砂川さん、ポークチャップってなんですか。
トケイヤkitchenのテーマとして、日本全国のご当地グルメをアレンジ再現してきました。
気がつくとその数、いつしか119本。ということで、今回は記念すべき120本めの記事になります。
🗾久しぶりのご当地グルメ
最初の頃は、次はこれにしよう、その次はあれだみたいな感じで、ネタのほうが順番待ちしてくれている状態でした。なのでけっこうなペースでこのシリーズの記事を書いていたのですが、さすがにこれだけの数になると、よく知られたメニューはひととおり登場したかなという気がしてます。
もともと全国を放浪してましたとか、国内旅行全県制覇しましたとかいうわけではないので、旅した先の想い出の味を再現しているわけでもありません。単に、食べるの好き、つくるの好きという動機で、調べたり思い出したりしながら、ご当地グルメをつくって食べる、そんな感じのゆるゆる企画というか。
というわけで、100本を超えたあたりから、ご当地グルメのアレンジ再現は、これ絶対関西ローカルやろという地元のメニューをふと思い出したときや、新しくSNSやメディアで知ったメニューがあるときに新作を追加しています。
そんな企画が久しぶりに動いた原動力。それが、今回飛び込んできたこれ。
北海道砂川市の砂川ポークチャップ。
🐷ポークチャップってなんですか
まずなにより気になったのが、その名前。もちろん砂川という地名のほうじゃなくて、チャップのほうです。チャップ。
子どもの頃、実家でも豚肉をステーキっぽく焼いたものをポークチャップと呼んでたような記憶が底のほうから呼び起こされました。しかしいつしかそれはポークソテーに変化しています。
ではチャップはどこへいった。そもそもチャップとはなんだ。実家にもいないとしたら、どこで出会える。そんなチャップが砂川市にいたわけです。
しかし自分の行動範囲では、洋食屋さんにいっても、メニューに載ってるのはポークソテーで、ポークチャップと書いてあるお店ってほとんどというか、まったく出会ったことがないような。
トケイヤkitchenにも、我が家定番のポークソテーのレシピはあるのですが、それはポークソテーであって、やっぱりポークチャップじゃない。
では今回、なにをどうすればポークチャップになるのか。砂川さん、教えて。
🧃これだ、これでいこう
しばらく考えたり、調べたり。するとこんなものを見つけました。
ほほう。砂川市の位置する北海道でつくられている、その名もポークチャップソース。これはいいヒントになりそうです。
このソースをポチって使うという手もありますが、それではご当地グルメ再現のキモでもある、オリジナリティというか、アレンジの部分が抜け落ちてしまう。
というわけで、とりあえずこのソースの商品説明を読んで、原材料を確認していたとき。はたとひらめきました。このソースの特徴を紐解けばいいんじゃないの。
ふむふむ、一番最初にケチャップって書いてあるから、やっぱりベースはケチャップよね。それから砂川産の玉ねぎ…これはちょっと出会う機会がなかなかなさそうなので、普通の玉ねぎでご容赦いただこう。砂川ポークチャップなのに申し訳ない。
りんご果汁、オレンジジュース。
これだ。ここ、ポイントかもしれない。単にケチャップとソースとか醤油やなにかを合わせるだけとは違い、ふだんなかなか家で使わないこのフルーツ系エッセンス。今回はこれをいれることで、ポークチャップに近づこう。というか、そう呼んでしまおう。
🐷ポークチャップつくります
というわけでケチャップベースに果汁でいくぞ、と方向性が決まりました。
いよいよスタートするわけですが、このためにりんごとオレンジを買ってくるのも悩ましかったので、野菜ジュースを求めてうろうろ。最近は飲みやすいように、野菜に果汁をブレンドしたジュースも多いので、この両方はいってるものを探しました。そしてぶじ発見。
🧂決め手はソース
💧ソースの材料
・ケチャップ…大さじ1.5
