開かれた海老フライ
あなたはあなたが食べたものでできている。
そんなキャッチコピーのCMがありましたが、自分で料理をするようになると、この言葉に共感するシーンって多々あるなぁと思います。そしてそれは身体面だけを指すものではないなとも感じます。
🍤実家のスタイル
たとえば自分の中にある、あるメニューのスタンダードスタイル。それはきっと、子どもの頃から食べて育った実家のスタイル。
たとえばハンバーグ。ソースはケチャップとウスターソースをベースにしたものなのか、それともテリヤキ系の和風なのか。
たとえばカレー。ビーフなのかポークなのか、はたまたチキンなのか。
きっと人それぞれで、その根本は子どもの頃食べて育ったおうちのスタイルなのではないかと思っています。
🍤エビフライの形
そんなことを考えていて、ふと頭に浮かんだのがこれ。
エビフライです。
いまとなってはまっすぐ1本のエビフライがスタンダードだと思っていますが、子どもの頃それは外食する時の“お店のエビフライ”でした。
というのも、実家のスタイルがこれだったからです。
わかりますか。この形。
そう、こんなエビフライだったのです。
背わたを取るときに開いているんですね。
1本スタイルと比べると、こんな感じ。
衣をつけるときも、しっかり開いてパン粉をまぶします。
これ。これが記憶の隅にあったエビフライ。ぺったんこに開いてます。
🍤比べてみようエビフライ
それでは比較のために両方揚げてみましょう。
うん、形が違う。
ちょっと丸まってきました。この感じもなんだか懐かしい。
1本エビとぺったんエビ。
では完成した両者を比較してみます。
まずは1本スタイル。
うんうん、これこれ。これがいま思うエビフライ。
そして懐かしの開きスタイル。
おお、自分にとってはこれもエビフライです。むしろ懐かしのスタイル。
🍤なぜ開くのか
そういえば、サンマって塩焼きのときは丸ごと1本スタイルですが、蒲焼とかフライのときは開いてますよね。一夜干しもそう。
それを思うと、エビだってどっちのスタイルともありかなぁと。
いや、待てよ。
サンマは丸ごとか開くかで、調理方法が異なってますね。もちろんできあがる料理も別物です。
それとは違いエビフライ。丸ごとでも開いてもエビフライ。この違いはなんなんでしょう。
できるのはどっちにしてもエビフライ。どっちもおいしいからいいか…と思いつつ、なぜ実家のエビフライが“開きスタイル”だったのか。その由来はどこにあるんでしょうか。
わたしはわたしの食べたものでできている。
この言葉を思い浮かべると、ますます気になります。わたしは開かれたエビフライでできているのかもしれない。
そうなるとこの謎は解いておきたい。なぜ実家のエビフライは開かれていたのか。こんど帰省したとき母親に訊いてみようと思います。
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