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社内公募で飛び込んだ風力事業開発、前例がない手探り経験を積み重ねて

佐藤 隆太┃Ryuta Sato (山形県鶴岡市出身)
2021年4月 東北電力入社。青森発電技術センター水力電気課で1年間の集中教育を経験後、秋田発電技術センター水力電気課において、水力発電所の保守・運用業務を担当。
その後、社内公募制度を活用し、2024年3月より企画・開発部(現:再生可能エネルギー部)にて、陸上・洋上風力発電の事業開発業務に携わる。
小・中学校は野球、高校は弓道、大学・大学院では燃料電池の材料研究に励むとともに、150人が所属する大規模よさこいサークルに所属。東北のみならず全国各地の祭りや地域イベントで踊りを披露し、地域を元気づけてきた。


「今」も「これから」もホットな再生可能エネルギー部が取り組む風力事業とは

―どんな仕事をしていますか。
私が今もっとも力を入れて取り組んでいる業務が「洋上風力発電の事業開発」です。当社は現在、秋田県の八峰町と能代市に洋上風力発電所を建設するプロジェクトに合同会社の一員として参画しており、複数の企業との協働により事業開発に取り組んでいるところです。
その中で当社は、洋上で発電した電気を適切な電圧へ変換し送り出すための「送変電設備の設計」や、この事業開発が周囲の環境に与え得る影響を予測・評価する「環境アセスメント」の2つの仕事を主導しています。
ヨーロッパの国々などと比べると、日本は地理的・気候的な条件から、洋上風力発電の導入は、まだまだ進んでいません。そのため、全てにおいて手探りで業務を進めなければならない難しさがあるのですが、前例が少ない洋上風力発電の事業開発に携わっていることへのやりがいの方がウンと勝っていて、すごく楽しいんですよ。

―風力発電に携わることになったきっかけは何だったのでしょう。
大学院でエネルギーミックスについて学んだ際、洋上風力発電のポテンシャルの高さに可能性を感じていました。
入社後の3年間は、水力発電に携わっていましたが、風力発電が盛んな秋田県で、さまざまな風力発電設備を実際に間近で見てきました。そして、当社では、「カーボンニュートラルチャレンジ2050」を掲げ、CO2の排出削減に向けて、風力発電を主軸に再生可能エネルギーの新規開発に力を入れているところ。

「風力発電の事業開発に携わることができるなら、今が一番良い時期なんじゃないか」
 
ちょうど社内公募制度で、企画・開発部(現:再生可能エネルギー部)の募集がありましたので、チャレンジすることを決意しました。

そして希望が叶い、2024年3月からその一員として、洋上風力発電の事業開発プロジェクトに携わっています。当部では、私が携わっている洋上風力発電のプロジェクトに加え、陸上風力発電においても、当社単独や複数の企業と一緒に進めているプロジェクトが同時並行で進んでいます。「今」も、そして「これから」も、めちゃくちゃアツい部署だと思っています(笑)

前例の少ない洋上風力発電事業、取り組むうえで大切にしていること

―洋上風力のプロジェクトにおいて、佐藤さんはどのような役割を担っているのでしょうか。
これまで、環境アセスメントの手続きの1つである「準備書」の作成に取り組んできました。
この準備書には、環境への影響を評価した結果や環境保全に対する事業者の考え方などを記載しており、文章量も多く、内容も専門的。その上で、準備書の内容を踏まえて地域の皆さまなどから、この事業に対してご意見をいただくことになります。
 
記載する内容は、当社だけでは判断できないケースも多く、一緒に事業を進める企業をはじめ、地元の自治体や国からも意見をいただきながら、チームで議論を重ねて1年以上かけて完成させました。
陸上とは違い、洋上に発電設備を作る前例が少ないプロジェクトですので、さまざまなステークホルダーとの連携やコミュニケーションが非常に重要になります。わからないことがあれば素直に「教えてください」と相談し、疑問や気づきがあれば、そのままにせず、都度確認を行ってきました。

準備書では、要点を絞った要約書も作ったのですが、より平易でしっかりと内容が伝わるよう、表現を工夫したりもしました。約1,600ページにも及んだ準備書でしたので、最終的に冊子として出来上がったときは「ここまで頑張ってきてよかった」と、達成感は計り知れないものがありましたね。

約1,600ページにおよぶ準備書

今の経験が将来の強みへ

―コミュニケーションをすごく大切にしていますね。
大学から大学院までの6年間、150人が所属する「よさこいサークル」に所属し、自分にはない経験や考えをもっているさまざまな人と出会いました。
自分から話しかけることは得意ではなかったのですが、サークルを運営するなかで積極的に仲間と会話するようになり、気づいたらサークルメンバー全員の顔と名前を覚えていましたね(笑)
さまざまな価値観に触れることで自分自身すごく成長できましたし、社会人になった今でも、それぞれの道に進んで頑張っている友人の姿から刺激をもらっています!

「よさこい」をとおして東北・新潟の魅力を再発見

―充実した学生生活を送られてきたんですね。
そうですね。ただ、今も学生時代に負けないくらい、すごく充実しています。
再生可能エネルギー部には、火力や水力など発電業務や、送変電業務の経験が豊富な社員だけでなく、販売部門など、これまで交わる機会が少なかった部門の社員も所属しています。さらに中途採用や語学が堪能な方など、一人ひとりがぜんぜん違うバックグラウンドを持ち合わせているので、周囲からの刺激は自分自身のモチベーションにもつながっています。

現在進めている洋上風力発電プロジェクトは2029年の運転開始を目指しています。「各々の強みを活かし、力を合わせてこのプロジェクトを計画どおりに成功させる」という共通意識のもと、前例となる洋上風力発電プロジェクトが少ない中でもチーム一丸で取り組んでいけたらと考えています。
洋上風力発電の事業開発に携われていることは、将来の自分の強みになると確信しています。経験を一つ一つ積み重ねながら、風力発電のスペシャリストとして成長していきたいです。

※本インタビューは2024年8月に行いました


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