・りんご、オレンジ入の野菜ジュース…1/2カップ
・トマトペースト…小袋1/2
・ウスターソース…小さじ1
・お好みソース…大さじ1
・玉ねぎ…1/4個
・バター…10グラム
・こしょう…ひとつまみ
先述のソースの原材料を見ると、お酢や砂糖もはいってるようですが、ケチャップにもトマトペーストにも酸味はあるし、野菜ジュースに甘みはあるし、よしこれでいこうと選抜したのがこのメンバー。
ボウルに合わせた調味料たちに、野菜ジュース投入。玉ねぎとバター、こしょうはここでは混ぜずにあとで使います。
ひと舐めしてみると、ジュース入りなのでけっこう甘めな感じ。まあ、あとで加熱するし、その工程で味はまとまってくるだろうと思うことにします。
🍝付け合せもトマト味
続いて付け合せ。
袋に記載の茹で時間より1分長く茹でた、柔らかめのスパゲティに、ソースのときに使った残りのトマトペーストと追加ケチャップ投入。
水をすこし足して軽く煮詰めて、そのまま冷ましておきます。ちょっと水分が残るくらいにしておくと、くっつきにくいです。
🔥お肉焼きます
ここからいよいよ焼きの作業。
豚肉はポークソテー用。ポークチャップ用と書いたものは売ってないので、やむをえません。
油に切込みを入れて、筋切りをしておいたお肉を、オリーブオイルを敷いて煙が出るまで熱したフライパンにいれます。ここからは弱火に落としてじっくりと。
焼色がついたら返して、油をかけながらじわじわと火を入れていきます。
両面焼色がついたらOK。
アルミホイルにとったら、そのまま包んで余熱で火を通しつつ、肉汁を落ち着かせます。
💧次はソースの仕上げです
さあ、いよいよソースの準備。
お肉を焼いたあとのフライパンに、バターをいれて火にかけます。溶けはじめたら、薄切りにした玉ねぎを合わせます。
すこし色づくまで炒めて、玉ねぎをしんなりさせます。
ここに合わせておいた、ポークチャップのたれを投入。
強火でじゅわーっ。煮詰めて、こしょうで味を調えます。
🙌これがポークチャップ
じんわりと余熱に抱かれて、眠っていたお肉をお皿へ。おはよう、ポークくん。君は今からチャップになるんだよ。
ソースをたっぷりと。ほら、もうチャップ、まさにチャップ。彩りに刻みパセリを飾ります。
砂川くん、どうですか。
煮詰める前は甘すぎるかもと思った果汁入りジュースたっぷりのソースも、お肉の旨味を吸ったフライパンで煮詰めると、甘さが飛び抜けた印象もなく、ソテーしたお肉の味を引き立てます。うん、おいしい。
これが砂川ポークチャップをアレンジした、トケイヤkitchen流ポークチャップです。
🍖チョップがチャップでケチャップと
ところで、結局チャップとはなんだったのか。
気になるととりあえず調べたくなるのは性分なのですが、今回の結論としてはポークソテーをケチャップベースのソースにしたものが、ポークチャップってことでいいのかなと。
チャップはそもそもチョップだったみたいで、仔羊にもありますね、骨が持ち手みたいな形になったあれ。いわゆるラムチョップというやつです。アメリカ料理のポークチョップをもとに、それが日本で進化したのがどうやら、ポークチャップらしいと。
その過程で骨付き肉が手に入りにくい日本では、ポークソテー用のお肉になり、でもアメリカ料理の名残でソースにケチャップは使う。
そしていつしか、ポークチョップのチョップの部分とケチャップが一体化しつつ変化して、チャップになった。ポークチャップ誕生。
いわゆるポークソテーって、けっこう味付けの幅は広くて、デミグラスソースだったり、オニオンバターだったり、お醤油ベースだったり、そのソースはお店や各ご家庭でいろいろあるでしょう。
ポークチャップはその中で、ケチャップベースのソースのものの別名ということでどうでしょうか。
いろいろ調べた情報を一体化させつつ、ひとつの結論になるようにまとめてみたところ生まれた、トケイヤkitchen流の結論です。
さあ、みんなもポークでチャップしよう。おいしいよ。