🍛両方つくろう

それならばどうするか。そう、もうおわかりですね。両方つくっちゃえばいいのです。

というわけで、今回はドライカレーなる名前のメニューを、両方つくってしまったお話です。

まず最初に取り掛かるのは、こちらのスタイル。

🔪ドライカレーAのレシピ

肉そぼろ的なほうですね。インド料理屋さんなら、キーマカレーって呼んでる感じのひと皿。今回はこれをAと呼ぶことにします。

このスタイルは軽く煮込む手順があるので、その煮込み時間にもうひと皿の準備もできそうなので、こちらからスタートします。

具のメインはもちろんひき肉。玉ねぎ、にんじん、にんにくの香味野菜トリオはすりおろし、旨味出しのきのこは、今回はしめじを刻んで使います。

まずはお鍋にバターを入れて、火にかけます。

ひき肉ときのこを炒めます。

ひき肉の色が変わったら、おろし香味野菜投入。

カレー粉、ケチャップ、ウスターソースを合わせます。

味がからむまで炒め合わせて、コンソメパウダー。

赤ワインを加えて煮詰めたら、水を入れてまた煮詰めていきます。

水分がなくなったらできあがり。うん、たしかにドライです。 

このタイプは、食べる直前の温め直しがききます。電子レンジでもよし、すこし水を足して、もう一度火にかけてもよし。今回まず先にこちらからつくったのは、それが理由です。

🔪ドライカレーBのレシピ

さて、次はこちらのタイプB。

いわゆるカレーチャーハンぽい、ドライカレーです。

さっきと違うのは、コーンとピーマンを用意したことと、野菜がみじん切りなこと。もちろん、タイプAを煮詰めてる間に切っておきましたよ。

さあ、炒めていきます。野菜たっぷり。

ごはんに極力サイズを合わせた、みじん切り野菜でかさ増しして、お米の量を減らす、いつもの糖質オフもやっちゃいます。

玉ねぎの色が透きとおってきたら、カレー粉、そしてここでタイプAを合わせます。

お肉っ気は、もうひとつのドライカレーを転用するナイスアイディア。やっぱ先にタイプAからつくってよかった。

🍽盛り付けはワンプレート

手早く炒めて、さあタイプBが温かいうちに盛り付けましょう。

ここで登場、我が家の便利グッズ、セルクル。

まずはタイプA用の白ごはん。詰めるときは、緩すぎるとセルクルを外したときに崩れてしまうので、ごはんを潰さない程度に軽く押し込むようにします。

その上に、温め直したドライカレーA。

まずひとつめ、完成です。

続いてチャーハンスタイルのほうもいきますよ。

こちらもセルクルを用意して、詰め詰め。

こちらはコーンにピーマンにんじん、野菜の彩りも鮮やかです。

そぽろのほうはあまりにも無骨なので、彩りに刻みパセリをトッピングすることに。

生野菜と福神漬を添えたら完成です。ドライでも、2種類あってもカレーはカレー。やっぱ福神漬がほしくなるんですよね。

🥄ドライカレー食べ比べ

では温かいうちに食べ比べです。

うんうん、これはまさに肉そぼろのカレー風味。ちょっとおしゃれな、エスニック系カフェなんかでもランチに出てきそうです。

そしてこちらは懐かしい。レトロな喫茶店メシのカレーピラフみたいです。

ちなみに子どもの頃、実家で母がドライカレーと呼んでたのはこちらのスタイル。なので自分にとっては、懐かしくもしっくりくるひと皿だったりします。

🤔あなたのドライカレーは

そもそもDryという言葉。これが日本人にとっては、なかなか悩ましい英単語です。

本来は乾いた、そういう意味の言葉ですが、飲み物食べ物の世界になると、辛口という表現に使われますよね。たとえばカクテルのドライマティーニ。ワインの味わいのドライという表現、そうそう人気のビールもそうです。

そうなると、いつものごはんにカレーソースたっぷりのカレーを激辛にしたら、それもドライカレーのような気もしてきます。はてさて、それなのに辛口カレーをドライカレーと呼ばないのはなぜなんだ、とか、今回つくりながらいろいろ思ったりもしました。

なにはともあれ、どちらもドライカレーの名前で親しまれる、カレーアレンジ。

あなたのドライカレーはどちらですか。

🕛ドライカレー2種の分量

🍛ドライカレーAの材料

🍛分量(2皿分)
・ごはん…お茶碗1杯
・ひき肉…150グラム
・玉ねぎ…1/4個
・にんじん…1/4本
・にんにく…1片
・しめじ…3本
・カレー粉…大さじ1
・ケチャップ…小さじ1
・ウスターソース…小さじ1
・赤ワイン…1/4カップ
・コンソメ…小さじ1
・水…1/2カップ
・バター…5グラム
・こしょう…ひとつまみ

🍛ドライカレーBの材料

🍛分量(2皿分)
・ドライカレーAの素…大さじ1
・玉ねぎ…1/2個
・にんじん…1/2本
・ピーマン…1個
・しめじ…6本
・ごはん…お茶碗1杯
・バター…5グラム
・カレー粉…大さじ1
・コンソメ…小さじ1
・こしょう…ひとつまみ

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