ひらめきのカツナポリタン
子どもの頃から、考えごとをするのが好きです。
いっぽうで体を動かすことも好きで、スポーツだって好きなんですけど、その方面はチームスポーツ嗜好。ひとりのときに部屋でちょっとストレッチとかひとりでジム通いとかは続かないタイプです。考えごとが好きなら、どちらかというと後者のほうが向いてそうなのに、不思議なことにスポーツのスタイルは別物のようです。
🤔考える。なにを。メニューを。
考えごと好きの自分にとって、ひとりのときの習慣は、やはりついなにかを考えてしまうこと。ぼんやりとだっていいんです。どんなことでもいいんです。
たとえば、次の週末はどこにいこうかな、みたいに実生活に結びついたことでも、そういえば昔いったアイルランドの景色はきれいだったなみたいな想い出の反芻でも、もし世の中がいま、アニメの設定のように宇宙戦争の最中だったら、自分はどんな役割だろうみたいな、まるっきりの空想でも。
この日考えていたのは、晩ごはんのこと。
まあ、それについては日々考えているんですけど、その日は特に漠然と、ナポリタンが頭に浮かんできたんです。そうなると、まず全体像を描いて、盛り付けた姿を想像します。でもこの日はなぜか、いつものナポリタンじゃ物足りない気もする。さて、どうする。
🍝載せてもいいよね
ひらめきました。突如浮かんできたのが、こんなビジュアル。
カツカレーがあるんだし、ミートソースにカツを載っけたこともあるんだし、ナポリタンにカツを載せてもいいんじゃない。
よし、それでいこう。
💨戦略、作戦、戦術、そして
決まればここからは早い。ぼんやり考えていたのがまるで嘘のように、素早く行動に移します。
まず動けというタイプではなく、まず考えて、考えがまとまったら動き出す。それは自分の性分。
仕事のときもそう。なにか課題がある。そんなときはまず、いろいろシミュレーションします。それから方向性を決めて、戦略を練って、それに合わせた作戦を立てて、そのための戦術を考えて、ようやく動き出す。ただいったん動きだせば速い。
料理もおなじ。考えはまとまった。では動こう。
🍝カツナポづくり
さあ、レッツスタートです。
パスタはいつもの細麺カッペリーニ。
🕛パスタは20グラム
その量、わずか20グラム。すくなすぎると思うかもしれませんが大丈夫。糖質をオフして、でも満足度は変わらない。そんなレシピがあるんです。
具材は定番ラインナップ。ソーセージに玉ねぎ、ピーマン、しめじ。そこにプラス、カッペリーニと太さの近い、えのきをたっぷり用意します。これが糖質オフのカギ。
パスタを茹でるときにほぐしたえのきも投入。パスタはえのきと長さを合わせるために、半分に折ってあります。その効果は、食べるときのお楽しみ。
茹であがったら水気を切って、オリーブオイルをまぶし、麺同士のくっつきを防いでおきます。
🍗冷凍ストックが活躍
カツは冷凍ストック、作り置きのチキンカツ。
薄く削ぎ切りにして衣をつけてあるので、中火くらいの火加減で揚げていけば、凍ったままでもうまく揚げられます。
竹串を刺してみて、中まで熱くなっていたらOK。よく油を切っておきます。
🍝ナポリタンの隠し味
さあ、ここからはナポリタンづくり。
バターで具材を炒めます。
玉ねぎがしんなりしてきたら、ケチャップを投入。さらに粉チーズとタバスコも加えます。これが隠し味。
食べるときにかけるのが一般的な粉チーズとタバスコですが、炒めて熱を加えることで、ナポリタン全体の味にぐっと深みとコクが出ます。
🍽シルバープレートで懐かし風
こしょうで味を調えたら、シルバープレートの登場。
これこれ、この姿。ナポリタンには、やっぱりこのお皿が似合います。
ちょっとレトロな洋食屋さんのよう。
🍝ひらめきのカツナポリタン
そして、さあいきますよ。
カツどどーん。
どうですか。ワクワクしてきませんか。
ソースをかけて、彩りに刻んだパセリを散らします。
これがひらめきのカツナポリタン。さっそくいただきましょう。
まずはフォークでパスタをくるくる。えのきが混じり込んでいますが、まったく違和感なく巻き付いてくれます。
これ、パスタを茹でるときに折っておいた効果です。太さだけでなく、長さも合わせることで、麺とえのきの一体感が出やすくなるのです。
このままぱくりといきたいところですが、待て待て、今回はやつがいる。ナポリタンの上には、やつがいるじゃないですか。
ぷすり。
パスタを巻きつけたフォークの先、そこに光るは三本の矢。これでトッピングのカツを刺せば、この光景。
カツ、ひと口サイズにしといてよかった。
😋子どもの味、おとなの味
ぱくりといけば、カツとナポリタンが一気に口に飛び込んてきます。おいしいとしかいえない。お子さんが絶対喜びそうな気がする味ですが、それよりもいま、自分が大喜び。
まあそうですよね、自分だって子どもの時代を生きてきて、そしておとなになったのだから。あの頃好きだったはずのメニュー、おとなになっても好きだということに、なんの不思議もない。
だって、子どもの頃って、けっこう好き嫌いあるじゃないですか。でも、味覚が経験を積んで成長していくことで、いろいろと食べられるものが増えていくのだと思います。
つまり、子ども時代は好きの選別基準が、おとなより厳しいのです。それをくぐり抜けて、あの頃好きだったメニューを、おとなになったからという理由で嫌いになんてなるはずなし。
むしろ人は成長の過程において、子どもの頃の好物を中心に据えて、その周囲に新しく好物をマッピングしていくのではないでしょうか。
いざ、できあがったものを食べながら、そんなふうに、やはりなにかを考えているのです。
ひらめきが生んだカツナポリタンは、実はみずからの心の奥でずっと出番を待っていた、ラスボスだったのかもしれません。
🍝糖質オフ系カツナポリタンの材料
🍝材料(1皿分)
・カッペリーニ…20グラム
・えのき…1/4束くらい
・ソーセージ…1本
・ピーマン…1/2個
・しめじ…1/4房
・ひと口チキンカツ…2枚
・バター…10グラム
・ケチャップ…大さじ2〜3
・タバスコ…適量
・粉チーズ…大さじ1
・こしょう…ひとつまみ
・カツ用ソース(お好みのもの)…
・刻みパセリ…適量
※パスタの量はお好みで増やしてOKです。
お読みいただきありがとうございます☺️いただいたサポートは新作メニュー作りに役立てさせていただきます🍴🙏