季節を迎えるためのポタージュ
こたつに入ってみかんを頬張りながら
今までコツコツと貯めてきたレシピの
棚卸しを実施。
大学生の頃から綴ってきたレシピノートは
地味に3冊目を迎えている。
作って美味しかったものだけを
書き留めているのだけど
特にカテゴリを設けるでもなく
その日その日で記録しているので
後でもう一度作ろうとしても
レシピを探し出すのに一苦労なのだ。
まずは主菜別にわけてみようか
そう思いつつ
ペラペラとページをめくっていると
なんだかアルバムをめくっているような気分になる。
作った当時のことが思い出されて
懐かしくなる。
何度も作ったレシピのページは
調理中に水がはねたせいか、
字が滲んでいたりする。
*
これは、母のレシピ。
家族みんなのお気に入り
甘く豊かな、ポタージュスープだ。
*
小学生のころ。
珍しく積もった雪にはしゃいで
外で目一杯遊んだ私は
それはもうはらぺこで家に帰る。
そんな日に
母が鍋をとろとろかき混ぜて
このポタージュを作っていると
とてもうれしくなった。
レトロな花柄があしらわれた
明るいスープ皿に
山吹色をしたポタージュ。
それを口当たりのいい木製のスプーンで食べる。
さっきまで冷えきっていた体が
お腹に湯たんぽを当てたみたいに
ほっかりあったかくなる。
あの頃はこのとろけるように甘いスープに
砂糖が入っていないなんて信じられなかった 。
家族分のポタージュが並ぶたのしい食卓は
我が家の冬の景色のひとつになっていて、
この料理は私にとって
冬の訪れを感じる、
「季節を迎えるためのポタージュ」なのだ。
*
小さい頃はキッチンに立つ母の隣で
何を作っているのか見ているのが
好きだったけれど
今は逆に母から、どう作ればいいかと
相談されることもある。
2人で並んで料理しながら
今の悩み事やこれからの心配事を相談したり。
「こうやって一緒に料理できるのも
あとちょっとやね。」
結婚を機に引っ越す私に母が言う。
「お母さんに聞いておきたいレシピ
まだまだあるんやけど!」
母の味を覚えておきたい私が母に言う。
私もお母さんみたいに
家族を嬉しい気持ちにできる料理を
作れるようになるんやろうか。
今日も気忙しくキッチンに立っている母の
少し小さくなった背中は
近いようで、まだまだ遠いなあと思った。
*
参考までにレシピをメモ。
①全て皮を剥いて一口大に切りそろえる
※ごぼうだけはささがきにして水にさらす
②鍋にバターを入れ、
玉ねぎを透き通るくらいまで炒める
③他の野菜を加えてさらに炒める
④野菜が半分顔を出すくらいの水を入れて
柔らかくなるまで煮る。
⑤ミキサーにかけて撹拌する。
⑥鍋に戻して豆乳を入れ、火にかけ、
調味料で味を整える。
・こっくり仕上げたいなら水は少なめで煮ること
・沸騰させすぎると豆乳が凝固するので注意
・鶏がらスープの素は隠し味程度に入れる
母は細かな分量を計らないらしく
「とにかく味見をしながら味をつけること」
と念を押されている。
(参考にならないレシピでごめんなさい。
だいたいで作ってもわりに美味しく作れます。)
使う野菜が多いので大変ですが
もし気が向いたら、試してみてください☺️
これからもあたたかい記事をお届けします🕊🤍🌿