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携えて本屋さんに行きたい、ブックガイドに最適な3冊

とことん本が好きな人間なので「本に関する本」も好んで読みます。
書評集だったり、本屋さんに関する本だったり。

後者に関しては、過去に記事も書きました。

なので今回は前者です。

◎いわゆる「ブックガイド」と呼ばれる、多種多様なジャンルの書籍を紹介する本
◎多岐にわたる参考文献のおかげで、結果的に「様々なジャンルのブックガイド」の様相を呈する本

これらをもとに、3冊選んでみました。
よろしければお付き合いくださいませ。




1.『本屋さんで待ちあわせ』三浦しをん

昨年読んで、しをんさんの読書遍歴の幅広さにただただ圧倒されたのを覚えています。小説もノンフィクションもごった煮で、国も時代もジャンルも興味のままに縦横無尽。
(そこまで幅広いのに、太宰治と吉田篤弘という個人的に好きな作家の章が並んでいる偶然も嬉しい)

と同時に、例えば星新一を語る章、例えば筑豊じん肺訴訟を語る章、萩尾望都を語る章に東海道四谷怪談を語る章に……と、文章を書くことを生業とする人の「本気の書評」を読める歓びをくれる一冊でもある。

私はこれ一冊で、読みたい本も再読したい本も増えすぎました。
自分なりに読んだら、また本書に戻ってきてしをんさんの感想も拝読した上で読了としたい。そう思わせてくれるエネルギッシュな書評集です。



2.『世界史を変えた植物』稲垣栄洋

15種類の植物を取り上げながら、それらが世界の国々の歴史にどう関わってきたかを広く浅く紹介する一冊。
日常的に馴染み深い、お米やトマトやジャガイモなどの食材を取っ掛かりに。世界史のおさらいをしつつ雑学めいた知識まで身につく、知的好奇心をくすぐられる楽しい内容になっています。

巻末に『参考文献』として様々な書籍の情報が載ってまして。
本文中の内容が「広く浅く」なので、興味を持ったジャンルを更に深堀りする入り口に最適です。

ざっと眺めただけでも、
『トマトが野菜になった日』
『世界を変えた6つの飲み物』
『食べる日本史』
『砂糖の歴史』
(←同名の書籍が2冊ある!)
『じゃがいもが世界を救った――ポテトの文化史』
と、そそられる書名がいくつも。
新たな知識の入り口にもなる、サービスカウンターめいた一冊とも言えます。



3.『千年の読書:人生を変える本との出会い』三砂慶明

この本を推したいがために、この記事を書いていると言っても過言ではありません。
それぐらい響いた。良い一冊でした。

著者の三砂さんは大阪にある『梅田 蔦屋書店』の立ち上げから参加され、人文書のコンシェルジュ担当でもあった方です。
(現在は『TSUTAYA BOOKSTORE 梅田MeRISE』に勤務されています)

三砂さんが、本書で紹介している本の数は200冊以上。
その膨大な冊数を「働き方」「お金」「食」「死」など、人生について回る題材を取り上げた7章構成として紹介しつつ、感想を述べたりエッセイを綴られたりしています。

そのエッセイもまた「読ませる」文章。
これ一冊で完結しながら、同時に面白い本の提案にもなっている。
人生を変える必要性を感じていない人にだって、全力で勧めたい内容です。

ジャンルや時代の縦横無尽さは三浦しをんさんにも通ずるけれど、書店員さんだからか、選書が気持ち客観的だと感じました。
(フラット、と言うほうが語弊が無いかな?)
博覧強記の源泉に触れられる一冊です。



おわりに:そしてまた読みたい本が増える

読書遍歴って、他者と被り得ない自分だけの系譜でもあります。
興味深いブックガイドは、内容そのものと取り上げるジャンルの幅広さから、その系譜において重要な位置を占めるものです。

新たな視点や価値観を得ることにも繋がる「本の本」意識して手に取ってみるのはいかがでしょうか。

お読みいただき、ありがとうございました。
お互い良い本読んでいきましょう📚



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