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豆腐が生姜焼きになった日。

トケイヤkitchenの定番のなかで、たくさんの読者のみなさんから反応をいただいた、素材があります。


⬜定番の人気素材

それがこちら。

絹ごし豆腐をキッチンペーパーに包んで冷蔵庫でひと晩。しっかり水気を切ったものです。

そのまま冷奴にすると、味がきゅっと詰まって、旨味がしっかり。それでいて、絹ごしならではのなめらかさがあって、みずみずしい状態のお豆腐とはまたひと味違うおいしさがあります。

さらに、加熱したときの水跳ねの心配が少なくなるので、焼いたり揚げたり、素材としても扱いやすくなります。

たとえば、ゴーヤチャンプルーにしてみたり、衣をつけて天ぷらにしてみたり、はたまた素揚げにして自家製の厚揚げにしてみたりと、メニューの幅も広がろうというもの。

そんな感じで水切り豆腐を愛用しているのですが、ある日、ふと思い付いたメニューがあります。

それがこれ。ぱっと見ただけだと、なんだろう、という感じかと思います。さて、これはなんというメニューでしょう。そんなクイズにできそうです。

お、それもおもしろいかも。

というわけで、今回はつくりながら、徐々にヒントを出してゴールにたどり着くスタイルで記事にしていきます。

⬜まずタレづくり

冷蔵庫に常備している、自家製の万能だれにおろしたしょうがとにんにくをプラスしました。

このたれは作り置きしておくと便利なので、よかったら試してみてください。

たれがない場合は、醤油、みりん、砂糖を同量合わせて、そこにしょうがとにんにくをたっぷりすりおろせばOKです。

このタレの味付け。なにかのメニューになるとしたら。大ヒントです。

🔥焼いていきます

まずは薄く切った玉ねぎを、しんなりとしてちょっと色づくまで炒めます。今回は1人前に1/4個くらい。これが最後にいい仕事をしてくれるので、お好みでもっと増やしてください。

第2の大ヒント。調理法的には“焼き”です。

⬜水切り豆腐の下ごしらえ

ここで登場。水切り豆腐。さて、これがいったい何になるのか。

ちなみに、今回の水切りは冷蔵庫でひと晩です。

あ。

クイズとかいってみたものの、よく考えたら記事のタイトルに思いっきり豆腐が生姜焼きになった、って書いてましたね。

まあ、いいや。

というわけで、豆腐をしょうが焼きにするのです。

豆腐は荒く崩して、天ぷら粉をまぶします。小麦粉でもOK。

ちょうど煮物の野菜を乱切りにするような感じで、豆腐を不揃いな感じにしておくと、食感にアクセントが出るのでおすすめ。スプーンで豆腐をざくっとひと口大にすくいとると、いい具合になります。

🔥焼いてからめて

オリーブオイルを敷いてフライパンを熱し、煙がたってきたら弱火にして豆腐をいれます。そのまま動かさずにじっくりと焼いていきます。

底になった面に焼き色がついたら、豆腐を崩さないように返して、ほかの面もこんがりと。

全面に焼き色がついたら、最初に炒めておいた玉ねぎとタレを加えます。

強火にしてからめながら加熱して、煮詰めていきます。衣になる粉が焼き固まってるとはいえ、中はやわらかいので、崩さないよう優しく動かすのがポイント。

よく味がからまったら、こしょうをひとふり。

⬜これが豆腐のしょうが焼き

あとは盛り付けるだけ。

どうでしょう。これが豆腐の生姜焼き。

付け合わせは定食屋さんの豚の生姜焼きをちょっと意識して、千切りキャベツに、トマト味のパスタ、目玉焼きの王道スタイルにしてみました。

豚肉と比べて、カロリーもセーブできて、ヘルシーなひと皿です。

🧅玉ねぎのいい仕事

そしてこれ、食べてみてもらうとわかると思うんですが、けっこう食べ応えあります。お豆腐がメインというと物足りなく思うかもしれませんか、どうしてどうして。

その要因のひとつは味付けが濃いめでしっかりしている点、そしてもうひとつは、炒めた玉ねぎを合わせた点がポイントです。

豆腐は衣の部分にたれがからむとはいえ、煮物ではないので!中まで味が染みることはありません。でも、その分、玉ねぎがしっかりと味を吸い込んでいるんです。

最初にすこし色づくまで焼いたことで、玉ねぎ自体に香ばしさがあり、そこにたっぷりたれの風味を吸収しているうえ、食感にもアクセントが加わります。このひと皿、玉ねぎを豆腐と一緒に口に運ぶことで、満足度がかなりアップしてるはず。ほんとにいい仕事してくれてます。

⬜水切り豆腐でメニュー革命

そして、豆腐に衣をつけたことで、生まれる表面のかりっと感も食べたときの満足感に繋がっていると思います。

たとえばうどんやラーメンの薬味に載せるおねぎとか、カレーに添える福神漬けとか、ちょっとした付け合わせですが、柔らかい麺類やごはんを食べる合間に口にしたとき、存在感が際立ちます。それは味だけではなく、あのしゃりしゃり、ぱりぱりがあるから。食感に変化があると、食べ飽きしないですよね。

しょうが焼きになったお豆腐は、ビールにもよく合いますが、甘辛い玉ねぎと一緒に、ごはんに載せても無敵のおいしさです。

水切り豆腐で食卓革命。ふだんの素材のお豆腐の水を切ることで、新しい用途が広がります。脇役になりがちな素材が主役になり、食べ応えばっちりのメニューが生まれました。お財布に優しいのも嬉しいです。

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